ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

国芳「源頼光公館土蜘作妖怪図」から

2016-08-24 13:58:07 | 日記 国芳
まず,古文書「あなたの声」

Eテレの「趣味どきっ! 旅したいおいしい浮世絵」(4,㋄)を見てから,すっかり歌川国芳のファンです。
7月には,神戸市博物館で「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」を見てきました。
(ガチャポンで国芳の“猫”をあてました。)
また,姫路にある兵庫県立歴史博物館の「立体妖怪図鑑」では,国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」を立ち止まって細かく観察してしまいました。この浮世絵は,天保の改革を皮肉ったものとされ,改革のため,規制されたり失業したりした人たちが妖怪になって出てきて,将軍家慶や老中水野忠邦と思われる人の背後にいます。
今回の課題は,そんな天保の改革の少し前,天保の飢饉のころの古文書でした。
古文書も浮世絵も,その時代背景も調べるとおもしろいですね。
次は明石市立文化博物館で,「江戸の遊び絵づくし」を見てくる予定です。


ということで,

国芳「源頼光公館土蜘作妖怪図」


背後の妖怪は何かを知りたくて,
本を2冊借りたところまで,前回書きました。

なんと,
南和夫『幕末江戸の文化』には,ずばり,
第1編 天保の改革と文化規制
 第2章 国芳画「源頼光公館土蜘作妖怪図」
とあるではありませんか。

そして,第3章 天保の改革と浮世絵
にも,国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」について書かれている部分がありました。


これらによると,国芳は皮肉って書いているものの,想像以上にこの浮世絵が流行。
この妖怪がこの意味なら,こっちの妖怪は,・・・と
国芳の思惑以上に騒ぎになったようです。
江戸時代の人も私もいっしょですね。

ほぼ同時代の3冊の本では,
(『天保改革鬼譚』(たぶん「きたん」と読む。),『天保雑記』『浮世の有様』)
それぞれの妖怪について,解釈が違うものがあり,
国芳が決めたものではなく,
人それぞれに想像していたから,別のものと解釈していると思われるのです。

以前書いた西瓜は
天保雑記では,初物
浮世の有様では,水くわしや八百屋の化け物
天保改革鬼譚では,砂村
となっているように・・・です。

私が「源頼光公館土蜘作妖怪図」をみて,
「水頭症?」と思ったのは,
実は,福禄寿,七福神の1つで,
もともと福禄寿自体が,水頭症ではないかと言われているようです。(河野憲一「心で学ぶ人間福祉入門: 実践ワーク」より)

ちなみに,「源頼光公館土蜘作妖怪図」の福禄寿は三つ目で,
天保雑記では,株主・地主・金貸
天保改革鬼譚では,水天ぐ・・・だそうです。


続けて,天保の改革,国芳,「源頼光公館土蜘作妖怪図」を調査します!

コメント
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