いつもパソコンや携帯のメールですませてしまうことが多い最近だけど、わたしは20年も文通している友だちがいる。
友だちといっても20年間で、お会いしたのはたった1回だけだ。
彼女はパソコンをしないので、いつもとても美しい文字の手紙をくれる。
手書きの手紙はすごく不思議なことに、手紙の中に時間が流れていて、季節の移り変わりの匂いがする。
彼女の家の事情や性格・・・・会ったのはたった1回だけなのによく知っている。
彼女はとても花が好きなので、季節ごとにお庭の花のことを書いてきてくれる。わたしは花の名前を覚えるのがすごく苦手だし、花を枯らせてしまうことが多いし、どちらかというと動物の要求はけっこうわかるのに、植物や花が水を欲しがっているのさえわからないのだ。
美しい文字の手紙が届くと、なんだか「あ、元気なんだなあ」と思ってうれしい。わたしはかなりの乱筆、乱文なんだけれど・・・・
この人はひっそりとそして、静かに、確かに生きていることが手紙ににじんでいる。
1回だけお会いしたのは、湖のそばの美術館だった。
その美術館のコーヒーショップに入ってくるなり、彼女は手紙のままだったことに驚いた。彼女もわたしが手紙のままだと笑ったっけ・・・
またあの美術館に行きたいなあと思う。
窓から湖がキラキラ光って、時間のかけらが輝いているみたいだったよ。
だいじな好きな人には手紙をかくのがいいな。この間いつもメールで済ませている娘にも絵葉書を書いた!
メールの文字はやっぱり時間の流れや匂いはあまりしないから・・・
時々は手書きの手紙を書こう!と思う。
・・・と言いつつ・・・
80円切手より、パソコンのメールが安いか・・・とせこく考えたりもする。