機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

寛容的な免疫系は癌リスクを上昇させる

2015-10-14 06:43:50 | 
Tolerant immune system increases cancer risk

October 6, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/10/151006132029.htm

悪性腫瘍が形成される間、癌細胞は免疫細胞を回避しなければならない
既に多くの研究で癌はその微小環境で免疫細胞の抑制性と活動性のバランスが望ましくない時に、特に攻撃的に転移することが示されてきた

「しかし、これが悪性腫瘍による結果なのか、それともむしろ原因なのかは不明のままだった」
ドイツがん研究センター (Deutsches Krebsforschungszentrum/DKFZ) の疫学者であるRudolf Kaaksは言う


DKFZのKaaksたちはこの疑問を追求するユニークな機会を得た
ハイデルベルクにあるDKFZはEPIC研究のセンターの一つであり、EPIC研究ではヨーロッパでほぼ50万人の食事と癌との間の関連を調査している

EPICの最初の調査は1996年から1998年にかけて行われ、参加者の血液が採取されて冷凍された
ハイデルベルクセンターの参加者25000人のうち、観察期間中に癌を発症した約1000人と(肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌)、対照群として悪性腫瘍を発症しなかった800人から血液標本を選出した

DKFZの研究者は今回の研究をエピジェネティックの試験を専門的に扱う企業のEpiontis(本社ベルリン)と共同で実施し、血液標本中の様々なT細胞集団の比率を決定した
そこから制御性T細胞とT細胞の総数(腫瘍と戦う細胞も含まれる)との比率を算出し、この比率を『immunoCRIT』として、数字が高いほど免疫系は抑制されていると定義した

※CRIT: cellular ratio of immune tolerance: 免疫寛容の細胞比


EPIC参加者の癌リスクをimmunoCRITの数値が最も高い人と最も低い人で比較したところ、
値が最も高い人の肺癌リスクは100%、結腸癌リスクは約60%上昇した
immunoCRITが最も高い女性では、エストロゲン受容体陰性の乳癌発症リスクが3倍上昇していた

しかしながら研究者は、明言するにはfor a definite statement、症例数が少なすぎるかもしれないと考えている
前立腺癌とエストロゲン受容体陽性乳癌に関しては、immunoCRITと癌リスクとの関連は見られなかった


腫瘍と戦うT細胞が制御性T細胞によって妨害される状態を、科学者は『末梢免疫寛容/peripheral immune tolerance』という語を用いて表すspeak of

「今回の研究で、免疫細胞の比率は癌の発症のはるか前から既に望ましくない状態であることを我々は初めて実証した」
Kaaksは言う

「したがって、これは(免疫の寛容は)、癌の結果というよりも原因である可能性がより高いということである」


なぜ免疫寛容が特定の癌のリスクに影響するのかは不明だが、
これまでの研究から説明として可能性があるのは、
肺と結腸の腫瘍は特に大量の免疫細胞によって入りこまれている傾向があるtend to be colonizedということである

ハイデルベルクの疫学者たちは現在、他の種類の腫瘍に調査を広げようと計画しているところである


http://dx.doi.org/10.1093/jnci/djv224
Treg-Mediated Immune Tolerance and the Risk of Solid Cancers: Findings From EPIC-Heidelberg.



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/305eb8758c89181480425e88fcdd8783
脳腫瘍の診断から20年前の高レベルのIL-4は、神経膠腫を発症する可能性の低下と関連する



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/27b0095ed74dd85fbf10b1dabd646605
腫瘍のFAKはCCL5を転写させ、TregをリクルートしてCD8+Tを回避する


関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/b46d5a405befa334675895f81d890632
腫瘍はFoxp3+Tregを作るよう刺激して、CD8+T細胞を抑制して免疫系を回避する
 


最新の画像もっと見る