ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

本郷和人『世襲の日本史』『武士とはなにか』&「日本中世の自由と平等」

2019-09-28 14:41:08 | 日記 本
今日は,本郷和人氏の本から

本郷和人『世襲の日本史 「階級社会」はいかに生まれたか』(2019・9初版発行)
(「読書メーター」より)
久しぶりにずっしりくる本郷和人氏の本でした。
最近,一般向けのわかりやすい本が多い(?)本郷氏ですが,
この本は,学生時代ちょっとだけですが,歴史学をかじったことがあるけど,
専門書を読むのは難しくて読めない・・という私のような人にちょうどいい本だと思います。
『文明としてのイエ社会』「職の体系」がこの本の幹だと思います。
・・・『武士とはなにか』を再読したくなりました。


ということで,
本郷和人『武士とはなにか 中世の王権を読み解く』
(平成25年5月初版発行,ただし,2007年5月発行の『武士から王へ』を改題文庫化したもの)
(「読書メーター」より)
昨年(2014年のことです。)4月,
JMOOCで本郷和人先生の「日本中世の自由と平等」を受講した。
大学卒業以来,久しぶりに「歴史学」を勉強した。・・・と思った。
この講義を本にまとめてもらえないだろうか・・・と思ったのだが,逆だった。
本が先にあったのだ。
それがこの『武士とはなにか』だった。
抽象的で難しい本だが,JMOOCとかなり重なっていたので,理解できた部分が多かった。
今年(2015年のことです。)9月にもう一度同じ講座が始まるので,
(ただし,課題はかわる。)
その頃もう一度読み直しながら,「日本中世の自由と平等」を学び直したい。


ということで,


最初の本郷先生の講義「日本中世の自由と平等」最終レポートを載せます。
一応講義は,選択問題と記述で,96点でした。

     
     「日本中世における自由・平等・平和」について                                          
 
 「日本中世における自由・平等・平和」を本郷先生の考えに沿って述べます。    
 
 まず,「自由」について。  
日本の中世は荘園制における職の体系に見られるように,
土地の『所有権の未成熟』が考えられます。
権利は分けて持ち,所有が確立していません。
ヘーゲルは「自由は所有」と言っていますが,
本郷先生もこの考えに基づき,
自分の意思・身体を自分で所有することが自由であると述べておられます。
そして,男衾三郎絵詞にみられるいつ理由もなく殺されるかもわからない時代から,
所有権が確立し,
所有概念が成熟していく過程が中世であると考えています。
本郷先生は,網野氏のまさに男衾三郎の世界である自由論・無縁論を批判し,
「日本中世は自由が徐々に確立していく時期であると言える」
と結論づけておられると考えます。
 
 次に「平等」について。  
「仏の前では平等」という考えを唱えたのは法然です。
それまでの天台宗・真言宗ではトップは皇族であり,
高い位を持った僧侶は貴族の子でした。
これに異議を唱えた法然は,
「南無阿弥陀仏」を唱えれば
武士でも貴族でも庶民でもみな差別なく極楽浄土にいけると説きました。
弟子の『熊谷直実』は法然と九条兼実の話を
部屋の外のさらに段の所にいたため聞くことができません。
直実は「極楽にはかかる差別はあるまじきものを」と言ったとされ,
平等というものを求める人の叫びが現れている
と本郷先生は語っておられます。
また,この中世的平等(リゾーム)の考えは,
一向宗が広がるとともに拡大し,
ツリーの考えに基づく信長には脅威となりますが,
信長によってリゾームは滅ぼされます。
「中世では平等の考えが生まれ,広まった。
 しかし,中世的平等は中世が終わるとともに消滅した(一向宗は残っても)」
というのが,本郷先生の考えと思います。
 
 最後に「平和」について。  
まず,日本の『人口の増加』から平和について考えます。
西暦1600年から1700年の100年間に
人口が1200万人から2500万人に増えています。
江戸時代のシステムが人口を大幅に増やしたと考えられます。
このことから,江戸時代は平和な時代であったことが想像できます。
本郷先生は今回の講義では,中世の平和について多くを語られていません。
しかし,中世のはじめの男衾三郎絵詞の時代は
いつ殺されるかわからない時代でした。
それが,戦国時代には,自分の国を治めるのが戦国大名の義務となり,
検地を行う一方で,治水・灌漑などの事業を行い,
自国を守ることが重要な時代となりました。
そして,江戸時代には大幅な『人口の増加』が見られます。
このことから,私は
「庶民にとっての平和は中世において少しずつ蕾をふくらませ,
 江戸時代に一気に開花した」と考えます。

 
ということで,江戸時代の本に戻ろう!

