♪楽・楽・楽♪

楽しいことに囲まれて、頑張りすぎず楽に考える、そしていつでも音楽の流れる人生を・・・

『世界でいちばん淋しい遊園地』

2007-01-16 | つんどく本 〆(.. )
『世界でいちばん淋しい遊園地』 西田俊也作(角川書店)


最近、
「何して過ごしてるんですか??」
ってよく人に聞かれます。
大抵、
「暇してます」
って答えます。
でも暇なんだけど、その暇が久しぶりだから色々やりたいことが多くて
好き放題やってる気がします。
とりあえず、たまった本を読みたくて暇さえあれば読んでるこの1週間。
久々に、人に紹介したい本を見つけました
ホントは「こんなの読んだよ~」的に紹介していきたいんだけど
紹介する前に忘れるんだよねー。
こちらは読みたてホヤホヤ

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単行本はめったに買わない私。
どんなに好きな本でも文庫になるまで待つんだけど
時々、魅力的な本に出会うとぱっと買っちゃいます。
これ『世界でいちばん淋しい遊園地』は題名に惹かれて去年のクリスマスに
買ってきたもの。自分へのプレゼント~って
作家も知らなかったんだけど、この題名!
それから帯に惹かれました。(だから帯の文句は重要だと思うんだ!)
「楽しいことは、いつかは終わる。
でも、だいじょうぶ。思い出は消えないから。」

ね、素敵でしょ???遊園地はまるで人生みたいなもんだってくだりが本編では続くのです。


ストーリーは、ある街の遊園地から始まります。
「当遊園地は今年末をもち、78年の歴史に幕を下ろします」
閉園間際の遊園地。クリスマスイブから大晦日にかけての冬の時期。
懐かしい思い出に導かれて再び遊園地に訪れた人々の物語。

初めてのデート。久しぶりのデート。家族で訪れた思い出。過去の恋人との再会。窓から見ていた憧れの場所。昔の約束。あの時見た未来。最期に見た花火・・・。それぞれの想い出を抱えた遊園地に再び訪れる今の自分は身も心も独りぼっち。でもその淋しい遊園地では、今の自分が本当にいちばん大好きな相手と出会うことができるのです。

章は9つに分かれていて、どれもが違う登場人物。各々の想い出も違うため話は独立しているのだけど、この本の凄いところは各章がさりげなく絡まりあっているところ。
各章で必ず見つかる糸のほつれが、全編を読み通して初めて1本に糸が繋がる感じ。このからくりはとってもいい
話の内容も心がほっこりする優しいストーリーだし
エピローグの話の結びがなんとも・・・


年末の寂れた遊園地っていう設定、まさに何かが起きてくれそうじゃないですか。
つぶれてしまった遊園地の跡地って絶対こわいと思うんだよね。
夜な夜なオバケ屋敷から聞こえる謎の叫び声。
誰も乗っていないのに勝手に動き出すジェットコースター。
夜になると一頭で動き出す回転木馬の馬。
観覧車の窓から手を振る髪の長い少女。
血に染められた風船を配り歩くくまのきぐるみ。。。
書いてて恐くなってきた・・・。
いや、路線が変わってしまったぞ。
こういう不思議を期待してたんじゃない!!

もっとこうノスタルジックな雰囲気のふしぎ
なんか、その場所にだけある「思い出」ってあるじゃない?
そこだけはいつまでも変わって欲しくない、そのままでいてほしい。っていう場所。
ドラえもんに出てくる「裏山」なんてそんな感じだよね。
何か不思議なことが起こるときって(大体四次元ポケットからだけど)裏山から始まったりする。そういうの。うまく言えないけど。。。


去年の11月末に出された新刊みたいです。
機会があったら読んでみてください。オススメ。
そういやベニーランドは3月いっぴまでお休みみたい。。。
ショックだよー。あ、しつこいってね


『硫黄島からの手紙』

2007-01-16 | 日々の出来事 (・ー・)/~~
クリント・イーストウッド監督作品『硫黄島からの手紙』

前作『父親たちの星条旗』は見ようと思いつつ見逃していました。
今回の話は、太平洋戦争中の硫黄島での攻防戦を日本側の視点で撮った作品。
映画館の席を埋める観客は、年齢層の高い方が多く、リアルタイムでこの戦いを知っている人もきっとたくさんいたと思います。
何の知識も持たずに見に来たことを後悔するような・・・。


映画は、正直な話、こわかったです。。。
戦闘シーンがちょっと露骨で目を塞ぎたくなるような所もたくさん。
半分くらいが戦闘シーンなわけだけど、爆弾やライフルの打撃音ってどれだけテレビや映画で流されても、心臓に悪いです。。。
かばん抱きしめて息を詰める思いでじーっと見ていたけれど、エンドロールが始まって最後に泣きました。終わって安心したのと、悲しいのと、腹立たしいのとで複雑な気分・・・。
こんな時代が、こんな歴史があったのだということを痛感します。

主演は渡辺謙でしたが、ダブル主演と言ってもいいのでは?ってくらいニノが活躍してましたね。
前評判もかなり高かったけど、ほんとに彼の演技は良かったです。自然で。
困った顔で「しょーがねーなー、お前は」って笑ってる表情が好きです。
実は、最近始まったドラマも見たら面白かったんですよねー。
なんか「You,俳優になっちゃいなよ」って感じです。うたじゃなく・・・。
でも、「女房」って言葉が似合わなかった、高校生くらいの設定だと思ってたわ。
渡辺謙も渋くて、渋かったです。かっこいいおじさま。


はぁ、月並みなことしか言えないけれど、
分かった口きくなって言われそうだけど、
なんで戦争なんてあるんでしょう。。。

みんなが同じように家族や友人や恋人や祖国のことを想い、こんな戦争意味がないと思っているはずなのに、その想いは形にならないで、計り知れない権力や間違った正義がはびこってしまう。誰もが人間らしさを忘れなければ、こんなことは起こり得ないはずなのに、白い布に黒いインクをたらしたみたいに、ちょっとした怒りや恨みや、上からの圧力や甘言がジワジワ染み渡って人間らしい心はすぐに真っ黒。
生存目的以外で同じ種ごとに殺しあう生物なんて人間だけだよ。何千年も繰り返されてきた戦の歴史を見てみれば、戦争はなくならないものなんだろうか。今でもどこかで戦いが繰り広げられていて、人が殺されていて・・・。防衛のための武器なんて、攻撃するものがいなくなれば持つ必要がなくなるのに。ミサイルや核を持つことも、地雷を抱えて生きているようなものなのに、敵だけではなく自分をも滅ぼすものになるっていうのに、どうして持とうとするんだろう。

テレビも映画もゲームも、事実とはまるで異なる無意味な戦争ものが多すぎます。
それを当然と受け止めていることが悲しいと思う。
戦争のない世界がやってくることは、ないんでしょうかね。。。