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TPP反対署名 1120万に JA全中呼びかけ ~食糧自給14% 「改憲のおそれも」JA県会長らの話

2011-08-03 | TPPとは・講座
TPP反対署名 1120万に
JA全中呼びかけ
         赤旗HPより抜粋

 関税や非関税障壁の撤廃を原則とする環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に反対するJA全中(全国農業協同組合中央会)が呼びかけた署名が、これまでの中間集計で1120万人となり、目標の1000万人を突破しました。さらに広がる見込みです。

 署名は、「関税撤廃の例外措置を認めないTPPが締結されれば、結果として、農林水産業をはじめ、関連産業を含む地域経済・社会が崩壊する」として、内閣総理大臣に交渉不参加を求めるものです。

 JA全中WTO・EPA対策課では、「取りまとめ中の県もあり、市民団体や個人からも署名が届いている」といいます。署名の集約が確定次第、政府に申し入れる計画です。

 署名は、農業委員会の全国組織の全国農業会議所や全国漁業協同組合連合会、全国森林組合連合会などの農林漁業団体、生協など消費者団体がネットワークをつくり、1月からとりくんでいたものです。日本共産党も、滋賀県や神奈川県、北海道など各地でJA署名を協力してすすめました。

 東日本大震災の中でも目標を大きく上回ったことにたいし、JA全中の茂木守会長は、「TPP反対の声がいかに大きいものであるか証明するものであり、政府は、真摯(しんし)に国民の声を受け止め、TPP交渉参加を断念すべきだ」との談話を発表しています。



いま言いたいーー 「自給率50%」どこへ

JA熊本中央会会長 園田俊宏さん

 民主党政権は「食料農業農村基本計画」のなかで、食料自給率を50%に上げましょうと言っていたはずです。TPP(環太平洋連携協定)参加問題で思うのは、与党の国会議員は「現場を勉強してほしい」という一言に尽きます。


試算で酪農壊滅

 熊本県がTPP参加で第一に影響を受けるのは、酪農です。

 熊本は西日本一の酪農地帯です。同じ酪農地帯の北海道はいま、かなりの部分を加工乳にまわしていますが、ニュージーランド、豪州とは競争できません。そうなれば、北海道の酪農は生き延びるために加工乳を生乳にかえて、出荷するでしょう。北と南の酪農は、規模もコストも違います。県の試算では、熊本県の酪農は壊滅します。

 次に畜産です。サシ(霜降り)の入った「上」部類の牛肉は外国にはないため、何とか残るかもしれません。しかし、それ以外は全部、「並」の肉です。米国や豪州の肉も「並」ですから、安く入ってくれば、畜産は大打撃を受けます。

 熊本は西日本一のコメの生産地ですが、耕作面積が狭く、これも打撃を受けるでしょう。主要10品目で、約1100億円の減です。熊本の農業生産額は3千億円程度ですから、4割ぐらいが減る計算です。

 熊本市の生活用水はすべて地下水で、「日本一おいしい水」と言われています。農林業者が山を守り、森林を保全しているからです。周辺市町村の農業が崩壊したら地下水は一体どうなるのでしょうか。


困るのは消費者

 実は、安い農作物が入ってきて、食の安心・安全の点で一番困るのは、消費者なのです。TPPに参加しても、自給自足ができる農家は、すぐには困りません。作物を売り物にしなければ、虫が食っていようとなんともない。有機農業をすれば肥料・農薬だって買わなくてもいいのです。

 熊本では県議会、市町村議会のすべてで、TPP「反対」「慎重」の意見書が出ました。これは「農業が熊本の基幹産業だ」という意思の表れです。

 TPPに参加しないと「外国に企業が行く」「熊本に雇用がなくなる」と言いますが、県内に輸出大企業が何社あるのでしょうか。農業がもしダメになれば、段ボールもトラックも農機具も肥料・農薬も売れません。熊本は日本一の施設園芸地帯ですが、ビニールも売れなくなり、地域経済に重大な影響が出ます。

 TPP問題で、農家も政治的にちょっと目を開いて、政党を全方位的に見るようになるのではないでしょうか。


  (聞き手・写真 竹原東吾/「しんぶん赤旗」2011年1月26日付)



  JA広島中央会会長 村上光雄さん


 私は牛を100頭くらい飼っていましたが、牛肉が自由化されたときに牛の価格が下がり、借金だけが残った農家がたくさんありました。農業振興に取り組んでも貿易自由化でたたかれ、中山間地域では作る物がなくなったといってもいい状況です。海外の農産物との価格競争でたたかれて、かろうじて米と、わずかな物しか作れず、われわれは丸裸にされています。

 はっきり言って、実際に農業をしている者の立場では、TPP(環太平洋連携協定)参加は腹立たしい限りです。上品な表現ではないが、われわれはすでに丸裸にされて震えているのに、最後のパンツ一枚を脱げというのか。


