ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

裏表

2007年08月13日 | Pentax K-mount

街へ出た。池袋あたりで買い物。
で、6時から歌舞伎座へ。8月は「納涼大歌舞伎」、中村勘三郎中心の座組による三部制興行。毎年恒例ですね。
まず本日は第3部のみ観劇。

『裏表先代萩』、これはお馴染み「伽羅先代萩」(表のお話・時代物)に道益殺しを(裏のお話・世話物)を填めた趣向もの。道益殺しの場は人物がよく描かれていて、たまに見る分には面白い。その謎解きと裁決を行なう問注所の場は、通常の「先代萩」の勝元と弾正の対決の場のパロディ。ここらは歌舞伎慣れした、すでに「先代萩」の世界を知っている客向きの趣向だろう。「花水橋」や「御殿・床下」は、いつもの「先代萩」と同じ。
勘三郎が小助、政岡、仁木弾正の三役を初役で挑む。中では、あまり期待していなかった政岡が、義太夫物の規矩を外さない神妙さがあり、なかなか良かった。セリフの間が良い(あの独特の勘三郎口調は、音遣いの点ではやや難ありだが)。但し、後段の一人になって愁嘆へ落ちてゆくところは、抑制が抜けて、崩れた。オーバーで安っぽい、どうだ熱演だろうとのアピールの如き。

一緒に観たきりん舎さんの感想文が今回も参考になります。→
書かれていることには、私もおおむね同意です。


camera: Pentax MZ-M + M50mmF1.7  film: Fuji REALA ACE100