と思ったのですが,
趣味どきっ!の「魔界めぐり」がおもしろかったので,
ただいまネットで
加須屋誠『地獄めぐり』を注文中!
合わせて,
『近世古文書解読字典 増訂』も注文!


やっぱり,歴史って楽しいね。

最後まで読んでくださった方,ありがとうございました。
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岡山県立博物館;常設展&企画展「物見遊山 江戸の旅模様」

2019-09-21 11:48:54 | 日記
前回の続き,次は岡山県立博物館について

「何が一番よかった?」
と聞かれれば,私は,
「人がよかった。博物館の方とのお話が一番良かった。」
と間違いなく答えます。
本当に楽しかったです。
ありがとうございました。

また,たった250円で,盛りだくさん。
(今回は,企画展なので250円でしたが,特別展は,別料金だと思います。)
説明の資料もたっぷり。


まず,
①特殊器台
 パッと見た感じ,埴輪?
 でも時代が違います。
 弥生時代終わりごろ,
 吉備地方で作られ始めた葬送用の特別の器台(壺などをのせる台)です。
 古墳時代の円筒埴輪の起源に直接結びつくものだそうです。
 分布はかつての「吉備」と呼ばれた地域に集中しているそうで,
 「ん・・・大和じゃなくって,吉備!」と勝手に感動しています。

②装飾付須恵器
 古墳時代後期です。
 全国で約600点,うち,岡山県で約50点出土しているそうです。
 なぜ,感動したのか・・・
 以前見た,
 たつの市立龍野歴史文化資料館「はじめての里帰り 西宮山古墳の御宝」
 の須恵器とそっくりなのです。
 ただし,たつのの方は,相撲している人とかありましたが,
 岡山県立博物館の展示は鉢巻をした人物やイルカらしき生き物がのっていました。
(①,②とも写真撮影不可なので,写真はありませんが,
 たつのの方は8月9日のブログに写真を載せています。)

 このことで,すぐそこにいた博物館職員さんとお話。
 私がたつのの話をすると,
 「私もたつのではないけれど,見たことがある!」
 とのこと。
 私が携帯の写真を見せながら,
 「ほら,そっくりでしょ。」
 とお話が弾む・・。

 その後,違う展示を見て,また,さっきの職員さんに会うと,
 その職員さん,本をいっぱい広げて,探していたのです。
 結局,その場で見つかりませんでしたが,
 この職員さんとのお話が,今回,一番嬉しかったです。

*吉備に関することも,日本刀や備前焼に関することも,
詳しいことは,それぞれ特化した資料館等があるので,
岡山県立博物館では,少し展示しているだけです。

③企画展「物見遊山 江戸の旅模様」
 以前読んだ『現代訳 旅行用心集』(6月12日ブログ)の
 本物,江戸時代の本が展示されていました。
 なんだかうれしくて,ニンマリ! 
 思ったより,小さめサイズで,
 懐に入れて,持ち歩いたのかな?と思いました。
 
 往来手形は古文書のテキストにありそうな・・・。
 旅人が病死した時の処置について書かれた古文書も,
 テキストに出てきそう・・・ですね。
 
 岡山の名所を描いた浮世絵やおかげ参りの絵馬。

写真撮影不可,図録がない・・・残念です。


でも,岡山と言ったら,これでしょ!
撮影可スペースの「一遍上人絵伝」(複製)
備前福岡市の一部を載せて,
今日のブログを終わります。

とりとめもない話,失礼いたしました。





(おまけ)
網干,前田遺跡,装飾付須恵器  

平成30年1月~3月調査
場所は,以前ブログで書いたことがある,(2016年9月)
鍛冶田遺跡の近く

少し前,兵庫県立考古博物館で展示されていたのですが,行けなくて,
まだ実物は見ていません。
写真は,新聞記事からです。

台風17号の暴風のため,雨戸の音がうるさくて,
何度も目があいた9月23日早朝追記。
ただいま,暴風波浪警報!
まだ強風域,暴風域には,兵庫県北部は入っても,この辺りは入らない?


