江戸時代のあやしの世界の物語が六話
坊主の壺
掛け軸に描かれた壺
その中に坊主の姿が見える者だけに与えられた
不思議な力
それは疫病から守る力
お文の影
子供たちが影踏みをしていたら
ひとつ影が多い
この話で政五郎親分と
たくさんの捕物を記憶するおでこも登場
子ができない夫婦はもらい子をすると
すぐに授かるという言い伝え
それでもらわれた子がお文
しかしそれでも子はできず
夫には外に子供ができてしまった
そのことで正妻とお文は追い出される
そのために正妻に虐待されたお文
折檻がもとで亡くなってしまう
影だけがこの世に残り
子供たちと遊んでいる所に
現れる
政五郎は
最初に影に気づいた男の子の力も借りて
影をあの世に送ってあげる
博打眼
黒い蒲団に五十の目玉
ご先祖様が博打眼と約定を結んだ
それの主となると
どんな大金を賭けた博打にでも
勝てるようになる
たとえ相手がいかさまを仕掛けても
見抜いて勝ってしまう
しかしそうやって儲けた金は
どんどん使わないといけない
そうしないと博打眼の放つ悪気にやられて
死んでしまう
博打うちに酒や女はつきもの
そうやって暮らしているうちに
身体はボロボロ命を落とす
そして次の代へ
この代で終わらせるため
倒すのに力を貸したのは
八幡宮の狛犬
必要なのは五十の犬張り子
それも金で買い集めてはいけない
あちこちの家に飾られてあるのを
もらい受けなければならない
という面倒さ
討債鬼
人が生きていたころ
誰かに何かを貸して
多くは銭金だが
それを返してもらえず
恨みを抱いたまま死んでしまうと
その妄執のために亡者になる
そういう亡者は借り主の子供に
生まれ変わって
病がちになり高い薬礼を使わせたり
放蕩三昧して身上を蕩尽したりして
貸していたと同じだけの金を
費やさせて
恨みを晴らす
それが討債鬼(とうさいき)
旅の坊主にそれが憑りついているから
子供を始末しなさいなんて言われてしまった男
実はよそに女がいて
坊主はその兄だったというわけ
ばんば憑き
子供ができない夫婦が湯治に行った帰りの宿で
老女と相部屋となり
彼女が話す昔ばなしを聴くのは夫だけ
わがまま放題の妻は酒に酔い
眠りこけている
その昔ばなし
ある女が
両想いの結婚まじかの男に片恋し
妻になる女の方を殺してしまった
代官所に届けを出せば
不行届きでお咎めを受ける
それで亡骸から魂を呼び出し
殺めた者の身体に下して宿らせる
それがばんば憑き
ばんば憑きの不思議な所は
だんだん外見も仕草も似てくるのだと
野槌の墓
主人公の名前が
柳井源五郎右衛門
長い名前だなあ
この話には化け猫登場
美しい女に化けて
源五郎右衛門の所に
人を襲う物の怪を退治してほしいと
頼みに来る
その物の怪は槌
この話でも
子供の虐待が出てくる
昔も多くあったということか
子供を殺すのに使われた木槌
忘れていたのに
折檻されて死んだ子供の亡骸が
藪の中に捨てられた
それを木槌が見てしまったために
自分が子殺しだったことを思い出して
おかしくなり
人を襲うようになったという
槌の類のものが化けると
野槌という物の怪になる
坊主の壺
掛け軸に描かれた壺
その中に坊主の姿が見える者だけに与えられた
不思議な力
それは疫病から守る力
お文の影
子供たちが影踏みをしていたら
ひとつ影が多い
この話で政五郎親分と
たくさんの捕物を記憶するおでこも登場
子ができない夫婦はもらい子をすると
すぐに授かるという言い伝え
それでもらわれた子がお文
しかしそれでも子はできず
夫には外に子供ができてしまった
そのことで正妻とお文は追い出される
そのために正妻に虐待されたお文
折檻がもとで亡くなってしまう
影だけがこの世に残り
子供たちと遊んでいる所に
現れる
政五郎は
最初に影に気づいた男の子の力も借りて
影をあの世に送ってあげる
博打眼
黒い蒲団に五十の目玉
ご先祖様が博打眼と約定を結んだ
それの主となると
どんな大金を賭けた博打にでも
勝てるようになる
たとえ相手がいかさまを仕掛けても
見抜いて勝ってしまう
しかしそうやって儲けた金は
どんどん使わないといけない
そうしないと博打眼の放つ悪気にやられて
死んでしまう
博打うちに酒や女はつきもの
そうやって暮らしているうちに
身体はボロボロ命を落とす
そして次の代へ
この代で終わらせるため
倒すのに力を貸したのは
八幡宮の狛犬
必要なのは五十の犬張り子
それも金で買い集めてはいけない
あちこちの家に飾られてあるのを
もらい受けなければならない
という面倒さ
討債鬼
人が生きていたころ
誰かに何かを貸して
多くは銭金だが
それを返してもらえず
恨みを抱いたまま死んでしまうと
その妄執のために亡者になる
そういう亡者は借り主の子供に
生まれ変わって
病がちになり高い薬礼を使わせたり
放蕩三昧して身上を蕩尽したりして
貸していたと同じだけの金を
費やさせて
恨みを晴らす
それが討債鬼(とうさいき)
旅の坊主にそれが憑りついているから
子供を始末しなさいなんて言われてしまった男
実はよそに女がいて
坊主はその兄だったというわけ
ばんば憑き
子供ができない夫婦が湯治に行った帰りの宿で
老女と相部屋となり
彼女が話す昔ばなしを聴くのは夫だけ
わがまま放題の妻は酒に酔い
眠りこけている
その昔ばなし
ある女が
両想いの結婚まじかの男に片恋し
妻になる女の方を殺してしまった
代官所に届けを出せば
不行届きでお咎めを受ける
それで亡骸から魂を呼び出し
殺めた者の身体に下して宿らせる
それがばんば憑き
ばんば憑きの不思議な所は
だんだん外見も仕草も似てくるのだと
野槌の墓
主人公の名前が
柳井源五郎右衛門
長い名前だなあ
この話には化け猫登場
美しい女に化けて
源五郎右衛門の所に
人を襲う物の怪を退治してほしいと
頼みに来る
その物の怪は槌
この話でも
子供の虐待が出てくる
昔も多くあったということか
子供を殺すのに使われた木槌
忘れていたのに
折檻されて死んだ子供の亡骸が
藪の中に捨てられた
それを木槌が見てしまったために
自分が子殺しだったことを思い出して
おかしくなり
人を襲うようになったという
槌の類のものが化けると
野槌という物の怪になる