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ADDと創造性について(『へんてこな贈り物』から) 1

2009-01-22 23:16:31 | ADD
『へんてこな贈り物』エドワード・M・ハロウェル インターメディカル
を読みました。
ADD(注意欠陥障害)について大人と子どもの精神科医が
くわしく書いている本です。

この本はADDが子どもの人生に及ぼす困難を書くと同時に
それがもたらす贈り物についても書いてある面白い本です。

歴史を通じて、いろんな学習障害を持ちながら克服してきた偉大な人々がいる。
証明はできないがモーツアルトがその例である。
性急さ、衝動性、注意散漫、エネルギッシュ。
情緒面の貪欲さ、独創性。
新しがりやで不遜な異端者。

枠組みを作ることが、ADDの治療に非常に有用とされている。
音楽と言う枠組み。
そのきっちりとした形式のなかで、ここかと思えばあちらといった
落ち着きのないADDの天才モーツァルトが、
いかにみごとに開花したかは、よく知られるところだ。(『へんてこな贈り物』)


グレーゾーンと言われている多くの子は、
ADDを持っている子が多いと思います。
(重複して広汎性発達障害を持っている子もいますが…)

私は親子レッスンでそうした落ち着きのなさや
衝動性、めまぐるしくかわる興味、貪欲な好奇心
と出合ったときは、「科学」や「芸術活動」など
その子の得意とするしっかりした枠のなかで、
その子がしっかりと「自分」を持てるようになるように手伝います。

この著書には

学校では駄目だったのに、大人になってからすばらしい業績を上げた人は、数限りない。
しかし残念なことに、学校で魂を破壊され、
自分の潜在能力に気づく機会にめぐりあわなかった人は、それよりはるかに多い。

と書いてあります。

別のページにこんな話も…(少し要約しています)
ADDの人が創造的なのは珍しいことではない。
ADDの心は、想像に適したいくつかの要素を持つ。
まず第一にADDの人は、たいていの人より混乱に耐える力がある。
あらゆる刺激がどんどん押し寄せ、取捨選択ができずに、混乱のなかで暮らしているので、混乱に慣れている。
混乱を求めてもいる。
それが創造の過程で役に立つのだ。
人生を整えなおすため、物を創るために、
人はしばしの間、混乱のなかにたたずむ必要がある。
未知のものや慣れないものが与える緊張によって、
人は何かを創りだすことができるのだ。

どんな刺激にも反応してしまう移り気のために、そういった情報が、
ADDの人の心の中では、落ち着く前に変形してしまう。
混乱したり物を混合するこの性向
ADDの脳みその「悪魔に取り付かれた」とされる部分
が、創造性を高めるのに都合が良いのである。

ADD族は…
創造的な考えを沸きやすくするのに最もふさわしい環境をととのえる
ことができる。ADD族は、どこといわず、いつもあちこち移ろっている。
そして創造性も、衝動という翼で、どこからともなく、飛びきたり、飛びさる。

強烈に熱中する力、超集中する能力だ。
熱中しないと、ADDの人の心がさまようのは確かだが、
熱中すれば、対象に恐ろしいほどこだわる。

ADD俗は、多動より「過剰反応」のほうが高い。
「常に反応している」
過剰反応は、脳内の神経結合の数を増やすので、
創造力を発揮する。

ADDの人が成功するには、こうした作用を生産的に活用することだ。


私も、自分の脳は「悪魔に取り付かれている」困った脳だと思う反面、それも使いようで…
うまく活用していますよ。
この本、読みごたえがあっておすすめです♪



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さくらんぼ)
2009-01-26 11:16:39
親子教室ありがとうございました。

なおみ先生に5歳になった息子の遊ぶ様子を
見て頂き
「ADHDよりもADDではないか」
というアドバイスを頂きました。

思い起こしてみると、1歳過ぎてから3歳児までの
どうにも止められないハイパーな動きは、
少しずつ陰を潜めてきてます。

3歳児になったある日、息子はお父さんと手を
繋いで歩くことができました。

お父さんは、そのことを「嬉しさのあまり涙が出た」と今でも時々話しています。


『へんてこな贈り物』エドワード・M・ハロウェル インターメディカル は、タイムリーな書籍ですね。

さっそく読んでみようと思います。









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Unknown (さくらんぼ)
2009-02-06 11:21:43
なおみ先生に紹介頂いた、

『へんてこな贈り物』エドワード・M・ハロウェル インターメディカル 

を読みました。

読み応えのある本ですね。

特に、子供のADD・大人のADD・ADDと家族・診断への
ステップ は、

5歳の息子が日々の生活の中で抱えている問題行動の原因の訳、
小学校生活で抱えるであろうと思われる問題の予備知識とその対応、
家族の対応のあり方、
投薬の治療を受ける前の予備知識、

として 興味深いものです。
何度も頷き読みました。

図書館で借りて読んだのですが、
購入します。









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