今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

おっとりハリーのトライアル(前編) ~不安と六感、そして大緊張~

2018年11月19日 | ハリー(灰白)
ハリーがトライアルに旅立ちました。
FIV+の成猫(推定1才半~2才)で、里親さんは難しいだろうと諦めかけていた。これまで書いてきたように、とっても性格がよくて周りを幸せにしちゃう猫です。このまま+αでわが家にいてもいいかと。そんなときに、里親申し入れの問い合わせを頂きました。

わが家から車で1時間半はちょっと遠いですが、広い一軒家に中学生のお子様含むご家族3人。1年前に長年暮らしていたワンちゃんを老衰で亡くし、ようやくまた新たに保護犬を迎え入れようと検討中、今度は猫にしようと思い直した。ハリーの里親募集ポスターは前から気にしていて知り合いを通して確認、決まりそうもないなら自分が名乗りをあげようと。本当にありがたいことです。


わが家でのひととき:(手前から)ハリー、ちび太、みう、奥にリン

ご主人は在宅ワーカーで当面は1頭飼い、ゆくゆくはもう1、2匹、やはりFIV+の子を迎えることも視野に入れている。ハリーにとっては願ってもない条件です。話は順調に進み、当方の下見もOKということで、日程は妻が所用で近くに出向くタイミングに合わせてもらって、妻が下見を兼ねてお届けすることとなりました。


クウ(左)とハリーは兄弟のよう

その日が近づくと、何とも言えない感傷的な気分になってきた。こんなことは初めてで、短い期間に自分の中でもハリーの存在が大きくなっていたことを知ったのです。ハリーはテツやニャーのようにこっちの表情をじっと見つめるタイプの猫で、その分コミュニケーションもとれて気心も通じていたのかな。しかし何かを感じていたのは自分だけではなかった。ハリーはもとより、他の猫たちも同じだったようだ。

そのざわざわした不安のような落ち着かない感覚は、ハリーの出発前夜になってどんどん強くなってきた。ハリーは明らかに何かを感じていた。他の猫たちも、ハリーの身になにかが起こると感じたのだろう。とにかく落ち着かない、いつもと違った行動が目についた。


何か神妙だった出発前夜のハリー

人間にも第六感(sixth sense)があるらしい。将来や見えな部分を見抜く力で予感や霊感、はたまた虫の知らせなどと言われるのがそうです。でも動物の場合は、例えば地震の予知能力のようにもっと現実的だ。科学的に考えれば、ハリーをはじめ猫たちの落ち着きのなさは自分(オジン)の表情や行動から何かを感じ取った結果だと思います。

出発の前夜はそれまで自分の後追いだったハリーが、逆に自分を避けるようになりました。そして部屋の隅から恨めしそうにこっちを見つめる。当日の朝になると、ハリーは明らかに自分から逃げていた。ハリーと一緒になって逃げる他の猫たち。明らかに彼らは、信頼していた保護者の変化を感じ取っていたのです。


当日の朝は隠れて出てこなかった

その日は妻がハリーを運ぶ役だったので、自分は先に出て店に向かいました。最後の記念写真を撮ろうとしても、いつもと違うハリーにシャッターチャンスは殆どなかった。後から聞いた話ですが、ハリーはキャリーケースに入るのを拒んで大騒動になったらしい。自分と通院のときはすんなりしたもんだったのに。やはりハリーは何かを感じ取っていたのです。あの大鳴きハリーが、車中のケースの中で固まったまま一声も発しなかったということからもわかります。


この写真がわが家での最後となるのか

里親さん宅に着いて、ケースから出たハリーは直ぐに部屋の隅にうずくまって動かなくなった。ハリーには愛用していた寝床がなかったので、いつもは本人(猫)の臭いや慣れた臭いのついたものを持たせるのだがそれができなかった。そんなこともあってハリーは大変厳しい条件下で、天地をひっくり返すような環境の激変に身を投じることになってしまったのです。妻はハリーが動かないので、あっさりと失礼して里親さん宅とハリーを後にした。

鳴き喚いたらどうしようとか、いやあすんなり行くよとか、いろいろ話していました。でもあの能天気なおっとりハリーが、そこまで不安と緊張で固まってしまうなんて夢にも思わなかった。里親さん宅で妻がいなくなった後のハリーには、見知ったものも拠り所も何もなかったのです。それは不安を超えて恐怖に近いものだと、その時はまだ思いやることができなかった。

保護ボラさんのブログで、里親さんが決まって幸せ~なんて記事をよく目にします。でも実際には、特に成猫の場合は里親さん宅に到着したときが問題なんですね。いずれは幸せになるのだからなんてのは、それをわかっている人間だけの話。もっと当の猫ちゃんに対して配慮が必要なのだと、つくづく思い知らされたのです。

さて、固まったままのハリーはどうなるのか。いよいよ里親さんの大奮闘が始まります。今回は自分も電話やメールのやり取りを通して、全面的にサポートすることになりました。ハリーのトライアルはまだ始まったばかり。自分にもどうなるのかわかりません。この報告は、後編へと続きます。

頑張れハリー!
新しい里親さんと、幸せをつかむんだ!!


里親さん宅で固まったままのハリー、果たして立ち直れるのか




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