アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第九十二話 人生の不思議

2011-07-18 21:40:14 | アートセラピー

                 (Which way shall I go?)

 

 

*我が家の庭では赤むらさきと濃い紫の大きな房のバッデリアが咲いていてきれいです。この木は野生ですごく早く伸びるので、強い生命力を感じます。線路脇などどこにでも生えています。

うちはテラスハウスなので、ガーデン(裏庭)も隣家と隣合わさってずらりと並んでいるのですが、今朝はキツネの子供がひとりで隣家の庭をぶらぶらしていて、まだ若い白いネコとはちあわせ。どっちが強いのかな、と観察していたら、ネコがキツネの子供を追っかけていってました。

 

第九十二話 人生の不思議

 

ここのところ、お休みにはNATIONAL TRUST 所有のガーデンめぐりをしているのですが、自転車で無理やり細い馬の道に行ったりするものだから、道が突然なくなり麦畑になっていたりして、なかなか目的地に着くまでが大変です。

地図を見ながらいろんな道をいくのは決断力を強めるエクササイズであると思うのですが、つい歩きすぎたり、確認をし忘れたり、抜けた性格が結果として現れるので、自己省察にもってこいです。

 

先日、日本からわたしの高校時代の友人が遊びに来てくれたので、わたしも年休を一週間とって、イギリスのランドマークの白い断崖に行ったり、ガーデンめぐりなど一緒にして楽しみました。

何が一番楽しかったかというと、彼女がだんなさんや息子さんたちのこと、ボランティアでコーチをしている子供たちのサッカーチームのこと、短大で聴講している講義のことなど、いろいろな身の回りの話を聞かせてくれたことです。

 

一人の女性が明るく生きていく物語の前編は読んでいたが、後編はまだ読んでなかったのを20年して読みなおした、なるほどなあと落ちがいくという感動、だれもがよく生きているんだなあという感動がありました。

 

 

うちの病院ではまた新しい患者さんが何人か入院してきて新たなチャレンジをわたしたちに与えてくれています。そのひとりはこの夏結婚式を挙げる予定でいるわたしの同僚のミュージックセラピストの、婚約者の高校時代の親友なのです。

 

二人の若者は一緒にコンサートに行く約束をしていたのに、その晩、病気が発病してコンサートにいけなくなったという電話が来たのだそうで、それから何年かの後、二人のうち一人の若者は美しいミュージシャンに出会い恋に落ち、もう一人の若者は脳障害を負い、その女性に患者として出会うことになる。人生というのは不思議なものです。

 

アートセラピーのセッションでも、彼が、「おれ、絵を描いてたのしかったよ。手伝ってくれてありがとう」なんて言ったりすると、見送った後に、そんな人生の不思議をしみじみ想うのです。

 

もうひとつの例。13年前シュタイナーのアダルトエデュケーション、エマソンカレッジで、バイオダイナミックアグリカルチャーを学んだときお世話になったガーデナーさんが、私の勤務する病院に患者さんとして毎週来ている、というのを知ったとき人生の不思議を感じました。ところが、さらに、その人が病気をきっかけとして、アートセラピストになるコースをとり始め、私の病院でアートセラピーの実習をはじめました。こんどはわたしがスーパーバイザー。13年たち、学生と先生が逆転。

 

 

人生は旅のようなもので、道の途中で出会ったある人とは再びめぐり合い、その会っていなかった期間の出来事を語り合うこともある。これを、縁というのでしょうね。

 

(間美栄子 2011年 715  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

追伸。Facebookは人工的かつ現代的「縁」ともいうべきか。

新潟高校同窓生のみなさんは、ぜひ、Facebookに加入して、ウェブ上同窓会パーティに出席してくださいね。現在29名参加しています。

 

 

       (Camomile)

 



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