トライアングルの部屋

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希望荘 宮部みゆき

2016-09-08 10:55:34 | 本 2016年
私立探偵業を一人で始めた杉村

離婚して一人暮らし

最初の仕事は
同じアパートに住む女性からの依頼

そのアパートに
少し前まで住んでいた一人暮らしのおばあちゃんが
亡くなったと聞かされていたのに
街中で見かけたというのだ

真実を調査開始

そのおばあちゃん
三雲勝枝

娘の早苗が宗教らしい団体に夢中になり
貢ぐため
母親の勝枝の預貯金まで巻き上げた

それで娘から逃げてきたのだった

それなのに今は
高級インテリアショップに出入りし
ホテル住まいらしい

年寄りが急にリッチになれるのは?
宝くじでも当たったのか?

次の調査依頼は
池袋で人気イタリアンレストランを経営している
相沢という男

老人ホームに入って
そこで亡くなった父親が
生前に犯罪を犯したのではないかと
思われるような奇妙な発言をしていたので
調べてほしいというもの

テレビで殺人事件の報道を見て
犯罪を犯すものは
その時 別のものになっちまっているんだよ
私にはよくわかる
経験があるからね
などと言っていたというのだ

その父親が住んでいたのが
本の題にもなっている「希望荘」

次の章は探偵 杉村の人生紹介

第一期は
大学時代 児童書専門の出版社で
アルバイト
卒業後は運よくそこで正社員として採用された

第二期は
大企業の社長令嬢と結婚したこと
そしてその会社に転職が
結婚の条件だったこと

その第二期は
離婚して故郷に帰ることで終止符を打つ
原因は妻の浮気
一人娘に会う権利をもらって・・・

第三期は36歳でバツイチ無職から始まる

山梨県北部の町
病気の父を心配しながら
姉の家に居候し
週に一回のフリーペーパー配達
その後産直グループで働くことになる

そんな中で事件は起きる

地元の蕎麦屋
経営していた夫婦
夫が不倫の末愛人と駆け落ちした

産直グループのお得意様で
調査会社を経営している
蛎殻氏(かきから)から
その事件の調査を手伝うよう頼まれる

それは
単なる駆け落ちではなかった

依頼主は
蕎麦屋の夫の
駆け落ち相手の女性の母親

娘の失踪に不信を抱いた母親は
警察に相談したが相手にされず
調査を依頼してきたのだ

そしてこの事件をきっかけに
杉村は探偵事務所を始めることになる
これからが第四期というところか

この本の最後の事件は
東日本大震災関連の事件だった

アンティークショップの経営者が
震災時東北の方へ買い付けに行ってくると言って
帰ってこないという

震災に巻き込まれたのか?

依頼主はその経営者 昭見豊と
親しく付き合っていた女性の娘
高校生の伊知明日菜

シングルマザーの母親が
昭見がいなくなって
元気をなくしているから
彼の行方を捜してほしいというのだ

不謹慎だとは思うが
大震災に紛れて
表に出ない色々なことが
起きているのではないかと
想像してしまう

そういえば
大型台風の災害で
殺人事件が隠されたという
サスペンスがあったっけ

昭見さんが
明日菜の母親のために買った指輪
彼女に渡ればいいのにと思ってしまった

そしてアンティークショップ店員の松永
不幸な人生に同情
そこから這い上がってほしい
コメント
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