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2014年9月18日

2014-09-20 22:54:20 | 

重要な脳遺伝子の特発性の突然変異は、自閉症の原因である
Spontaneous mutations in key brain gene are a cause of autism, study concludes



TBR1遺伝子の特発性の(自然発生的な)突然変異は、重度の自閉症をもつ小児でコードされたタンパク質の機能を破綻させる。

加えて、TBR1FOXP2の間には直接的な関連がある。どちらも言語関連のタンパク質としてよく知られている。

これらはナイメーヘン・マックスプランク研究所の心理言語学者、Pelagia Deriziotisたちの発見である。



自閉症は社会的接触とコミュニケーションの障害につながる脳発達の障害である。自閉症のような障害はしばしば遺伝子の突然変異によって引き起こされ、突然変異はタンパク質の分子の形状を変化させて脳が発達する間の適切な働きを妨げる。

自閉症の中には親から受け継いだ遺伝子の変異が原因となる人もいるが、近年の調査により、自閉症の重症例では精子または卵子で生じた新しい突然変異が原因となる可能性が示された。

これらの遺伝子の変異は両親からは発見されず、新規突然変異(de novo mutations)と呼ばれる。

科学者は重度の自閉症で何千人という関連のない小児のDNAコードを配列決定して、それぞれが独立した新規突然変異の攻撃を受ける少数の遺伝子の存在を数人の小児で発見した。

これらの遺伝子で最も興味深いものの1つは、TBR1である。

Pelagia DeriziotisとMPIの言語遺伝学部、そしてワシントン大学は、最先端の技術を使用してTBR1のタンパク質機能に対する自閉症リスク突然変異が与える影響を調査した。

「我々は新規突然変異と受け継いだ突然変異を直接比較し、新規突然変異の方がTBR1タンパク質機能に対してずっとより多くの劇的な影響を持つことを発見した」、Deriziotis博士は言う。



TBR1と相互作用するタンパク質を特定することに興味があった彼らは、言語と言語障害における重要なタンパク質であるFOXP2とTBR1が直接相互作用することを発見した。

そして、これらのタンパク質のどちらかに影響を及ぼすような病原性の突然変異は、双方の相互作用を無効にする。

「我々が発見した共通の分子経路はきわめて興味深い。なぜなら、FOXP2は言語と言語障害に関係することが明確に示されている極めて少ないタンパク質の1つだからである」、Deriziotis博士は言った。

学術誌参照:
1.散発性自閉症におけるTBR1新規突然変異は、タンパク質機能を破綻させる。

Nature Communications、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140918091038.htm



<コメント>
TBR1FoxP2の相互作用の破綻が重度の自閉症の原因の一つだという記事です。

TBR1CASKと相互作用して、GRIN2B(NR2)、AUTS2(Autism Susceptibility Candidate 2)、RELNリーリン)等の遺伝子の発現を調節しますが、FoxP2もその相互作用に加わることになります。



FoxP2についての記事が少し前にもありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/2ed562566f875fcf6ff7076db7206447

>動物の全ての種はお互いに情報をやりとりする。しかし、ヒトだけは言語を作り出して理解するという独特の能力を持つ。

>これらの言語技術の発達に寄与するいくつかの遺伝子の1つはFoxp2だと科学者は考えている。

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