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原発ゼロの日本へ 小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)氏 全国革新懇インタビュー

2012-10-24 | 原発利益共同体 ・ 軍事体制
原発ゼロの日本へ 一人ひとりの才能や歴史を輝かせよう

小出裕章さん 京都大学原子炉実験所助教

              
1949年東京生まれ。68年、原子力の平和利用に夢を抱いて東北大学に入学。70年、宮城県女川での原発反対集会への参加を機に、住民の立場に立ち、原子力の研究を続けることを決意。専門は放射線計測、原子力安全。著書に『原発と憲法9条』『この国は原発事故から何を学んだのか』など多数。

 原発ゼロの日本を訴える本紙前号のアピールに賛同。その立場を40年以上貫いてきました。大阪府南部にある京都大学原子炉研究所を訪ねると、笑顔で迎えてくれました。


国民の意思に希望がある

― 野田民主党政権は2030年代の原発ゼロさえ米国と財界の圧力で閣議決定を見送りました。

 日本は米国の属国です。米国は金もうけのために日本に原子力を売りつけ、経済界もひたすら原子力から金を儲けたいと動いてきました。
 しかし、政府の意見公募でも「即時原発ゼロ」が多数を占めました。首相官邸前には原発再稼動に反対して数多くの人が自分の意思で集まっている。こういう運動が広がるならば原子力をいつか止められると、希望があります。


やめよう 毒物を生み出す原発

― 「原子力に反対」を主張してきたその理由は。

 私の言う原子力には原子力発電所も、プルトニウムを分離して取り出す再処理工場も、核兵器も含まれています。
 日本では「原子力の平和利用」が宣伝され、「いいものだ」と多くの国民が信じ込まされてきました。しかし原子力はもともと核です。英語でいうニュークリアであり、原子力発電所をニュークリアパワープラント、核兵器をニュークリアウェポンと呼ぶように、同じものです。

 まず原子力発電所は危険なものです。その事故は放射性物質の放出により、取り返しのつかない被害を生じさせます。私はそのことを警告し、事故が起きる前に原子力から足を洗うべきだと言い続けてきました。それでも国や電力会社、産業界は「絶対に安全で事故を起こしません」と言い続けてきて、福島で起こしてしまった。

 原子力発電所は仮に事故を起こさなくても、その使用済み核燃料(核のゴミ)の毒性が10万年、100万年と続きます。すでに日本で作ったその量は広島型原爆がばらまいた毒物の120万発分にのぼります。これを未来の世代は押し付けられることになります。
 もちろん無毒化の研究はこれからも続けなければいけませんが、すでに70年も研究し続けていても、その壁は猛烈に厚くて高い。これが科学の現状ですから、まずは毒物を生み出す行為を一刻も早く止めることが先だと思います。


少しでも改善したい差別

 また、原子力発電所は核兵器に転用できるプルトニウムを生み出します。
 いま日本にはそのプルトニウムが45トンあり、長崎型原爆を4000発つくることが可能です。政府は核兵器であろうと、通常兵器であろうと、自衛の範囲であれば憲法に抵触しないというのが方針です。私は核兵器を持つことは戦力不保持などを定める憲法9条に抵触すると考えています。

 さらに私が原子力に反対する根本の理由には差別をなくしたいという思いがあります。
 原子力発電所はその危険性から都会ではなく、過疎地に押し付けられた。また原子力発電所では社会の底辺で苦しむ多くの労働者が働いています。こうした不公平・不公正を少しでも改善したいと思います。


一人ひとりが違う命を持っている。

― これまでの生き方を振り返っていただけますか。

 確かに日本の国家が進める原子力に私は反対してきましたが、大変と思ったことは一度もありません。
 大学では昔の教授・助教授・助手の助手に相当する最底辺の教員ですが、いいポストにつきたい、金持ちになりたいと思ってしまうと、人を蹴落とすとか、相手より上に行きたいという考え方になってしまう。そこから差別の考えも生まれると思います。

― 未来に生きる若い世代にメッセージを

 人間は絶対に一回しか生きられない。そして一人ひとりが違う命を持っています。一人ひとりが自分の才能や自分の歴史を輝かせながら、生きてほしいと願っています。若い人たちの手のなかに、未来はあります。
(全国革新懇ニュース2012・10月号)

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全国革新懇の3つの共同目標
① 日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざします。
② 日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざします。
③ 日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざします。


 革新懇が呼びかけた「私たちは、原発の再稼動に反対し、『原発ゼロの日本』へ踏み出すことを求めます」各界56氏から賛同やメッセージが寄せられています。
 ・赤瀬川隼人さん(作家) ・秋吉久美子さん(女優) ・安野光雄さん(画家) ・池田香代子さん(翻訳家) ・池辺晋一郎さん(作曲家) ・石川文洋さん(写真家) ・井出孫六さん(作家) ・伊藤誠さん(経済学者) ・稲川淳二さん(タレント・工業デザイナー) ・うじきつよしさん(俳優) ・宇都宮健児さん(前日本弁護士連合会会長) ・永六輔さん(放送タレント) ・海老名香葉子さん(エッセイスト) ・大城立祐さん(作家)・大橋巨泉さん(文筆家) ・奥平康弘さん(憲法学者) ・小山内美江子さん(脚本家) ・賀茂川耕助さん(IT企業会長) ・木村政雄さん(フリープロデューサー) ・倉本聰さん(脚本家) ・小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教) ・小林亜星さん(作曲家)
 ・澤地久枝さん(作家) ・ジェームス三木さん(脚本家) ・柴田徳衛さん(東京経済大学名誉教授) ・下重暁子さん(作家・エッセイスト) ・白旗史朗さん(写真家) ・進藤榮一さん(国際政治学者) ・妹尾河童さん(舞台美術家・エッセイスト) ・滝田栄さん(俳優) ・谷村志穂さん(作家) ・辻井喬さん(作家・詩人) ・出目昌伸さん(映画監督) ・富山和子さん(評論家) ・中島京子さん(小説家) ・中谷健太郎さん(大分・由布院亀の井別荘) ・中原ひとみさん(女優) ・那須正幹さん(児童文学者) ・根岸李衣さん(俳優) ・野田英二郎さん(元インド大使) ・野田正彰さん(精神病理学者) ・野中ともよさん(NPО法人ガイア・イニシアティブ代表) ・羽田澄子さん(映画監督) ・張本勲さん(野球評論家) ・ピーコさん(タレント・ファッション評論家) ・樋口陽一さん(憲法学者) ・平野レミさん(料理愛好家・シャンソン歌手) ・松元ヒロさん(コメディアン) ・三浦光世さん(歌人) ・無着成恭さん(曹洞宗泉福寺住職) ・村田光平さん(元スイス大使) ・山崎朋子さん(女性史研究家) ・山田洋次さん(映画監督) ・山中恒さん(児童文学者) ・湯川れい子さん(音楽評論家) ・吉原毅さん(城南信用金庫理事長)


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