ねこのおなかの日記帳

日々の記録です。

秋の虫

2010-09-28 | 読書
暑い時期からすでに鳴き始めていましたが、
このごろ、夜の虫の声がとても大きくなりました。何虫かしりませんが・・・
あと、斜め向かいの家に猫の親子が住みついていて、
子猫が夜中にニャーニャーいう事があります。
ある時、窓から見ると、二匹の子猫が母猫にじゃれていてとてもかわいかったのですが、
大変うるさいのであります・・・。


『極め道』 三浦しをん

ウェブ上で公開されていた初期のエッセイを集めたものです。
大学生のころから書き始められていて、今と変わらず抱腹絶倒系なのですが、
とても、とがっておられます。若さの勢い!?ギャグのなかに紛らせつつも、
真摯に文学やマンガを見つめる目がわりとストレートに前面に出ていて、
わたしも真剣に読んでしまいました。


『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午

わたしはあまり熱心なミステリ読者ではないので良くわかりませんが、
推理ものとしては練りに練られたストーリーなのではないでしょうか。
ラストの種明かしでは唖然としました。ちょっと、爽快でもありました。
(冒頭は、私の嫌いな感じの主人公のせいですごく読みづらかったんですが、
のちに引き込まれて一気読みしてしまいました。)
後になればいくつもヒントが与えられていることや、
読んでいた時「あれ?」という不自然感があったことに思い当たるのですが、読んでいる間はすっかり騙されてました!


『ニッポン もの物語』 夏目幸明

なぜ鉛筆は六角形なのか、なぜ回転寿司は右から回ってくるのか、などなど
ニッポンが誇るもの作りの会社へ行って「なぜ?」を解き明かす取材が本になったものです。
とても面白かった。醤油とソースの会社も訪れるのですが、ソース会社のひとが
異様に醤油にライバル心を燃やしていたり、ピアノ線はピアノには使われていなかったり、
人には聞けない「カツラ」の秘密がわかったり、楽しく読みました。


『四十九日のレシピ』 伊吹有喜

とても優しいお話でした。比較的早くに亡くなってしまった母が、
書き遺しておいたレシピで、こわれかけた家にいろんなものを与えてくれる物語です。
「イモ」ちゃんと「ハルミ」がいい。
コロッケサンドやカレーうどんがおいしそうでした。
読んでる間何度も泣けてきました。
NHKでドラマになるといううわさを聞きました。


『張り込み姫』 垣根涼介

「君たちに明日はない」第三弾です。
またいろんな業界にリストラの嵐が吹き荒れるのですが、
旅行業界の話と、写真週刊誌の話は面白かった。(あとはよくわからない)
クルマのメカニックの話には、とうとう作者ご本人がちらりと登場されました。
美人アシスタントの「川田さん」の性格がちょっと変わってきたことに、
注目してしまいました。


『猛スピードで母は』 長嶋有

『サイドカーに犬』(デビュー作)との二本立ての本でした。両方、淡々と、
何かが欠けたり余計だったりする親子関係やその周辺を丹念に描いているのですが、
「うーん」とうなってしまいます。
泣かせたり、笑わせたり、ことさらに考えさせたりするあざとさがまるでない、
ザッツ純文学。それでも読ませてしまうのはすごい文章力なんだと思います。
次はこの方の『ジャージの二人』を読もうと思います。
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『運命』『新世界』

2010-09-23 | 音楽
連休の最終日は定期演奏会でした。
『運命』は毎年アンケートに書いていたので、
諸事情あっての変更の結果でしたが、この曲が選ばれてすごく嬉しかったです。
『新世界』も、通すと手がつりそうになるハードな曲とは実際弾くまで知りませんでしたが、
弾けるところが増えてくると嬉しくなる、やりがいのある曲でした。



このところ数年、母が友達を連れて観に来てくれています。
ランチやお茶の時間もわーわー一緒に過ごし、同窓会状態で結構楽しいらしく、
ご機嫌で感想など語ってくれました(辛口ですが)。

そして珍しく父も来てくれたようなのですが、
「母さんを探したけど見つからなかった」
そうです。
ごめんお父さん一人で観たんだね

そして、夫がご両親と連名ででっかい花束を持ってきてくれました。
オーボエのMさんが花束を受け付けてくれたのですが
「あっ、おなかさんのだんなさんや、って気づいたけど、
私のことわからないかもしれないし、
声をかけていいのかなーと思いつつ結局黙ってたんです」
とおっしゃっていました。
夫はMさんには二回、会ったことがあるのです。
そのうち一度は一緒にランチしました。

帰ってから夫に聞きました。
「Mさんが受付してくれたの、気づいた?」
「うん」
「ひとこと挨拶したらよかったのにー」
「えっ。アイコンタクトで、お互い挨拶したで」
・・・アイコンタクトって。
Mさんとどんだけ以心伝心できてるつもりなのか?

