ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

検地帳について(天正八年帳) (途中経過です。)

2019-11-14 11:05:25 | 古文書
博物館で特別展をしたり,
それが新聞やテレビのニュースで取り上げられたりすると,
「もしかしたら,家にあるこの文書・・・」
と貴重な古文書が見つかったりするものです。

今回ここに書く天正八年の検地帳の写しもその一つです。

2017年の特別展「ひょうごと秀吉」を見に来られた方が
所蔵する文書のコピーを博物館に持ってこられたのが始まりのようです。

以下,
兵庫県立歴史博物館紀要 『塵界』 第30号2019年

前田徹氏「天正八年十月二十四日付け 播磨国飾東郡緋田村検地帳写」
をもとに,
私なりにまとめたものを書いています。

いつもそうですが,
私の読み間違い,解釈の間違いもあるかもしれません。
興味を持たれた方は,
兵庫県立歴史博物館紀要 『塵界』 第30号2019年
を読んでください。
姫路市立図書館で借りることができます。



A:天正八年帳(緋田村)写し・・・書風から16世紀後半まで
  1580年 信長の家臣羽柴秀吉実施
1.①地名(小字名) ②面積 ③耕地等級等 ④分米 ⑤名請人
 の順に書かれています。
2.貼紙の断片やそれを剥がした糊の跡
 →実用に用いられ,記載の内容の変更など訂正を加えるなどして
  使用された痕跡                  (カ)
3.丸く小さな印か何らかの文字が彫られた楕円印(印文 「守□(しかく)」)を
 割印として用いる。
 写しを作成する際かあるいは何か別の帳簿と照合した際の検印や目印
4.単位・「畝」(織田検地帳から全国へ)とともに,中世的な「大」「小」「半」
 1反=360歩と思われる。
5.名請人・「御着 石原方」
       「石原」は「方」がついているので,名字であることが明らか。
            「方」:侍身分に対する中世的な敬称
(6~8は11月19日追記)
6.集計・本体の一筆ごとの数値を集計→計算が合わない
     単純な計算ミス?
     たとえば,村からの指出を踏まえたものなど,
     本帳の本文記載とは別の材料を基に記載されている可能性
7.名請人の所属村
 緋田村の住民は筆数,分米高ともにおよそ半分弱
 残りは,的形・三(見)野・福留(泊)・東山といった近隣村落の住人が名請
8.畠の年貢額集計に銭が用いられている。
 本文では,石高


B:慶長七年帳(明田村(旧・緋田村))写し
  1602年 池田輝政が実施
1.文禄検地帳(秀吉直轄下)以降
①耕地等級・地目(地目は略するものもある) ②地名 ③面積
 ④分米 ⑤名請人 の順に書かれています。
3.合点類は,慶長七年帳にもみられる。
4.1反=300歩
5.名請人は名字を記さず名前のみ(太閤検地以降)


箇条書きにしました。

実は,まだ,半分くらいしかまとめていませんが,
難しい論文を読むのに疲れたので,
ここで終わります。


「天正八年帳」は今,
兵庫県立歴史博物館 特別展「お城ができる前の姫路」で展示されています。
(11月24日まで)

写真撮影不可ですし,
論文には天正八年帳すべてが載っていますが,それをここに載せるわけにはいかないでしょう。

というわけで,
近いうちに歴博に行くので,
看板に載っている天正八年帳をいずれここに貼り付けます。

太閤検地以降の検地帳については,
NHK学園で古文書を学んでおられる方は,
『基礎コース テキスト』の
②「検地水帳」を参考にしてください。


追記(11月16日)
兵庫県立歴史博物館 特別展「お城ができる前の姫路」
のチラシから


天正八年帳については,論文をもう少し読み進め,
「おもしろ~い!」と感動したことがあったので,
後日追記します。
今日は時間がないので,すみません。

(以下,11月19日追記)
兵庫県立歴史博物館特別展「お城ができる前の姫路」によると,
村高の増加
天正八年 419石 → 慶長七年 805石
  倍増に近い増加
先行する太閤検地に比べて二割の打出し
近世初頭,検地は何度かくりかえされており,
その都度村高は増加(打出し)させられる。
→検地で課税可能額の把握を強化


追記,追記で私自身はわかっても,
読む人にはわかりづらくて,すみません。

天正八年帳には,
「畠の年貢額集計に銭が用いられている。」
という点から,
貫高制・石高制とか,経済の変化,
なぜ,銭から米になったのか・・・とか
気になるのですが,
テーマが大きすぎて,すぐに理解できそうもありません。

とりあえず,ここでこのタイトルを終わろうかと思います。
自分なりに勉強になりました。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 黒岡神社(兵庫県揖保郡太子... | トップ | 地震・台風の被害とレスキュ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

古文書」カテゴリの最新記事