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ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

■ブランド・デザイン―アメリカ・トップデザインオフィスによるデザイン戦略の手法

2009年11月21日 | Web/Design/Art


ブランド・デザイン―アメリカ・トップデザインオフィスによるデザイン戦略の手法/道添 進 (編集), デザインの現場 (編集)


仕事でちょっと簡単な印刷物を作る必要があり、webに比べ紙モノの経験があまりにも薄いので、ちょっとやべえと思い最近ちょこちょここの手のデザインガイドランとかデザインのコンセプトメイキングとかがパラパラっと見れるのが欲しくて。

アメリカの有名デザイン事務所(ってもほとんど知らない会社)のデザイン戦略やクライアントワークの際のノウハウなんかが載ってます。文章少なめで写真など実例が多くてむしろありがたい。

ブランディングっていうとイメージ戦略的な要素が強いのだけど、最終的にアウトプットされるまでのプロセスが結局要で、ロゴタイプひとつとってもブランディングすべき対象をターゲゥットにどう刺さるようにクリエイティブ表現に落とすかってとこが難しい。

この本では完全実例オンリーで、しかもメガ企業ばかりなんでとても参考になりましたが、理念の視覚化とかって本当に難しいわ。デザインセオリーを越えたところのアイデアがもう出るかどうかみたいな。

しかし欧米の企業のアニュアルレポート(投資家向け年次報告書)のデザインにお金かけるって文化が日本の企業とは意識が全然違うんだね。日本の企業もそこで差別化図れるのにね。

ブランド・デザイン―アメリカ・トップデザインオフィスによるデザイン戦略の手法

2009.11.06.Fri 矢野りん/「WEBデザイン!ビジュアル系」@アップルストア

2009年11月17日 | Web/Design/Art
今さらながら先日行ってきた矢野りんさん@アップルストア名古屋の備忘録。プレゼン資料含め、とってーも分かりやすかったです。

「WEBデザインメソッド 伝わるコンテンツのための理論と実践」刊行記念イベント 矢野りん/「WEBデザイン!ビジュアル系」

●なぜ、いまビジュアルデザインに注目するの?
制作ツールの機能向上、CSSに対するサポートの充実により、ビジュアル重視のウェブデザインを提案する環境が整ってきている。現在の制作環境においてはアプリケーションの向上が表現の向上につながる。ツールを使いこなしているかどうかは非常に重要。

「Illustratorのカラー設定機能」「Photoshopのエフェクト」「CSS3」などで何が出来るかを知ることが必要な知識となってくる。


●ビジュアルデザインは何に効くの?
ビジュアルデザインはわかりやすさ、好ましさ、などなど、ビジュアルは人間の感情に視覚を通じて影響を与える。字より絵の方がわかりやすいのは学習の必要が無いからである。ただ直感によって生み出された優れた表現はマネできない。そこには理論立てて説明する術が無いから。例としてiPhone/mixiなど電話はこうだ、SNSはこうだという枠を逸脱したものなど。ただし最低限の品質を保証することは可能。キーワードは「慣れ(experience)」 と「 秩序(order)」。

「慣れ」の例としては既存のかたちにならった表!現など。「秩序」の例としては「揃い」「一貫性」などが挙げられる。これらを意識することが大切。


●ビジュアルデザインの構成要素を把握しよう
色・文字・レイアウト3つの構成要素をうまく使うことが重要。Webにおけるビジュアルデザインの工程を理解する[グリッド]→[分割]→[プロポーション選び]→[カラー]→[文字サイズ]。


●骨はだいじ!
ビジュアルデザインは楽曲でいえば「アレンジ」。骨格(情報設計/情報デザイン)を尊重、理解することで設計作業とビジュアルデザインの相乗効果がぐっとアップすることも忘れてはいけない。


→矢野りんさんのBLOGにてフォローアップ見れます
※写真は拝借

WEBデザインメソッド-伝わるコンテンツのための理論と実践
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2009.10.10.Sat WCAN 2009 Autumn 備忘録

2009年10月11日 | Web/Design/Art
名古屋のwebクリエーターのための勉強会、年4回の季刊開催の秋版。SESSION3で名村氏も言及してたのですが、人の記憶は思ったよりすぐ忘れるので備忘録とまず言葉に落とすというTipsの実践ということでアウトプットしとこうかと。

