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微生物と遺伝と食事の相互作用が肥満につながる

2015-09-11 06:27:18 | 腸内細菌
Genetic factors drive roles of gut bacteria in diabetes, obesity

Study examines how bacterial, mammalian genomics interact to boost insulin resistance, other metabolic disorders

September 3, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150903131728.htm

消化管内の無数の細菌はヒトの代謝に大きく関与していて、それらは2型糖尿病や肥満、メタボリック症候群のリスクと関連がある
糖尿病や肥満のヒトと動物モデルはそうでないものとは異なる腸内細菌を持ち、科学者が微生物を肥満のヒトや動物から無菌動物に移植するとレシピエントは肥満や糖尿病にかかりやすくなる

Cell Metabolismで報告されたジョスリンのマウスを使った研究は、
宿主の遺伝子がどのように微生物の遺伝子と相互作用してそのような病態を作り出すのかを明らかにしたと
ハーバード・ジョスリンのKahn博士は言う

研究の結果、
遺伝的に肥満になりやすいマウスの系統は、
単に腸内微生物を別のマウスの環境と共有することによりその腸内微生物集団が変化するだけで
過剰な体重増に対して抵抗するようになるという

また、ジョスリンの科学者は
糖尿病や肥満、それと関連するメタボリック症候群に正または負の影響を与えるように思われる特定の細菌株を同定することに成功した
そしてそれは部分的には、ホストの動物の遺伝子構成に依存するという


ジョスリンの科学者は、3つの一般的なマウスモデル
 肥満と糖尿病の両方になりやすいマウス
 肥満になりやすいが糖尿病にはなりにくいマウス
 肥満にも糖尿病にもなりにくいマウス
は、腸内の微生物が初めから非常に異なることを発見した

マウスに高脂肪食を与えると、それらのマウスのすべてで腸内の微生物集団が劇的な変化を示す
やがてこれらの微生物集団は、同じ動物施設facilityで維持されているそれらのマウスとその子孫のすべてで似たようなものになる

ジョスリンの研究者は
3つのマウスモデルの世代を新しく育て、
それらのマウスから採取した微生物を無菌マウスに与えて
ドナーと同じように肥満や糖尿病になりやすいかどうかをテストした

微生物を移植したあと、糖尿病になりにくいマウスの中には、体重が増えて血糖レベルが上昇するものがあった
しかし別のマウスでは
「代謝的に悪い細菌でさえ、問題を引き起こさなかった」
とKahn博士は言う
「それらが問題になったのは、その細菌が増殖して影響を引き起こすような感受性をマウスが遺伝的に持つ場合だけだった」


研究で使われたDNAシーケンサーは3000種の細菌をマウスの腸内に同定し、その中でも約300種が比較的多かった
シーケンシングにより特定の細菌株の集団が実験の状況下でどれぐらい変化するかを定量化することが可能になり、
それにより研究者はマウスの障害との関連を探すことが可能になった

この分野の実験では概して個々の細菌株についてではなく細菌グループの役割を分析することが多い
しかしジョスリンの研究者は、肥満や高血糖のような状況と強く相関する特定の細菌株に焦点を絞った
それらの状態を引き起こすのを促進することが示唆されるような細菌株についてである


ジョスリンのチームは、無菌マウスに個々の細菌株のいくつか与えてインスリン感受性や代謝性パラメーターの変化を促進するかどうかを調べようと計画している
また、マウスに抗生物質を与えるなどして微生物集団を変化させた結果を調査したいとしている


http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2015.07.007
Interactions between Gut Microbiota, Host Genetics and Diet Modulate the Predisposition to Obesity and Metabolic Syndrome.
腸内微生物、ホストの遺伝的特徴、そして食事は、肥満と代謝性症候群への素因を調整する


Highlights
・ホストの遺伝的特徴は、高脂肪食に応じた腸内微生物の変化を決定する
・環境的な履歴historyは、腸内微生物ならびに食事による変化への応答に対して強い影響を与える
・Specific bacterial taxa correlate with metabolic phenotypes within and across strains
・Diet, host genetics, and gut microbiota interact in development of metabolic syndrome

Summary
3つの同系交配系inbred strainsのマウス

※近交系: 近親交配を繰り返して作り上げた動物系統


肥満と糖尿病になりやすいマウス
obesity/diabetes-prone C57Bl/6J mice

肥満にも糖尿病にもなりにくいマウス@ジャクソン研究所
obesity/diabetes-resistant 129S1/SvImJ from Jackson Laboratory

肥満にはなりやすいが糖尿病にはなりにくいマウス@タコニック
obesity-prone but diabetes-resistant 129S6/SvEvTac from Taconic

そしてこれらの系統から新たに一般的な環境で作られた3つの派生系統derivative lines


これら全ての系統ならびに環境的に正常化された派生系統の代謝的パラメーターならびに腸内微生物の分析により、
腸内微生物、食事、育成場所、代謝的表現型の強い相互作用が明らかになった

系統依存的な相関ならびに系統に依存しない相関が特定の微生物と表現型との間に見られ、
それらのいくつかは糞便移植により無菌マウスレシピエントに移行することが可能だった

微生物の環境再プログラムにより、肥満になりやすい129S6/SvEvTacは、肥満に抵抗性になった


ゆえに、肥満/代謝性症候群の発症は、腸内微生物とホスト遺伝的特徴と食事の相互作用の結果である
許容的な(細菌が育つことが許される)遺伝的背景permissive genetic backgroundsならびに微生物の環境的再プログラムは、代謝性症候群の発症を緩和しうる



関連サイト
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=50877&-lay=lay&-Find
>魚油の利点は腸内細菌が媒介している?



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