ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

吉例

2005年11月23日 | T-PROOF

歌舞伎座の11月は、「顔見世」。
玄関の上には古式に則った櫓が組まれている。
これの由来を説明すると長くなるので、割愛。ここでも見てください。

本日は夜の部へ。
『日向嶋景清』筆名・松貫四こと中村吉右衛門自らが作った台本で。ううむ、これは渋い芝居だ。ドラマの展開にさほど面白さがあるわけでなく、役者の心理描写を見るべきものか。もちろん、気の入ってる時の吉右衛門は、さすが、唸らせるものがあるが。

『鞍馬山誉鷹』6歳になった大ちゃんが初代中村鷹之資を名乗ることになったので、その披露のための演し物。立派にやってました。6歳の子役のレベルとしては、なかなか。リズム感良し。富十郎パパも、今までの親子共演の時のでれでれした親ばかっぷりをほとんど見せず、きりりと演じて好感。雀右衛門、吉右衛門、仁左衛門、梅玉の共演を得て、口上もついて、これ以上ない贅沢な門出。それにしても、実の父親と70歳も年の離れた子どもだからなあ、厳しい現実問題が何かとあろうが、どうか大きな役者になってください。

高麗屋親子による『連獅子』。見る前はあまり期待していなかったのだが、仔獅子の染五郎が上々で存外の面白さ。「連獅子」は十数回は見てるけど、これほど力感溢れる、勢いのある仔獅子って、滅多にないよ。ただ力まかせなのではなく、一点一画をきちんと踊っているから良い。挙措の一々が光を放っていた。反対に、幸四郎は仔獅子の引き立て役って程度。

『大経師昔暦』梅玉と時蔵。上方の風味は薄いけど、わたくし的には、別にかまわない。お玉役の梅枝、あれあれ、子どもだと思っていたら、もうこんな役をやるようになったのか。あとで調べたら、18歳とのこと。にしても、その若さではけっこうな大役だと思う。有望株ということで今後注目してみるか。


camera: Kyocera T-PROOF  film: Kodak HD400