
東武東上線の小川町駅。この駅は、八高線と東武の乗り換え駅で、管理は東武鉄道が行っています。
改札は1つで跨線橋で東武とJR八高線のホームはつながっています。八高線の北側は2002年2月にSuicaが使用できるようになりましたが、この駅だけは東武管理の関係上、半年ほどSuica導入が遅れました。
その後、2007年に関東私鉄が一斉にICカードシステム、PASMOを導入し、同時にSuicaとの首都圏ICカード相互利用サービスが始まってから、一気に厄介な事態になりました。
このあたりは、小川町以外にも越生と寄居の2駅がJRと東武の共同使用駅で、改札を共用しています。

そのため駅の跨線橋にはこんな乗り換え専用のICカード専用改札機が設置してあります。この手の改札機は、橋本(和歌山線・南海高野線)や西鹿島(遠州鉄道・天竜浜名湖鉄道)などでみられますが、小川町など3駅の場合、JR八高線と東武東上線の両方がICカード対応であるため、話がややこしくなっています。
実を言うと、八高線の小川町乗降客でもこのICカード専用改札機にタッチしないと、面倒なことになってしまいます。
中間改札を設けて駅の中に駅がある状態になっているわけですが、小田原駅や京都駅の改良前のように、すべての利用客が自動改札機に乗車券を通すわけではなく、ICカード利用客のみが、改札機にタッチする形態のため、ICカードのタッチし忘れが発生しやすいわけです。
例えば、JR管理の越生駅から小川町駅まで八高線を乗車して、小川町で下車する場合、小川町でこの乗り換え改札機にタッチせずに下車すると、八高線の運賃230円でも、東武越生線東上線の坂戸経由の運賃450円でもなく、2,080円が引かれます。
つまり、越生~拝島~立川~中野~飯田橋~小竹向原~和光市~小川町というルートで計算され、越生~中野間のJRの運賃1,110円、中野~和光市間の東京メトロ運賃270円、和光市~小川町間の運賃700円が合算されるからです。
余談ですけど、飯田橋で東西線と有楽町線を乗り換える場合、構内がつながっておらず改札を一旦出るため、経路が特定されると思われますが、東京メトロの場合、改札外連絡の有無に関わらず最短距離で計算するためです(ただし乗車駅~改札外連絡駅の運賃のほうが乗車駅~下車駅よりも高い場合は運賃を払い戻さない)。中野から大手町丸ノ内線経由で池袋で副都心線に乗り換えて和光市へ至る改札を一回も出ないルート(これ以外にも複数例があります)で乗車しても、運賃は飯田橋駅で改札を出て東西線から有楽町線へ乗り換えたものとして計算されます。
なお、大手町の丸ノ内線と東西線の乗り換えは通常改札外連絡ですが、丸ノ内線のホームからは半蔵門線のホームと千代田線のホームを介して、東西線のホームまで改札内でつながっています。
このような例は、厚木(JR・小田急)八丁畷(JR・京急)などでも発生していますが、厄介なことに八高線と東武の関係では3駅もこのような駅があります。越生はJR管理で、寄居は秩父鉄道管理で両駅ともJRと東武の間にICカード専用の乗り換え改札機があり、東武利用客は乗り換えでは無くても2度ICカードをタッチする必用があります。以前は拝島駅や伊勢崎駅でも同様の事態になりましたが、こちらは改札が分離されています。
東武としてもパンフレットなどで案内しており、場合によっては運賃の払い戻しもあるようです。
撮影 2011年2月26日
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