不安や反対の声が広がっていた、 「子ども・子育て新システム」 。
民主党は、自民、公明と密室で話し合って法案を「修正」し、衆院を強引に通過させました。
参議院での審議が始まっているこの「修正」で問題点が改善されるのでしょうか??
「新システム」の一番の問題は、市町村の保育の実施義務をなくしてしまうこと。
”親が自分で保育施設を探し、訪ね、施設と直接入所の契約をしなければならない”
”入れなくても親の責任にされる” 反対の声が大きく広がりました。
5月に開かれた新システム反対の集会には、6千人が集まり、各地の署名運動も大きく広がりました。
施設と直接契約は、変わらず
国の責任で福祉として行われてきた保育制度の根幹が大きく揺らぐ(堺市議会などの意見書)と、300以上の地方議会が反対や懸念の意見書をあげてきました。
「修正案」ではこの声に押され、削除しようとしていた児童福祉法第24条、市町村の保育実施義務は、残ることになりました。しかし、これで安心とはとてもいえないのです。
修正案で市町村が責任を持つのは、保育所の保育だけ。その他に”認定こども園”やビルの一室の小規模保育など、”多様なサービス”を誘致することになっていて、これらの実施に市町村は責任を持ちません。
市町村が保育所でこどもを保育する義務、この大きな原則を壊してしまおうとしているのです。
施設に直接申し込む直接契約も変わらず、残ります。 当分の間は市町村が窓口というけれど、期間限定。
保育の必要性を認定し、パートタイムだと短時間の保育しか受けられない仕組みも、そのまま。
(決められた時間を超えた分は、原則、自己負担!)
「修正」といっても、「新システム」の大問題はそのまま残されているのです。(日本共産党・女性委員会・米沢玲子)
(しんぶん赤旗日刊紙より少しネコ型が編集)
つづく。
認可保育所が増える??
認可保育所を増やしてほしいという子育て世代・国民の願いは切実で、東京・中央区11年7月調査でも、「保育所等の整備」を、5割を超える住民が要望し、自治体に望む子育て支援策のトップ。
ところが「新システム」がすすめようとするのは、株式会社などを多く保育に参入させ、営利目的による”多様な保育サービス”を増やし待機児童を解消しようとしたのです。
民主・自民・公明3党の「修正」案で、それは全く変わっていません。
また、これまでの認可保育所を作る建設費の半分を国、4分の1を市町村が支出するという補助金を廃止するという方針も、変わりません。
1~2億円といわれる認可保育所建設費への補助金がなくなれば、自治体や事業者が保育所をつくりたくても、造れません。
認可保育所を増やさない仕組みに変えようというのです。
今ある認可保育所の多くも、1970年代までにつくられ、建て替えや改修時期を迎えています。耐震補強も急がれているのに、改築・改修も困難になります。
”多様なサービス”といって増やすのは、ビルのワンフロアやマンションの一室を使った小規模保育事業で、
認可保育所の基準より緩く、園庭もない、日当たりも不十分な施設をたくさんつくっていく仕組み。
これでは、安心して預けられ、子どもの豊かな育ちを支える保育の保障はされません。
保育料 大幅に増える懸念
軽減作の保障なし
現在の認可保育所の場合、市町村が保護者の収入に応じた保育料を決めて徴収しています。
保育園の運営費は、保育料徴収に関わらず子どもの数に応じて市町村から保育所に支払われます。
市町村が保育に責任を持っているからです。
「新システム」では、保護者が保育所と直接、契約する仕組みにするため、保育料も施設に支払うことになります。
保育料の額は、定率負担では低所得家庭の負担が重いという批判を受け、収入に応じた基準を残すことに。
しかし現在は、国が決める保育料の基準が高過ぎるために、ほとんどの市町村が国基準の約5割から8割くらいまで下げています。 市町村の責任が後退する「新システム」でこうした軽減策が続く保障はありません。
しかもこの基本の保育料以外に、入学金や制服、教材など実費の徴収や、特色ある教育などを理由にした上乗せ料金も取れることにしてて、保育料が大幅に増える恐れがあります。(現行では、追加料金は認められていない。)
子育て世代で保育料が払えない家庭が増えていますが、これまで以上に支払い困難な家庭が増えるでしょう。
親の収入で格差が
しかも「新システム」では、市町村が責任をもたず、保育料の未納が直接経営に響くことになります。
そうなれば、未納者や未納の恐れのある低所得の家庭に、口実をつけて入園を断ったり、退園を促す事態も起こり得ます。
親の収入で子どもの成長に絶対必要な保育に格差をつけることを、絶対に許すわけにはいきません。(米沢玲子 ※ネコ型編)
(しんぶん赤旗日刊紙2012年5月・6月頃の記事より)
=^・-・^-・-^・-・^-・-^=
混合診療とは?
