+ NDD DISC REVIEW +

ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

■NICE & SMOOTH / "Funky For You"

2006年11月23日 | HIP-HOP/BREAK BEATS
NICE & SMOOTH / "Funky For You"
(HIP-HOP/12")
評価:★★★★☆

最近は原点回帰というか本当にHIP-HOPを堀直すのがおもしろい。決して回顧趣味じゃないですがね。

これまたクラシック。いい曲がいっぱいあるNICE&SMOOTHなのですが"CAKE & EAT IT TOO"と並ぶくらい好きな曲。90年というオールドスクールも引きずりつつある絶妙な時期に生まれた陽気極まりないグッドミュージック。

タイトルどおりP-FUNKクラシックPARLIAMENTの "DO THAT STUFF"をモロ使いしたFUNKYチューン。決してハーコーにならないヘタウマなオトボケライムがほっこりしてます。初期のスチャとかって絶対こいつらの影響が色濃いよねとか思ったり。

定期的にイベントやってたときに相棒のDJが良くかけてたな~コレ。本当にNICE&SMOOTHは好きです僕。

■Souls of Mischief / "93 'Til Infinity"

2006年11月22日 | HIP-HOP/BREAK BEATS
Souls of Mischief / "93 'Til Infinity"
(HIP-HOP/12")
評価:★★★★★

オリジナルどころか再プレス盤まで一時期とんでもない値が付いていたクソカッコよいハイログリフィックスのSouls Of Mischiefの傑作。破格の値段で見つけたので即買い。

タイトルからもわかるように93年というHIP-HOPミドルど真ん中なコレはとにかく疾走系のスリリングなトラックが素晴らしすぎる。MCのマイクリレーも見事。まさにクラシックと呼ぶに相応しい。

同タイトルの1st以降はこれといってヒット作もないのですが曲単位で言えばHIP-HOPの歴史に燦然と輝く名曲ですわな。このネタを見つけたときとループを組んだ時のトラックメーカーは「俺やべぇの作っちまった」と思ったことでしょうね。


93 'Til Infinity
93 'Til Infinity(アルバム)

■STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 12月号

2006年11月17日 | BOOK/MAGAZINE
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 12月号 [雑誌]

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 12月号 [雑誌]
(BOOK/MAGAZINE)

CUT UP 90'S「90年代カルチャー」完全マニュアル!と銘打ってるだけあって表紙は小山田君というベタっぷり!完全とは言いすぎですが、ざっくり振り返るにはなかなか良い特集でした。小山田、カヒミィ、SDP、サニーデイとしての曽加部など90S'のポップアイコン達が当時を振り返ったり00年代の現状を語ったり。しかし読んでみても思ったけど、フィッシュマンズって必要以上に神格化されてるなーと。

90年代(特に中ごろ以降)のサブカル(死語!)にどっぷりと浸かってきた自分にとってはかなり面白かった。振り返っても音楽に関してはHIP-HOPやダンスミュージックシーンから斬新で刺激的な新譜がガンガン出てたしドランベ、エレクトロニカなんていう新しい潮流も生まれたりリアルタイムで通過した人間には非常に面白かった10年かも。サバビ/FREE SOULによるレコバブルとかね、今は本当にレコ安いよ。

スチャも言ってたけど今の時代って情報に待ち状態がないから発売日を待つようなワクワク感とか非常に薄いしネットでサーチすれば概要がすぐつかめるし。日本のメジャーな音楽ってもう規定路線というかムチャなやつが出てきにくいんでしょうね。

J文学なんて懐かしいキーワードも出てきたりしますが、音楽に限らず全てのジャンルにおいてサンプリングとエディットという手法が洗練され受け取る側にもどんなレイヤーが作品に乗っているのかを知ってないと楽しめないという理論武装が必要な時代だったかもね。エヴァしかり。今の日本は携帯とネットとジャニーズに支配されているしオウムみたいなテロなんて起こしようがないので個人規模の猟奇系事件や不条理な事件が多発するんでしょうか。

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 12月号 [雑誌]

■DJ YAZ / "THE SAGA CONTINUES"

2006年11月15日 | HIP-HOP/BREAK BEATS
DJ YAZ / "THE SAGA CONTINUES"
(HIP-HOP/MIX-CD)
評価:★★★★☆

94年のNASの不世出の名盤「illmatic」にて結実したミドルスクール~ニュースクール期というのは今もってして特別な時代だったと思う。GANG STARR、COMMON、ATCQ、ピートロック&CL、NICE&SMOOTH、RAKIM、etc・・ものすごい才能が集結していた時代であり、クラシックと呼ばれるものは枚挙にいとまがない。

ネイティブタン周辺の革新的なインテリジェンス溢れるネタ使いとレアグルーヴの再構築、またはピートロックやCOMMONによるHIP-HOPというフィルターを通したソウルフルなブラックミュージック再考。超天才プレミアのフリップ系のワンループとフックをコスリで表現する究極のサンプリングミュージックはHIP-HOPはビートなんだと教えてくれる。

そんな僕の大好きなミドルスクールのクラシックを惜しみなくぶち込んだ最近ヘビロテのMI-CD。YOUNGSTA'S / PASS DA MICのフック部分でGANG STARR / MASS APPEALの同じフレーズを引用した箇所へのMIXなんかは好きモノにはたまらんばい。(自ら?)あおりで入れるMCもあがります。

ジャケがちとダサいですがご愛嬌。昔のKIYOとかのMIX-CDに近いですがあそこまで洗練されてなくてもっと男臭いです。改めてHIP-HOPって本当に素晴らしいですね~(水野晴郎風)

■KENNY DOPE / "THE PUSHIN DOPE EP"

2006年11月12日 | HIP-HOP/BREAK BEATS
■KENNY DOPE / "THE PUSHIN DOPE EP"
(HIP-HOP/BREAK BEATS)
評価:★★★★☆

最近自分の中で再びHIP-HOPがおもしろくて、と言っても新譜のメインストリーム系は全然聴いてなくて中古レコード屋とかで90年代のミドルスクールを掘りなおしたり聴きなおしてます。

このケニードープの12"はミドルど真ん中の時期のものでは無いのですがMAWでのハウスワークとは異なる彼のB-BOY的側面がモロに出てる傑作ブレイクビーツ。

中でもA-3の「Get It Down」はミニーリパートンの「Inside My Love」をモロ使いしたファットでロウな超渋いインスト。やっぱ僕はこういうワンループの組み方がやばくてそれだけで聴けるトラックにこそHIP-HOPの醍醐味を感じるわ。まあ元ネタのフレーズが良すぎるって部分も大きいですが。

いわゆるHIP-HOPと銘打って売られているPOPSとはハッキリ言って曲の中に流れている血が違います。最近は無理に新譜追わなくてもこの年代ののでまだ聴いてない名作を聴いたりするだけで全然新鮮で楽しいのです。