
この写真は中央自動車道恵那山トンネル下り線(名古屋方面行き)のトンネル内部の写真です。山岳トンネルにもかかわらず、天井が低くアーチ状になっていません。天井板があり、これが今回の笹子トンネルの事故の元になったものです。
道路トンネルの場合、ある程度の長さになると、どうしても換気が必用になってきます。そのために幾つかの方式があります。天井板がある方式を横流換気方式と言い、天井とトンネルのアーチ部分に吸気と排気のダクトがあります。


仕組みとしては、上の図の様になっています。実際には天井の上の半分を仕切って、吸気と排気に区分しているわけです。安定した換気ができますが、送・排気ダクトや換気機を必要とするためコスト面でかなり不利な方式です。
高性能なジェットファンが出来たため、横流換気方式はほとんど採用されていませんが、1970年年代に作られたトンネルでは多く見られました。
最近では例外的に、首都高速の中央環状線トンネルで採用されています。中央環状線トンネルはシールド工法のため、床下に吸気と排気のダクトがあります
維持管理費用もかなり掛かるため、最近ではトンネルの改修工事にて、天井板を撤去して、ジェットファンを導入するケースが増えています。
最近では検索してみた限りですが、国道8号線賤ヶ岳トンネルや山陽自動車道の関戸トンネルで撤去されており、撤去は全国的な傾向のようです。
現在残っているのは、高速道路では事故が起きた笹子トンネルの上下線と恵那山トンネルの下り線など12ヶ所で、一部を除いて撤去の方向のようです。おそらく笹子トンネルも、天井板の撤去は早急に行われることでしょう。