保険きかず、患者の負担増える
日本がTPPに参加することが、医療の分野では混合診療の全面的な解禁に繋がる恐れがある。アメリカがずっと要求してきたことだから。
日本医師会などが開いた「医療を守るための総決起大会」2011年12月9日)でも、日本の国民皆保険制度を「崩壊へと導く」と批判されていた。
Q 混合診療って?
A 1~3割負担の保険診療に、全額負担の自費診療(新しい医療技術や薬など、公的医療保険で認められていない診療を受ける場合、医療費の全額が患者の負担になる)を混ぜ合わせて受けるという意味。
今は自費診療は部分的にしか認められていないが、「混合診療」では、少しでも自費診療を混ぜると、本来保険診療である部分にも保険が適用されず、医療費全額が患者の負担になることに。
混合診療が原則禁止されてきたのは、保険のきかない自費診療が拡大する恐れがあるから。
本来、必要な医療は迅速に公的保険で認めて、患者負担を減らすのが原則、国にはその責任がある。
全面解禁を認めれば、自費診療がはびこり、保険診療の縮小に繋がる。それを国が公然と認めていいのかが問われる。
お金次第で必要な医療も受けられない事態になっては困る。
(2011年12月11日しんぶん赤旗 なんだっけコーナーより。
知りたいテーマ募集します。hensyukoe@jcp.or.jp)
民主党は、自民、公明と密室で話し合って法案を「修正」し、衆院を強引に通過させました。
参議院での審議が始まっているこの「修正」で問題点が改善されるのでしょうか??
「新システム」の一番の問題は、市町村の保育の実施義務をなくしてしまうこと。
”親が自分で保育施設を探し、訪ね、施設と直接入所の契約をしなければならない”
”入れなくても親の責任にされる” 反対の声が大きく広がりました。
5月に開かれた新システム反対の集会には、6千人が集まり、各地の署名運動も大きく広がりました。
施設と直接契約は、変わらず
国の責任で福祉として行われてきた保育制度の根幹が大きく揺らぐ(堺市議会などの意見書)と、300以上の地方議会が反対や懸念の意見書をあげてきました。
「修正案」ではこの声に押され、削除しようとしていた児童福祉法第24条、市町村の保育実施義務は、残ることになりました。しかし、これで安心とはとてもいえないのです。
修正案で市町村が責任を持つのは、保育所の保育だけ。その他に”認定こども園”やビルの一室の小規模保育など、”多様なサービス”を誘致することになっていて、これらの実施に市町村は責任を持ちません。
市町村が保育所でこどもを保育する義務、この大きな原則を壊してしまおうとしているのです。
施設に直接申し込む直接契約も変わらず、残ります。 当分の間は市町村が窓口というけれど、期間限定。
保育の必要性を認定し、パートタイムだと短時間の保育しか受けられない仕組みも、そのまま。
(決められた時間を超えた分は、原則、自己負担!)
「修正」といっても、「新システム」の大問題はそのまま残されているのです。(日本共産党・女性委員会・米沢玲子)
(しんぶん赤旗日刊紙より少しネコ型が編集)
つづく。
認可保育所が増える??