それでも,強風で,目があき,なんとなく怖かったのだから,
台風15号の時の,千葉県周辺の方々は,すっごく怖かったことでしょう。
怖いだけではないですね。
2週間もたったのに,未だに停電しているところがあるのですから。

繰り返しになりますが,台風の朝,追記。

さらに追記(9月23日夕方)
さっき,兵庫県立歴史博物館フェイスブックを見ると,
歴博入り口前の木が倒れたとのこと。ビックリです!
写真付きで載っていました。
やっぱり,風,すごかったんですね。
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ふらっと何十年かぶりに岡山へ

2019-09-16 06:06:22 | 日記
9月13日,ふらっと何十年かぶりに岡山へ

よーく考えると,網干から神戸も,
網干から岡山も距離的にはそんなに差がないのです。
(電車によって,かかる時間は多少違います。)

JR網干ーJR三ノ宮(神戸の中心です。)・・・67.6㎞ 53分(新快速) 1140円
JR網干ーJR岡山・・・・78.3㎞ 1時間15分(山陽本線経由) 1320円

でも,何が違うか
文化圏が違うのです。
だから,電車の本数も,全然違うのです。

本線経由で岡山に行くには,お昼の時間帯は,1時間に1本しか電車がありません。
神戸に行くには,新快速だけでも,15分に1本です。快速もあります。
私鉄の山陽電車もあります。

ということで,のんびり田舎の景色を楽しみながら,
時々,図書館で借りた
『太陽コレクション 城下町古地図散歩5 広島・松山・三洋・四国の城下町』
の岡山城のページを読みながら,
県境を超え,岡山へ。

岡山は都会でした。
姫路よりもずっと都会な気がしました。
県庁所在地ですもんね。
でも,神戸より駅とかすごいかも?
と思ったのは,
きっと,神戸は分散しているからですね。
神戸の中心は,三宮(JRの駅は,三ノ宮駅)。
でも,新幹線は,少し離れた新神戸という風に。
その点,岡山は,JRだけで,
山陽本線,赤穂線(兵庫県方面から)
ほか,伯備線,吉備線,津山線,宇野線,
そして,山陽新幹線が集まっているのですから。
(もしかして,何か抜けていたらすみません。)

岡山駅には,

ご存知,桃太郎!


さて,岡山駅から,市電。
この市電,私が乗ったお昼の時間帯は,1時間に12本。
むちゃくちゃ便利です。

「城下」で下車,100円,ICOCAで払う。
丁寧な案内図を見ながら,散策。
ちらっと岡山城天守(空襲で焼失,戦後再建)や



月見櫓(写真)
(これは,江戸時代初め,二代藩主・池田忠雄(姫路城築城の池田輝政の子)が建てた)
を見ながら,岡山県立博物館へ。

(博物館を出てから,もう一度,ちらっと岡山城周辺を散策。
 その時は,宇喜多秀家時代の石垣も見ました。)

岡山県立博物館,すっごく,楽しかったです。
・・・次回。







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2018年度解読実践コース締めくくりは「A◎」

2019-09-13 05:51:38 | 古文書
古文書を勉強して・・・何年?

NHK学園は,
はじめての古文書・・半年
基礎・・1年,
応用・・1年,
応用ステップ2・・1年,
解読実践コース・・3年。

でも,その前に,NHK挫折1回,

学生時代,何単位?




2018年度解読実践コース第10回課題,昨日返ってきました。
その「評価」です。

やったね!

こんな評価は,解読実践コースでは,「初」です。

でも,単に今回は,簡単だっただけです。
満点ではありません。

次は,こんな評価,無理でしょう。

でも,うれしいです。

まもなく,2019年度解読実践コース第1回課題提出です。


先生の「講評」には,
いつものように,課題についてのほか,
「あなたの声」についても,書いてくださっています。
「小松帯刀!懐かしいですね。」と始まっています。
(前回の「あなたの声」はどこかに書いていますが,
 明治初め,五代友厚が小松帯刀にあてた書状について書いています。)
以下省略します。
先生の「講評」,とっても嬉しいので,秘密です。

さあ,2019年度もがんばるぞ~!


PS.2019年度第1回の「あなたの声」は,
「夏期集中スクーリングには参加できないので,
 (東京まで行けない。)
 ユーチューブかDVDで見ることができたらいいなあ,
 ご検討お願いします。」
といったことを書きました。




コメント (2)
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