+ NDD DISC REVIEW +

ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

■Yusef Lateef / "Eastern Sounds"

2008年12月29日 | JAZZ/FUSION
Eastern Sounds

Yusef Lateef / "Eastern Sounds"
(JAZZ/SPIRITUAL JAZZ)
評価:★★★★☆

廉価で見つけたら買おうと思っていたコルトーレーンにも影響を与えたとも言われるオーボエ、フルート奏者Yusef Lateefが名門PRESTIGEに残した名盤。アナログのオリジナルは万越え系です。

HIP HOP/BREAK BEATSサイドからはNujabesが"The Final View"でサンプリング(っつーよりカヴァーだね)したLove Theme from "Spartacus"があまりにも有名で、自分もこの曲以外はちゃんと聴いたことなかったのですがアルバム通して素晴らしい作品です。

前述のLove Theme from "Spartacus"の儚い美しさはバリー・ハリスのピアノ演奏によるところも大きいのだがユセフ・ラティーフがこのアルバムのモチーフとしている"東洋"への情景がフルートやオーボエに乗り移り凡百なスピリチュアルJAZZとは一線を画す作品となっている。

聴けばなるほどコルトレーンのインパルス期やファラオサンダースにも通じるものが確かにあるなと。現代のCLUB JAZZシーンでもCALMなどのクリエーターにもその魂は受け継がれている。

他にもM-4 "Don't Blame Me"など大人の夜JAZZ傑作アルバムと言える名作。

Eastern Sounds


エヴァンスのバージョンのLove Theme from "Spartacus"も最高ですよ。

Bill Evans's Finest Hour
Bill Evans's Finest Hour
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Bill Evans
Verve (2001-06-05)
売り上げランキング: 23309


■Perfume / "love the world"

2008年12月26日 | J-POP
love the world(通常盤)

Perfume / "love the world"
(J-POP)
評価:★★★★☆

今さら感もありそうですが中古で100円で購入以来かなりヘビロテなPerfumeのいっこ前のシングル。個人的には曲単位では今年一番聴いている気がします。

Perfumeの異色さは一応アイドルという立ち位置ながら田中ヤスタカの楽曲が異常にハイクオリティで一ダンスミュージックとしても出色の出来でありながらコアなリスナーだけでなくセイガク(学生)からOLまで受け容れられるPOPさを共存させてパッケージングできている点でしょうね。

この曲もなんというかアレンジが絶妙すぎ。ここでこういう歌い方してくれると良いなーというところでキッチリ決めてくるというか。わかってるんだけどそれがたまらんみたいな。

テクノポップという言葉も正しいのかわかりませんがYMO以外でここまでポピュラリティを獲得したグループってのもなかなかいないわね。一回生で観たいけどアイドルのそれ的なライブなんだろうか。観たら萎えるのかしらん。

love the world(通常盤)

■吉田 修一 / 悪人(朝日新聞社刊)

2008年12月19日 | BOOK/MAGAZINE
悪人
悪人
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吉田 修一 朝日新聞社 売り上げランキング: 5125
おすすめ度の平均: 4.5
3 悪人?5 人間臭さがいい。5 リアリティー3 心弱き人間 = 悪人4 良作品です


■吉田 修一 / 悪人(朝日新聞社刊)
いわゆるミステリ作品ではないのですが非常に評価が高く本屋大賞でも上位にランクしていてずっと読んでみたかった作品。内容はかなり重い。しかし久々にきちんと"文学"を読んだ気がした。

ある殺人事件から派生する様々な人間模様を描いているのですが登場人物たちに自分が過去どこかで会っているかのごとく生々しく描写してます。

タイトルが示すように何をもって"悪人"とするのか?生まれた環境や育ちによってもたらされる悲劇。本当にこんな話ありそうだよなという痛々しいほどのリアルさを伴って胸をえぐられました。先が気になると言うよりはこのドラマを見届けなければならないという感覚で読み進め最後の方で「ああ、もうすぐこの本を読み終えてしまうんだなあ」と少し切ない気持ちにさせてくれた良書。

