今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

エイズなんてぶっ飛ばせ ~おっとりハリーの日常生活~

2018年09月21日 | ハリー(灰白)
人のエイズウィルス(HIV)が発見されたのは1985年頃ですが、世界中が大騒ぎになったのは90年代になってからでした。猫のエイズウィルス(FIV)も同じ頃発見され、日本で一般に知られるのはやはり90年代後半。HIVはその後各国が国を挙げて正しい知識を広めるなど対策に努め、2000年代には増加が止まって偏見報道なども沈静化した。一方FIVは正しい知識が広まりつつはあるが、ネット上にはまだ偏見(過度の懸念)が多いように思えます。

ではいったい何が正しい知識で何が偏見なのか。
自分は、昨年の正月に保護したテンちゃんが初めてのFIVキャリア猫との付き合いでした。そしてこの7月にもキャリアのハリーを保護した。テンちゃんは店で単独生活ですがハリーは現在、わが家で他の6匹(ノンキャリア)と一緒に暮らしています。当初は自分もこの病気に対して偏見の塊だった。そんな自分が、ハリーを他の猫たちと一緒に過ごさせるまでになった経緯を綴ってみたいと思います。


今日の主人公はハリーです

猫エイズに関しては専門書や4人の先生(獣医さん)から学ぶことから始めました。その過程で妻もそこそこ知識の持ち主で、かつての3匹組がワクチン接種さてれていたことを知った。さらにお店の常連Mご夫妻がキャリア&ノンキャリア猫と一緒に暮らしている話をよく伺い、何よりもテンちゃんを慕って一緒に過ごしたちび太やテリーが、いろいろ教えてくれたのです。

さて、上記の偏見とは、
1.FIVキャリア猫は寿命が短い(いつかは発症して直ぐに死ぬ)
2.FIV感染を防ぐには隔離しかない
ですが、1は間違いなので偏見です。発症しない猫が多く、各国の調査でキャリア猫とノンキャリア猫の生存期間に差のないことが報告されています。 2については間違いとは言えないので、偏見と言うよりは過度の懸念と言うべきか。エイズウィルスは唾液や体液血液から感染するが、感染力は強くないので食物飲物の共有やグルーミング、それにじゃれ合い程度では移らないと言われています。実際ちび太は半年もの間テンちゃんと一緒に暮らし、あれだけ絡み付いても移らなかった。

ただ、100%感染しないという保証はない。だから完全を期せば隔離ということになる。しかしここで考えるべきは隔離することの意味、それが猫に与える影響です。ハリーは保護部屋に閉じ込められたとき、"破壊神"と呼ぶほど鳴き叫びました。今のハリーとはまるで別猫だった。ましてやケージの中で生活させるなんて考えられない。ケージと言えば聞こえはいいが要は狭い牢屋です。それでは猫にとって、生きる意味を失うのと同じだ。


ハリーはみんなと一緒に暮らしています(左からニャー、ハリー、みう)

下に掲げたサイトを参照してみて下さい。
猫に関して総合的に書かれたサイトで、猫エイズに関してもいろいろな角度から詳しく記載されています。出典の記載もあっていくつかチェックした結果、信頼できそうなサイトだと思うのですが残念ながらサイト運営(者)に関する表記が一切ない。紹介するかどうか迷ったのですが敢えて掲げました。

この記事では、仲のいい猫同士でもFIV感染した試験結果(10年で36%)を挙げて完全隔離を推奨しています。自分もその可能性を否定しません。例えばノンキャリア猫に傷があるのにキャリア猫に舐められたら、あるいは口内に傷や炎症があるのにキャリア猫と同じ水を飲んだら、感染するかもしれません。だからわが家ではハリーとの喧嘩はもちろんのこと、ハリー以外の6匹の身体の傷に関して常に神経を尖らせています。それでも、隔離よりははるかにマシだと思っています。

ハリーを保護した当初に隔離したのは、先住猫たちとの相性がわからなかったから。しかしハリーは見事に保護者の心配をクリアしたのでした。爪を切られた痕のあるハリーは、関連部署への届出こそなかったが家猫であったことは間違いない。飼い主にも(多分)他の猫にも、思い切り甘えて暮らしていたのではないか。そう思えるほどハリーの性格は人懐こくて、穏やかでおっとりしているのです。


今までは遠慮もあって廊下にいることが多かった


ハリーの方から他の猫に手を出すことはまずありません。今でもまだ遠慮勝ちですが、保護者の傍や他の猫たちと一緒にいると安心するようです。リンやクウにたまに手を出されてもさりげなく除けるか目をつぶって耐える。ちび太に追いかけられたり絡まれても反撃しないで耐えてます。ニャーとは手を出し合うことはないが、階段などですれ違い様ニャーに睨まれてもヒーヒー言って耐えます。これまでハリーを小心と書いてきましたが、逃げることがないので実は本当の"大物"なのかもしれません。そんなハリーだから、他の6匹と一緒に生活させる決断をしたのです。

キャリア猫がノンキャリアと一緒に生活するには喧嘩をしないことが絶対条件。でも、それはどんな猫でもクリアできることだと思います。あの番猫テンちゃんだって最近は本当に穏やかになりました。ノラ猫の本当の性格はノラでいる限りはわかりません。今だからこそ、ハリーが家裏で問題ノラだった時代に、自分に対する目つきや白黄に追い払われた時の対応に今のハリーの面影があったことを思い出すのです。

猫はみな、本来は平和主義者なんですね。


いつもこんな感じで、保護者の傍で寝ているハリーです


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