認可保育所を増やしてほしいという子育て世代・国民の願いは切実で、東京・中央区11年7月調査でも、「保育所等の整備」を、5割を超える住民が要望し、自治体に望む子育て支援策のトップ。
ところが「新システム」がすすめようとするのは、株式会社などを多く保育に参入させ、営利目的による”多様な保育サービス”を増やし待機児童を解消しようとしたのです。
民主・自民・公明3党の「修正」案で、それは全く変わっていません。
また、これまでの認可保育所を作る建設費の半分を国、4分の1を市町村が支出するという補助金を廃止するという方針も、変わりません。
1~2億円といわれる認可保育所建設費への補助金がなくなれば、自治体や事業者が保育所をつくりたくても、造れません。
認可保育所を増やさない仕組みに変えようというのです。
今ある認可保育所の多くも、1970年代までにつくられ、建て替えや改修時期を迎えています。耐震補強も急がれているのに、改築・改修も困難になります。
”多様なサービス”といって増やすのは、ビルのワンフロアやマンションの一室を使った小規模保育事業で、
認可保育所の基準より緩く、園庭もない、日当たりも不十分な施設をたくさんつくっていく仕組み。
これでは、安心して預けられ、子どもの豊かな育ちを支える保育の保障はされません。
保育料 大幅に増える懸念
軽減作の保障なし
現在の認可保育所の場合、市町村が保護者の収入に応じた保育料を決めて徴収しています。
保育園の運営費は、保育料徴収に関わらず子どもの数に応じて市町村から保育所に支払われます。
市町村が保育に責任を持っているからです。
「新システム」では、保護者が保育所と直接、契約する仕組みにするため、保育料も施設に支払うことになります。
保育料の額は、定率負担では低所得家庭の負担が重いという批判を受け、収入に応じた基準を残すことに。
しかし現在は、国が決める保育料の基準が高過ぎるために、ほとんどの市町村が国基準の約5割から8割くらいまで下げています。 市町村の責任が後退する「新システム」でこうした軽減策が続く保障はありません。
しかもこの基本の保育料以外に、入学金や制服、教材など実費の徴収や、特色ある教育などを理由にした上乗せ料金も取れることにしてて、保育料が大幅に増える恐れがあります。(現行では、追加料金は認められていない。)
子育て世代で保育料が払えない家庭が増えていますが、これまで以上に支払い困難な家庭が増えるでしょう。
親の収入で格差が
しかも「新システム」では、市町村が責任をもたず、保育料の未納が直接経営に響くことになります。
そうなれば、未納者や未納の恐れのある低所得の家庭に、口実をつけて入園を断ったり、退園を促す事態も起こり得ます。
親の収入で子どもの成長に絶対必要な保育に格差をつけることを、絶対に許すわけにはいきません。(米沢玲子 ※ネコ型編)
(しんぶん赤旗日刊紙2012年5月・6月頃の記事より)
=^・-・^-・-^・-・^-・-^=
混合診療とは?
保険きかず、患者の負担増える
日本がTPPに参加することが、医療の分野では混合診療の全面的な解禁に繋がる恐れがある。アメリカがずっと要求してきたことだから。
日本医師会などが開いた「医療を守るための総決起大会」2011年12月9日)でも、日本の国民皆保険制度を「崩壊へと導く」と批判されていた。
Q 混合診療って?
A 1~3割負担の保険診療に、全額負担の自費診療(新しい医療技術や薬など、公的医療保険で認められていない診療を受ける場合、医療費の全額が患者の負担になる)を混ぜ合わせて受けるという意味。
今は自費診療は部分的にしか認められていないが、「混合診療」では、少しでも自費診療を混ぜると、本来保険診療である部分にも保険が適用されず、医療費全額が患者の負担になることに。
混合診療が原則禁止されてきたのは、保険のきかない自費診療が拡大する恐れがあるから。
本来、必要な医療は迅速に公的保険で認めて、患者負担を減らすのが原則、国にはその責任がある。
全面解禁を認めれば、自費診療がはびこり、保険診療の縮小に繋がる。それを国が公然と認めていいのかが問われる。
お金次第で必要な医療も受けられない事態になっては困る。
(2011年12月11日しんぶん赤旗 なんだっけコーナーより。
知りたいテーマ募集します。hensyukoe@jcp.or.jp)