本当に救いなんてないんだよ、とは思わないでいたいが悲しく美しく痛みを伴ったエンディングも見事。

悪人

■Quarteto Maogani / "Agua De Beber"

2008年12月10日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
Agua De Beber

Quarteto Maogani / "Agua De Beber"
(BRAZIL/LATIN/ショーロ)
評価:★★★★☆

クラシック・ギター4重奏団、クアルテート・マオガニっても全然知らないのです。昨年あたりからちょいちょい非ボッサな南米モノを掘り始めているのですがなんせ予備知識どころかその手のスペシャリスト的な店も名古屋にあまり無いので地道に道なき道を切り開くべく購入。

ネットで視聴したりしてある程度下調べはしていたのですがコレは当たり!収録曲はジョビンやボンファのボサノヴァの名曲が多いのですがクラシックギター4重奏用のショーロ風アレンジが素晴らしい。軽やかで繊細。聴きなれた名曲郡なれどありがちなカヴァーとは異なる次元にまで高めてます。

中でも個人的ベストは(中島ノブユキのカヴァーで知った)ブラジルが誇る名コンポーザーVINICIUS MORAESが残した名曲「Valsa de Eurdice」。6分超と長めのアレンジながらとにかく最初から最後まで美しすぎる旋律が溢れてます。マジック!バーデンパウエルバージョンより良いんでは!?

ブラジル人のサッカーにしてもそうなんだけど、なんかあんだけルーズそうな文化(決め付けてますが)の国でなんだあんなにも美しく繊細な音楽や演奏が生まれるんだろうか?本当に不思議な国、懐が深いというか。

全編インストながら超絶スキルのギタリスト4人の演奏が生み出す至福のひと時。今年購入した作品の中でも間違いなく五指に入る一品。あまり手に入りにくいようですが一応amazonとかでも売ってるようです。

Quarteto Maogani / "Agua De Beber"

12/4.Thu おおはた雄一@TOKUZO

2008年12月06日 | LIVE/EVENT


昨日はマイミクでもあり、おひとりさま系独走のマブダチの女子とおおはたさん久々のワンマンを観にTOKUZOへ。

最近仕事がかなり忙しかったこともあってこの日だけはと思い即帰り。なんか早く帰ると悪いことしてるみたいな空気ってファックDAYONE。

最近じわじわと人気出てきてるのか着いたらほぼ満席!ひょえー。なんとか関係者席付近に席を作ってもらう。

今回はドラマー一人連れての最小セットながらやっぱこの人大好き。ギブソンも少し使ってたけど、意外にもエレキが多かったけどまたそれも良し。とにかくギター上手い。

あとドラマーの芳垣さんがもういぶし銀。ギターの音を殺さないものすごく絶妙な音でリズムを刻んでて惚れた。

新作中心の第一部とカヴァーや1stなんかの昔の曲中心の第二部という構成だったけど個人的にはイントロがぞくってきたエレキでエフェクトかけつつのメロウバージョンの「サカナ」がすげー良かった。アンコールは超名曲「おだやかな暮らし」とデュラン「風に吹かれて」。

ライブ後物販での購入者対象のミニサイン会があったんだけど発売直後に買った新作持ってきてたんで「今日買ってないけど駄目?」的なことをジャーマネ的人に聞いたら「物販でなんか買って」的なことを言われたんだけどおおはたさんが「全然いいよ、ありがとう」的なことを言ってくれてこの人超いい人やなーとか思いました。

その時その場所でしか体験できないマジックがあるし、いい演奏には全然お金払ったるよマジで。やっぱライブはいいです。

http://www.entame-style.jp/yuichiohata/index.html


すこしの間
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ラグ・タイム
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SMALL TOWN TALK ~“アコースティック・ライフ”カバーズ~
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