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中国敵視は日本政治・外交の劣化、日中友好こそ進歩発展の鍵 東洋学園大ワンアジアオンライン講座「地政学的思考を超えた日中協力について」の受講感想

中国敵視は日本政治・外交の劣化、日中友好こそ進歩発展の鍵
東洋学園大ワンアジアオンライン講座「地政学的思考を超えた日中協力について」の受講感想


 10/29東洋学園大ワンアジアオンライン講座が孫 占坤(ソン センコン)明治学院大学国際学部教授を講師にお迎えし「地政学的思考を超えた日中協力について」をテーマに開催されました。

 講座は「悪の論理」とも批判されタブー視されてきた地政学が近年復権しもてはやされる状況への問題意識(危機感)を起点に展開されました。「地政学は19世紀後半から20世紀前半、帝国主義国家の覇権争いを正当化する役割を果たし、中でもナチス・ドイツや日本軍国主義の侵略の論理にもなった」として「地政学は対立をあおる論理」と指摘されました。「地政学の復権」の意味をどう考えるかについて「私達の置かれている安全保障の環境がそこまで差し迫って 「悪化」してきている、ということなのか? それとも、 私達の認識を取り巻く「知的環境」がそこまで『劣化』、 『悪化』しているのか?」と問題提起をされました。

 そして具体的背景として、「中国の『一帯一路構想』と日本の『自由で開かれたインド太平洋構想』の二つの構想の張り合いがある」と指摘されました。「日中が張り合うというのはそこには日中共通の課題が存在し、裏を返せば共通の利益を有しているとも言え、日中は共通課題解決のために協力できるはず」ということを、日中とも高度な対外依存(中東、南太平洋、東南アジアにたよる)の石油などの主要エネルギー輸入問題を例に述べられました。そして「海賊の取締、航行の自由、海洋汚染の防止など、目指す方向は同じであるはず。 紛争解決・和解(パレスチナ・イスラエル関係など)、インド太平洋地域のインフラ改善などにおいても協力できるはず。」と指摘されました。最後に、米中対立の中で日本国民の55%は(どちらにもつかず世界の発展に努力すべき)という全方位外交を望んでいることを指摘されて講演を締めくくられました。

 私は、日本を取り巻く安全保障環境が差し迫って悪化しているとは思えません。アメリカや日本政府、メディアが中国脅威論、安全保障環境悪化・米中対立を喧伝していることが問題だと思います。地政学の復権は、私達の認識を取り巻く「知的環境」がそこまで『劣化』、 『悪化』していることが原因だと思います。「知的環境」の劣化が日本の政治外交の劣化に繋がり、日中の共通課題解決のための共同行動や共通利益の獲得を困難にしていると思います。日本は中国敵視をやめ日中友好に舵を切るべきです。そして、共通課題解決と共通利益獲得のための日中協力を推進すべきです。日中友好こそ進歩発展の鍵だと思います。 (伊関)

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