ねこのおなかの日記帳

日々の記録です。

雨の中でもせみは鳴く

2010-07-29 | 読書
今日は久しぶりにまとまった雨が降りました。
おかげで涼しかったです。
豪雨っぽい時はさすがに聞こえにくかったけど、
バラバラ降りくらいになると蝉がわんわん鳴いているのが聞こえました。
すごいな。蝉。
真夜中まで鳴いていて時々困ります


『フライ、ダディ、フライ』 金城一紀

映画化されたDVDを実家で観たのですが、とても面白かった!
原作本は、M嬢に借りました。本も面白かった!
誠実に生きてきた中年サラリーマンが、突然奪われた日常を取り返すために闘う、
ひと夏の冒険譚です。読後晴れ晴れした気分になれました。


『Q&A』 恩田陸

全編、Q&A形式の会話文で成り立っている小説。地の文なし。すごいです。
後半はQ&Aじゃない部分もあるけど、とにかくすべて会話文でした。
パニック小説…になるのかな。何か大きな事件が起こっているんだけれど、
その全貌が読んでも読んでも謎が深まるばかりでなかなか掴めず、怖かったです。


『対話篇』 金城一紀

三篇の中編小説。フライ、ダディ・・・に比べて、全体的にダークな印象でした。
どれも、「不治の病」のようなものが物語に絡んでいるからだと思うのですが…。
でも、良かったです。三つの中では、最後の、ロードムービーのような物語が一番好きです。
映画化された『恋愛小説』も収録されていました。(観てないけど)


『時計じかけのハリウッド映画』 芦刈いづみ、飯富崇生

ハリウッド映画の脚本には、何分で何が起こって、何分で主人公がどうなって・・・
という黄金のタイムテーブルがあるそうです。さすが脚本学が確立しているアメリカ。
色んな映画を例にあげて検証しているのですがとても面白かったです。
脚本に注目すると、映画がまた楽しくなりそうです。
「ロッキー」の脚本を、無名時代のシルベスタ・スタローン自身が書いたことを知りませんでした。
ピーン!ときてから3日で書いたそうです。自分を主演にして売り出すために。


『まほろ駅前 番外地』 三浦しをん

「まほろ駅前多田便利軒」のシリーズ2作目。楽しかったです。
行天がだんだん濃いキャラになっているような・・・
多田がどんどん「いい人」になっているような・・・
由良公の話と、曽根田のばあちゃんの話がよかった。


『ヨモギ・アイス』 野中柊

アメリカ人に嫁いだ女の子の話ですが、主人公のヨモギは
なかなか天晴れな嫁で座右の銘は「doing nothing」。
家事のほとんどを夫のジミーちゃん(大学院生)に任せて、
仕事も子どももなく、でも仲良く楽しく暮らしています。
収録された『アンダーソン家のヨメ』は芥川賞候補になったらしいですが、
ラストシーンは泣き笑いでした。しみじみでした。


『インスタント沼』 三木聡

映画の原作として書き下ろされた本です。(映画は観ていません)
最初、コント調の独白文が読みなれず「ダメかも・・・」と思いましたが、
次々襲い掛かる不運や変な人々に引き込まれ、結局とても面白く読みました。
お洒落な雑貨やさん「無能」には笑ってしまった。
電気屋の「ガス」はかっこいい。
コメント (2)
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