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自己免疫性てんかんのサブタイプ

2015-12-08 06:15:55 | 
Autoimmune epilepsy outcomes depend heavily on antibody type

December 4, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151204145916.htm

薬が効かないてんかんの原因は免疫の機能不全であることがだんだん認識されるようになっているが、
免疫系がどのようにして、そしてなぜ神経細胞を攻撃するのかはよくわかっていない

アメリカてんかん学会/American Epilepsy Society (AES) の第69回会議で発表される2つの研究では、
薬剤抵抗性のてんかん患者において様々なタイプの自己免疫応答がどのようにして著しく異なる応答をするのかについて調べている


トロント大学とウェスタン大学による研究は、すべての自己免疫てんかんが同じではない(少なくとも予後と治療への応答に関しては)というエビデンスを提供する
以前の研究で、細胞内タンパク質への自己抗体の存在は、細胞表面タンパク質への自己抗体のそれと比較して
予後の悪さならびに免疫療法への応答の悪さと関連することが示されている

この二つのグループに存在するかもしれない違いを調べるため、論文の著者は自己免疫てんかん患者9人の臨床データと脳波図electroencephalogram (EEG) データを分析した
その結果、3人から細胞内タンパク質のMa2を標的とする抗体が検出され、残りの6人からは細胞表面タンパク質のLGI1への抗体が検出された
抗Ma2抗体を持つてんかん患者は全員が(てんかん罹患後のある時点で)集中治療室/ICUに入った経験があり、さらに全員がてんかん重積状態status epilepticusを経験していた一方で、
抗LGI1抗体を持つてんかん患者でこのような状態が当てはまるのは6人中1人だけだった

※てんかん重積状態: てんかんが長く続くか(30分以上)、短い間隔で繰り返し起きる状態

抗LGI1の患者の主な懸念はてんかんだったが、抗Ma2の患者はさらにナルコレプシーやふるまいの変化のような神経的な問題を経験する傾向があった

抗Ma2の患者では3人中2人に癌性腫瘍cancerous tumorsが検出されたが、抗LGI1患者には1人も検出されなかった

どちらのグループも複数の薬を処方されていたにもかかわらずてんかんのコントロールが不良だったが、抗Ma2の患者は抗LGI1の患者よりも免疫療法に応答しなかった

「全体的に、抗Ma2抗体の患者は抗LGI抗体の患者よりも悪性の推移を示す
抗LGI1患者の大部分と抗Ma2患者の大部分はてんかんを抗痙攣薬anticonvulsant drugsでコントロールできなかったが、
免疫療法に応答する割合は抗LGI1患者の方が多かった」
トロント大学で神経学のレジデントresidentであるClaude Steriade, MDCMは言う


発表される2つ目の研究では、自己免疫てんかん患者の中には脳の手術が有益な場合があり、何に対する抗体かという抗体の種類は手術の結果outcomeには影響しないようだということが示唆される
スペイン・バルセロナのホスピタル・クリニックを中心とする研究チームは複数センターによる後向き研究を実施し、
薬剤抵抗性で免疫機能異常のてんかん患者11人の脳手術の結果outcomeを評価した

手術前、患者のそれぞれで様々な自己抗体が同定された
(抗Ma2抗体が2人、抗GADが5人、抗Huが1人、抗VGKC/voltage-gated potassium channelsが2人、抗LG1が1人、抗CASPR2が1人)

手術後のフォローアップで訪問した際、患者の5人はてんかんがなくなったかほとんどなくなっており、この5人はニューロンに関する様々な抗体を持っていた
(抗Ma2 1人、抗GAD 1人、抗Hu 1人、抗VGKC associated to GAD 1人、抗LG1 1人)


「手術療法は抗ニューロン抗体antineuronal antibodyと関連する薬剤抵抗性てんかんの患者において、てんかんの頻度を改善する
しかしそれは患者の少数であり、異なるアプローチがありうることから、これらの患者をよりうまく分類するガイドラインの必要性を示唆する
より多くの集団で結果を研究するために国際的な患者の登録が必要だろう」
著者の一人、バルセロナ・ホスピタルクリニックの教授でありてんかん専門医epileptologistのMar Carreño, M.D., Ph.D.は言う



関連サイト
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2013/11/-lgi1.html
LGI1欠損マウスはシナプス伝達異常により生後2-3週間で致死性てんかんを必発し、
LGI1自己抗体を高値かつ単独で有するほぼ全ての患者が辺縁系脳炎と診断されていた



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/6b9481df85e3a016060c9384a78fbf77
抗NMDAR抗体は統合失調症や双極性障害を引き起こす可能性がある



<コメント>
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