わたしは昔、陶芸の仕事をしていて窯場で働いていたので、朝ドラをなつかしいような気持ちでみている。
菊練りをして、粘土から空気をぬかないと、焼いたときに空気が入っているとひび割れてしまう。
仕事だったので、一日中ろくろを回す日もあれば、一日中釉薬をかけ続ける日もあったし、粘土を作ったり
釉薬に使う灰を集めにわらをもらいにいったり・・・・
60キロほどの粘土をかついで移動したり、出来上がった陶器を戸板に載せてかついで運んだり、
本当に陶芸の仕事は体力と気力の世界だ。
でもじっとして頭をつかうデスクワークは苦手だったから、身体を使う仕事は楽しかった。
焼きあがった商品で、色が悪いものや、ひび割れたものは、売り物にならないので、会社の裏に運んで
たたき割った。
そのまま形を残しておくと、誰かに持っていかれたら、窯場の商品の価値が下がってしまうので、
潔く、ぶんなげて粉々に割った。
借りていたお家の一部屋からは、バイクに乗って窯場に通った。
いろんな人にかわいがってもらったので、好きな仕事をしていたあの頃はとてもしあわせだったなあと
今朝も朝ドラみながら思い出していた。