今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

チキンとポニー捕物帳 ~あとは信頼を取り戻せ~

2020年02月11日 | チキン,キリン,ポニー
前回の失敗から2週間が経ち、リターンマッチに挑みました。
あれだけ懐いていた2匹が、特に自分を親とも慕うチキンまでがキャリーケースに入れようとした途端に暴れまくり逃げまくった。よもやの抵抗にまったくの油断でした。朝から保護部屋に待機させていたのに、ポニーを追いかけているうちにチキンが襖を開けて脱出、続いてポニーも脱出してついに諦めざるを得なくなり、病院にお詫びの連絡を入れたのでした。

その後は直ぐに平常に戻った2匹、しかし何だか様子が変わった。もともとは12月はじめに予定していた手術なのに、年末のバタバタや順番待ちでひと月半ほど遅れてしまった。ところが今年に入った頃から2匹の様子が変わってきたのです。初めはポニー、他の猫を追いかけ回したり叫ぶように鳴きまくったり。前回手術を断念した頃からは、それがはっきりと発情鳴きに変わってきた。そのうちチキンにも同じような兆候が。ポニーもチキンも8ヶ月ほどだったので、十分に考えられることでした。

チキン(手前)とポニー

いやはや、何とも後手に回ってしまった。それで病院に無理を言って再度の手術日を早めてもらっての今回でした。まったくキーとクウのときと言い、こちらの病院にはご迷惑かけ放しです。ポニーの発情鳴きはその後も日に日にひどくなってくるし、2匹とも急にエラが張ってきた。2週間延期された今回の手術日はもう後がない、満を持しての再挑戦だったのです。

今回は出勤だった妻を店から助っ人に呼んで2人でトライすることに。特別なことをすると感づかれるので、いつもの雰囲気でホイッとキャリーケースに入れる手はずでした。ところが店から一時帰宅した妻がいつも通りの2匹を見て、「これなら簡単そう」って感じで軽くトライした。それが2匹のスウィッチを切り替えてしまったのです。前回の自分の失敗の再現でした。

発情が始まったポニー

必死の形相で逃げ惑うポニー。その間に暴れるチキンを何とかケースに入れた。ポニーは滅茶苦茶に逃げ回り、途中で自分(オジン)の足を踏んだ。その途端に足先から血が噴き出した。親指の先に3cmほどの深手だった。これで1人脱落。妻は1人で追い掛け回す。でも今回はこんなことも想定して、入られたら困る部屋を予め閉めておいたのが功を奏した。押入れの奥にうずくまったポニー。毛布を使って、復帰した自分と二人でキャリーケースに収めました。

エラが張ってきたチキン

ケースに入れてしまえばしめたもの。開き扉のポニーのケースは間違っても開かないよう、養生テープでべたべたに補強するほどの念の入れよう。病院ではネットに入れられて、あとは神妙にしていたらしい。夜に迎えに行ったときはまだ麻酔が効いていて、2匹ともぼーっとしていました。その晩は保護部屋に。お馴染みの寝床やトイレをセットしたので落ち着いた夜を過ごしたようです。翌朝からは普段の生活に戻り、自ら運動も控えめにしていたので心配することもなかった。術後の経過は良好です。

大好きなシロキおじさんに舐められるチキン

で、手術から5日経って何か少しは変わらないかと期待したのですが、今のところ特に変化なし。ただ発情鳴きの頻度は間違いなく減ってきたので、このまま落ち着けば万々歳。他の猫を追いかける行動は変わらないようです。これはどうやら手術で治まるようなものではなくて、要は子猫が大人の猫に挑んで狩りの練習をするといった類の、別の野生のプログラムに由来しているように思えます。

ポニーもシロキおじさんが大好きです(奥はニャー)

さて、怖くて辛い思いをした2匹は今、思い切り甘やかされています。里親さん探しも中断。保護者は一過性のことだと知っていても、本人(猫)たちはそうはいかない。ハリーの里親さん宅への引っ越しのときもそうだった。人は「幸せになりにいく」などと表現するけど、ハリーはこの世の終わりに遭遇したような形相だった。あんなに優しい里親さんでもそうなのだ。チキンとポニーも今回の不安がどれだけのストレスになったか、癒す期間が必要だと思うのです。そして、保護者への信頼を取り戻さなければ。

このブログの初回記事「はじめまして」以来一貫して書いてきたこと。猫は一度信頼した相手を絶対に裏切らない。そして未来永劫の信頼関係を望むのです。猫に限らず、動物はみなそうだろう。一方人には疑心暗鬼がつきものだし、信じる心もいつしか変わる。だから、猫の求める信頼関係は人には理解されないことが多い。猫は裏切られても文句は言わない。ノラの場合は黙って立ち去るだけ。家猫の場合は耐えるしかない。

そんなときの猫たちの姿は悲しみに満ちている。人間だって猫だって心に受ける傷は同じだ。仮に猫自身のための通院だって、猫にわからない以上、何らかの形で彼らを安心させなければならない。彼らの心の痛みを知り哀愁を知ることが、真の共存に向けての最初の一歩だと思うのです。

今は落ち着きを取り戻したチキンとポニーです

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