[SESSION-1]
80カ国に広がる世界スタンダード iPhoneが生み出したモバイルWebの世界


個人的にはauユーザーということもあり、iPhoneにはあまり思い入れもなく、話題のセカイカメラやってみたいなー程度だったのですが、面正直かなり面白かった。

内容としてはアプリの作り方的な技術論かと思いきや、Appleの社員かいってくらい「iPhoneってこんなにすげーよ」的な話が多かったのですが、iPhoneアプリ長者のくだりなんかは21世紀のゴールドラッシュというのも頷ける。

テーマとしては「web2.0 In Your Pocket」というフレーズに象徴されるようにweb全体がより「内」から「外」へ、より「生活」へと距離を縮めているという話が未来を感じるというかワクワクしましたが、具体的に工数確保してまでiPhone対策というのはよっぽど予算に余裕があるか、指定でもなければまだまだ難しいのかなという気もします。

【まとめ】
・iPhoneへのwebサイト(サービス)の最適化は今後のGoogleアンドロイドも加味してwebkit対策は重要。
・HTML5/Flash CS5を使ってiPhoneアプリ制作に可能性が。
・Analytics(分析)をして改善のループ(PDCAのその先)を!

【Appleに学ぶビジネスモデル】
・春夏/秋冬で新作をリリースする日本の携帯メーカーのビジネスモデルが限界に。
・Appleは「売った後でも儲かるモデル」を構築している(ある種えげつない)、日本のメーカーに比べ販売後もiPhoneユーザーから金が入る仕組み。

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[SESSION-2]
60分できる!実践 HTML5 & CSS3ウェブサイト


結論から言うとHTML5自体はworkingDraft(論途上の暫定的な内容を持つ技術文書)なので、まずはディレクターとかデザイナーという職域の場合はそこまで追わなくても良いかなと。細かい話はHTML5でググってちょ。

ただし実装者(マークアップエンジニアとか)であろうと思うのであれば、先を見据えてもHTML5でコード書けないと飯が喰えなくなるかも。

CSS3とのコンボでビジュアル表現としては、ディティールの部分で表現の幅がぐっと広がりそうだなあ。しっかしIE問題ってのはいつ解決されるのでしょうかね。

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[SESSION-3]
Webディレクターとしての経験密度とWebブランディング


以前一度だけセミナーを拝聴したことがあったのですが、今回は自分の立場も単純に画面のデザインだけしている立場ではなくなってきてるので、webという領域外でも色々とヒントというか啓発された。熱い人でした。

以下メモ雑記

<テーマは「解決方法」はどう生まれるのか>
・「情報」と「経験」を結びつけて「使う事が出来る形」にしていけるか?
・「経験」を結びつけるための「習慣化」、つまり「経験」を「情報」に変えるセオリーを体得すること。
・5回の「なぜ」、物事の存在理由を考察する。

<ディレクター的見地での実践>
・早とちりでもいいから会話と同時進行で、瞬間レベルで「意味」を高めていくことにより正解率を高めていける。鍛える続ける(考える習慣がもたらす未来)
・「思考」の「可視化」→文字に落とす/自分日報

<webブランディングとは>
・自分の中でwebサイトを構築する際の指針を作る。
・名村氏の場合はwebサイトは「ユーザーの問題解決のためのツール」であることがぶれないようにしている。
・ネット上で検索をしている人は「困っている」=「手を挙げている」
・ユーザーが求めている情報を提供できているのか?(反証しよう)
・webサイトは情報の発信に長けたメディアではなく、能動的に情報を取得する訪問者への情報提供/問題解決のツール。

【まとめ】
・webブランディングをはその企業の「サービス」を伝えること
→企業の「メッセージ」を伝えることではない(自分なら聞きたいか?)
・その企業が「何」をしてくれるのか?「ブランドプロミス」を伝えるための技術が重要。
→SEO,HTML5,jQuey etc手段はあくまでも手段でしかない。
・お客様に伝えなければいけないことは何かを常に考えること。
・ブランディングとはweb単体で達成可能なものではない。(他メディア、リアル全て)

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[WCAN OFFICIALメインセッションのレポート]
[SESSION-1] 80カ国に広がる世界スタンダード iPhoneが生み出したモバイルWebの世界
[SESSION-2] 60分できる!実践 HTML5 & CSS3ウェブサイト
[SESSION-3] Webディレクターとしての経験密度とWebブランディング

ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス

2009年10月08日 | Web/Design/Art

ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」/Jesse James Garrett (著), ソシオメディア (翻訳)

webサイトの構築や運営など、規模が大中規模サイトになると最早一人が戦略策定からインフォメーションアーキテクト(以下IA)、デザイン、コーディングと一基貫通で行う時代は去り、完全に職域の分業化が進む中、自身の進むべき道を考える中でより普遍的な知識やセオリーを持つべきだと考えると事前と行き着くのがデザインセオリーと情報の構造化に関わることなのかなと。(もちろん対人的なスキルやHTML5/CSS3やjQueryなどトレンドも超重要ですが。)

そんな中でここ1~2年UIの設計や表層的なビジュアルデザインなどを継続していくには、自身の中で非常に重要な考え方になるであろうと思われる「ユーザーエクスペリエンス(以下UX)」についてそろそろ体系的に学んでいこうと思い購入したのがwebのインフォメーションs-キテクトの分野の重鎮であり、古くからUXの概念をweb戦略に盛り込んできたJesse James Garrett氏の翻訳本。ずばり"ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」"。

翻訳本独特のとっつきにくさはあるものの、これまで漠然とごっちゃになっていた[情報設計][情報デザイン][ユーザビリティ設計]などが氏の代名詞でもあるダイアグラムや知己に富んだ比喩などで体系的かつ分かりやすく解説されていて、目から鱗というよりは自分の中の情報の交通整理を上手くしてもらえたかなという感じ。

webサービス(サイト)のプロジェクトのワークフロー及びガイドラインとして下記の5つの段階を踏んでいくべきであると定義していて、1の段階での誤りが上のレイヤー(ここでいう5の「表層」)にいくほど、その傷が広がるというのはなるほどその通りという感じ。

 1.戦略(Strategy):ユーザーニーズ/サイトの目的
 2.要件(Scope):コンテンツ要求/機能要件
 3.構造(Structure):インフォメーション・アーキテクチャ/インタラクション・デザイン
 4.骨格(Skelton):インフォメーション・デザイン/ナビゲーション・デザイン/インターフェイス・デザイン
 5.表面(Surface):視覚的デザイン




各段階での思考のプロセスや考え方などもしっかり抑えられていて個人的には最も職域でマッチする4「骨格」と5「表層」はかなりマーキングしまして、今後の自分の指針にもなりそう。コードやグラフィックなどの技術論ではなく最終的なアウトプットを見据えた情報の構造化と一貫性の導入という点ではwebデザインという領域以外にも汎用的に使えそうな考え方だと。

デザインガイドラインの策定時やコンテンツ仕様の決定時、自分の立ち戻り先の確認用の書籍としても非常に役立ちそうな良書。UXの概念を常にどのレイヤーにも導入することによりローンチ後のサービスの質が大きく変わるということですね。

Jesse James Garrett個人BLOG


■デザインと人―25 interviews / 佐山一郎著

2009年07月24日 | Web/Design/Art
デザインと人―25 interviews (MARBLE BOOKS)
佐山 一郎 マーブルトロン 売り上げランキング: 493992
デザインと人―25 interviews / 佐山一郎著(マーブルトロン/2007)

柳宗理、横尾忠則、山本耀司他日本のデザインジャイアンツ達と著者のインタービューをまとめた名著「作家の仕事場―25人のデザイン・ジャイアント」の廉価版。

デザインセオリーだとかテクニック的なことでは無く、各デザイナーの根底にあるその理念を上手く引き出せている優れたインタビュー集。オリジナル版は図書館で借りてすごく良かったのですが、高いのでこちらをAmazonマーケットプレイスで購入。

まず著者である佐山氏のジャンル横断型で有する幅広い知識に敬服。これはもう完全に聞き手の聞くスキルやリテラシーが対話になりえるレベルでないと成立しないなあと感心させられた。

「デザインとは何か?」「その行為の定義とは?」ということに対しての各デザイナーの思想やフィロソフィーのようなものを感じ取れて非常に読み応えがあった。一般的にはアノムニな作家も多く取り上げられているのですが、過去の先人達の仕事っぷりや歴史を知るという意味でも多くを得ることができる名著。

日本では家電を代表とするプロダクトデザインを中心としたインダストリアルデザインが槍玉に上がることが多いのですが、デザインがマーケティングに寄り添いすぎて、本来的な意味での創造性や生活(者)視点だったり、自分が良いと思うものを無垢に作り、その背後に「俺も好きだよ」と思ってくれる人が実は多かったというような視点が欠けていたり、発揮できない環境なのかなというのは多くの人が共通して言及していたのではないでしょうか。

自分の立ち返るべき言葉を多く見つけれることが出来たという意味で買って良かったです。

デザインと人―25 interviews (MARBLE BOOKS)