かわいい花束やおいしそうなお菓子の差し入れを下さった友人の皆様、
感謝感激です。特に今年はご心配をおかけしてすみませんでした…。
今回の定期演奏会は、練習を欠席することがとても多く、
不安でしたが、出ることができて幸せだったなーと思いました。
(本番前の連日の練習は、しんどくてブーブー言ってましたが…。)

オケの皆さんや観に来てくれたかたがたや、支えてくれた家族・友人に感謝します。
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かのこちゃんなど

2010-09-15 | 読書
昨日、急に涼しくなっておどろきました。
本当に急だったので・・・。
でも、これ以上「猛暑日」が続いたらきついなぁと毎日思っていたので嬉しいです。


「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」 万城目学

小学一年生のかのこちゃんと、アカトラ猫のマドレーヌ夫人と、
年老いた柴犬の玄三郎の物語です。
ほんわかと気持ちがあたたかくなる、すてきなお話でした。
ちょっと、泣けました…。


「センパイ!その日本語、ざんねんです!」 植松眞人

コピーライターの方が、よくある日本語の勘違いをわかりやすいエピソードで
やさしく紹介した本でした。
「JK」って有名なもので三種類もの意味があるんですね・・・
でも、この種の言葉を若者以外の人が使おうとした時点ですでに変質し、
「ざんねん」なことになってしまうというのは納得。


「世界がわかる 宗教社会学入門」 橋爪大三郎

今まで「うさんくさくてハマったら怖いもの」としか宗教を捉えていなかったので(すみません…)、
世界のニュースには理解しがたいものが多かったのです。
でもこの本を読んで色々目からウロコでした。
学問的に、体系的に宗教を理解すれば、
それは人類の歴史とともに歩んできた文明そのものなんですね…
ほんとうに、基本的なことを何も知らずにこの歳まで生きてきてしまったと思います。
しかし「高校生に話すつもりで、基本事項のみをわかりやすく講義した」内容
だそうですが、わたしは知らないことばかりで、読むのもとても時間がかかってしまいました。


「横道世之介」 吉田修一

すごく面白かった!なんといっても、世之介のキャラクターがいいです。
エピソードすべてに「ぶふっ」と笑えて、
世之介のことを嫌いになる人はきっとこの世にはいないんじゃないかと思えます。
「祥子ちゃん」もすばらしい。
読み終わったときにはとても感動しました。すてきな小説を読みました。


「だめんず症候群」 倉田真由美

マンガ「だめんず・うぉーかー」はたまに書店で立ち読みしていましたが(すみません…)、
文章で新書にまとめられたものは初めて読みました。
だめんずとは、暴力男やヒモのことじゃなく、
「ほんとうは惚れてもいない男」のことだったんですね。
すごく明快でとても納得できました。
これを読んで、ひとりでもDVに悩む人が減るといいです…。


「蒼路の旅人」 上橋菜穂子

守り人シリーズのなかのチャグム編(旅人シリーズ第2弾)。
チャグム、立派に成長した…しかしつらい立場過ぎます(涙)
この話から読んでもきっと十分に面白い冒険譚です。隙無く築き上げられた強固な物語世界。
食べ物も全部おいしそうで、しかも唐突じゃなくそれぞれの土地や風土に合ったものが
リアルに出てくるのです。ほんとうにすごいです。
あと「天と地の守り人」上中下で、守り人シリーズ完結です。
読み終わるのがもったいないけど、早く読みたい(いつも貸し出し中…)。
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悪人など

2010-09-05 | 読書

「悪人」 吉田修一

すごく面白かった!とても分厚かったけど一気読みです。
読んでいる時、やるせなくて、叫びたいような気持ちになりました。
読み終わってすぐ、「映画観にいこ!!」と鼻息荒く決心しました。
でも、しばらくたったら「面白くなくなってたらどうしよう…
てか、あの内容をどうやって2時間に収めるの?」と不安になってきました。
…迷いながらもきっと観に行くと思います。


「ワイルド・ソウル(上・下)」 垣根涼介

これも面白かった!!!ブラジル移民がどんなつらい目にあったのか、
淡々と語られる前半には、衝撃を受け、戦慄しました。
でも、立ち上がった男たちのかっこよさと、報復劇には、
スカーッとしました。どの登場人物も魅力的です。特に「ケイ」。
唯一の突っ込みどころはヒロインの性格でしょうか。
たしかに魅力的だけど、男の想像の中にしかこんな女はいないと思います☆


「エデン」 近藤史恵

「サクリファイス」の続編。サワヤカスポーツもので私は好きです。
ロードレースのことをぜんぜん知らなかった「サクリファイス」の時より、
すーっと読み進めることができました。ツール・ド・フランスは、
興味深いです。一度、観てみたい。


「元職員」 吉田修一

「悪人」がすごく良かったので、著者の本を立て続けに読みました。
その一冊目。ものすごく後味が悪かったです・・・。が、読ませる本です。
公金横領をした男の話。こんな風にして、感覚がおかしくなっていくのか…
と、恐ろしくなりました。


「日曜日たち」 吉田修一

2冊目。短編集ですが、どの話も、小さな兄弟でつながっています。
たぶんこの中のどこかに私がまぎれていてもおかしくない・・・と思えるような、
身近な物語ばかりです。


「キャンセルされた街の案内」 吉田修一

3冊目。「日曜日たち」より、さらに断片的に切り取られた日常。
韓国と日本がちょこっとつながったような短編が一番好きでした。
本の装丁がすてきです。文庫化されたらどうなるんだろう・・・。



(映画)「ちょんまげぷりん」

観に行ってきました!
面白かったー!!東京の街にお侍さんが現れたら、こんなに奇妙なのか。
お城のケーキはこんなにおいしそうで美しいのか。
ともやって、こんなにかわいいのか。
と、いちいち映像で楽しめることが嬉しかったです。
錦戸くん、かっこよかった。すごくサムライでした。
会場でばったり、おしゃれ師匠にお会いできたのも嬉しさ倍増でした。
観に行ってよかった。
コメント (2)
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