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2014年11月26日

2014-12-04 10:03:58 | 

多くの腫瘍の進行に重要な酵素
Enzyme may be key to cancer progression in many tumors



KRAS遺伝子の突然変異によって癌が起きることは長く知られていた。充実性腫瘍(solid tumors)のおよそ3分の1はKRASまたはKRAS経路の突然変異がある。

KRASは細胞成長と分裂を引き起こすことによってだけでなく、保護的な腫瘍抑制遺伝子をオフにすることによっても癌形成を促進する。腫瘍抑制遺伝子は通常、制御できない細胞の成長を制限して、損傷を受けた細胞を自滅させる。

アイオワ大学の最新の研究は、KRASが腫瘍抑制遺伝子をオフにするプロセスにおいて重要な酵素であるTET1を特定した。この酵素は癌の診断と治療の重要な目標である可能性が示唆される。この発見は11月26日にCell Reportsのオンライン版で発表される。



KRAS変異による癌において腫瘍抑制遺伝子はオフにされる(サイレンシング)が、それは抑制遺伝子の発現を制御するDNAがメチル化によって修飾されるためである。アイオワ大学の研究は、このメチル化に関与する遺伝子のサイレンシングをKRASが促進することを示す。KRASは、DNAからのメチル基の除去に関与するTET1酵素をオフにする。

アイオワ大学カーヴァー医科大学で生化学ロイJ.カーヴァー教授職でありシニアオーサーのCharles Brenner博士は次のように説明する。

「TET1というメチル基イレーサーは通常、非悪性の細胞で発現している。しかしKRASが活性化するとメチル基イレーサーはサイレンシングされ、遺伝子の発現を沈黙させるメチル基が蓄積される。」

KRAS突然変異により癌になった細胞は、異常に増殖してコロニーを形成する。Brennerと筆頭著者のBo-Kuan Wu博士は、この癌細胞にTET1を加えると腫瘍抑制遺伝子を再活性化させ、その異常な増殖を減少させるために十分であることを発見した。

癌細胞からKRASシグナルを除去するとその悪性度は低下したが、KRASが存在しなくても、細胞からTET1を除去することは再びそれらを癌化するには十分であった。



この経路を阻害する阻害剤は現在利用可能である。

「これらの阻害剤はいくつかの腫瘍で作用するが、そうでない腫瘍もある」、Brennerは言う。

「我々は、阻害剤がTET1を再び発現させることができるかどうかが、薬が腫瘍で作用するためのきわめて有力なバイオマーカーであると考えている。TET1の活性化は多くの悪性腫瘍に対する普遍的な治療学的戦略であるかもしれないと我々は考える。」

記事出典:
上記の記事は、アイオワ大学によって提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.TET1依存的なDNA脱メチル化反応の抑制は、KRASによって媒介される形質転換のために必須である。

Cell Reports、2014年11月;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/11/141126123924.htm



<コメント>
変異したKRASは、ERKを介して脱メチル化に関与する腫瘍抑制遺伝子TET1(Tet Methylcytosine Dioxygenase 1)のスイッチを切ってしまうという記事です。

DNAのシトシンはDNMT(DNA methyltransferase)によってメチル化され、反対にメチル化シトシンはTETによってヒドロキシル化されてから脱メチル化されます。

※TET1は、CXXCドメインによりプロモーターに局在する。TET2はCXXCドメインを欠く

IDH1/2の変異によって生じる2-ヒドロキシグルタル酸(2-hydroxyglutarate; 2-HG)は、JHDM/TETを抑制して、ヒストン/DNAの脱メチル化を抑制します。JHDMはヒストン、TETはDNAを、α-ケトグルタル酸をコファクターとして脱メチル化反応を触媒する酵素です。


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