牛になった猫

たとえば、卵からふ化した鳥が最初に見たものを母親だと思いこむという
「刷り込み」

森住卓さんのフォトブログを見ていたら、飯舘村の猫のシーザー。
野良ネコが産んで牛舎に置き去りにされた猫のシーザーは、自分を牛だと
思いこんでいる。

シーザーはいつも牛と一緒に牛舎で暮らしていて、牛にいつもなめられているので、
身体はいつも濡れている。と書かれていた。

狼に育てられた人間の赤ちゃんが狼だと思いこんで一生を終えたように、
自分を人間だと思いこんでいる動物や、他の動物だと思いこんでいる動物も
この世界にはいっぱいいるのかもしれない。

一番、やっかいでどうしようもないのは、神だと思いこんでいる人間かも
しれない・・・・・

神だと思いこんで、原子力もいくらでも制御できると思いこんだ人間の
浅はかさが今白日のもとに晒されている。

村上春樹さんが、「日本は核に対してノーを貫くべきだった」と言っていたけれど、
広島、長崎を犠牲にして、今再び福島を犠牲にしてしまったわたしたちの罪を思う。

大人はいつも子どもや次の世代のことをいつも考えて行動しなければならない
ということを、深く思い知らされる。


飯館村のシーザーがずっと元気に牛舎で暮らせたらほんとうにいいのに・・