県農業は半分に

 TPP参加の深刻な影響について広島県が試算しようとしないので、JA広島中央会で試算したら、県農業産出額1073億円がマイナス500億円という数字です。約半分になるという被害です。これには野菜を試算した被害は入っていません。

 品目別では、コメが産出額297億円から279億円減って94%の減少率となります。減少率は乳用牛が100%、肉用牛が83%、豚が80%、鶏卵が33%と、主要5品目の産出額の合計680億円が180億円に減少します。

 広島県の湯崎英彦知事は、TPP参加に賛成を表明しましたが、せめて慎重にやるべきだという表現にしてもらいたかった。県議会や広島市など10の市町の議会が意見書を可決しました。庄原市議会と竹原市議会は、明確に反対の立場です。


自由化おかしい

 自給率が40%まで下がっているのに、関税を100%撤廃して自由化するのは、国際的にみてもおかしい。世界の人口が増え続けて食料の流通量が少なくなり、日本は海外から買いあさることはできなくなります。世界の異常気象で、いつ何が起こるか分からないのに、マスコミは「平成の開国だ」などと言って、TPP参加をあおっています問題の本質をきちんと見なければいけません。

  (聞き手・写真 広島県・突田守生/「しんぶん赤旗」2011年1月27日付)


 
 元宮城県 鹿島台町長 鹿野文永さん

  改憲のおそれも

 08年に県内の首長経験者とともに「憲法九条を守る首長の会」を結成しました。TPPに参加して関税が撤廃され、輸入自由化が進み食料を海外に依存すれば、食料危機などいざという時どのように輸入先を確保するのでしょうか。今「国益」ということが言われますが、軍備で国益を確保するという議論にもなりかねません。

 国際紛争を解決する手段として武力を使わないとする憲法9条の理念が、現在の国の方針として打ち立てられていないまま、輸入自由化が進められれば、9条のなし崩し、明文改憲まで一気に進む可能性があるのです。

 住民による地域主権確立への道、コメ作りによる環境保全への道、憲法9条による平和への道、どの道にも逆行するTPPに、私は断固反対します。

 (聞き手・写真 釘丸 晶/「しんぶん赤旗」2011年2月17日付)


 
 いま言いたいーー 体を張ってでも農業守る

 JA山梨中央会会長 廣瀬久信さん


 後世へ渡す使命

 私には農民、組合員を守る義務があります。先人から引き継いできた美しい水田やブドウ棚、春にはピンクのじゅうたんを敷いたようになるモモ畑などを後世に伝える使命、先人に対する義務もあります。食料は輸入できても、田んぼや畑、美しい自然や環境は輸入できません。

 許せないのは、民主党が「国民生活が第一」と言っていたことと全く違うからです。大企業優先やアメリカ偏重で国民を苦しめる。そんな内閣はいらない。前原誠司外相が「国内総生産(GDP)における第1次産業の割合は1・5%。それを守るために98・5%のかなりの部分が犠牲になっている」と言いましたが、とんでもない発言です。

 終戦直後の食糧難の時代から国民生活を支える礎をつくってきた農業の役割、食を提供するという農業の大切さが、あの人たちには分からないんですよ。TPP参加で食料自給率が14%になるという農水省試算は、ほとんどの国民が外国の食物を食べて生きるということで、そんなばかなことは許せません。

 関税が撤廃されればまずはコメ、そして畜産がやられるでしょう。次にミカンやデコポンなどのかんきつ類。モモやブドウ、サクランボなど山梨自慢の果実もその先にある。ワインもです。ペルーなど南米諸国のブドウは今が収穫期で、春先から安いブドウが出回ったらかなりの影響でしょう。山梨は盆地である以上、地形的に大規模化は無理です。


思いは全く同じ

 10日に開いた「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守る山梨県総決起集会」には会場いっぱいの560人が集まりました。畜産団体や消費者団体、各地JAの代表からは「火山灰や口蹄疫は天災だが、TPP参加は人災だ」「農政は与えられるものではなく、勝ち取るものだ」など怒りの発言が相次ぎ、意気高い集会になりました。

 共産党だけですよ。TPPに対してぶれずに一貫して反対してくれている政党は。山梨の総決起集会に志位和夫委員長から直接メッセージをいただき、こごし智子県議が読み上げてくれました。重みのあるもので大変ありがたかった。「『自給率50%』と『関税ゼロ』は、絶対に両立不可能」「『亡国』と『売国』のTPP参加を断固阻止するために、全力をつくす」という志位さんのメッセージは、私どもの思いと全く同じです。頑張りましょう。

(聞き手・写真 山梨県・志村清/「しんぶん赤旗」2011年2月25日付)



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