+ NDD DISC REVIEW +

ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

2007年個人的 BEST 【BOOK/MOVIE編】

2008年01月24日 | 2007 BEST
新年明けてもなんだかんだ仕事も微妙に忙しく余裕が無く、子供の夜鳴きがパワーアップと、まったく遅きに失した感じでございますが、昨年の締めくくり第2弾、CD/アナログ以外で。通勤が電車だけあって割と本は読みましたね。奥さんの妊娠中はともかく、子供が産まれてからは2時間もじっと映画を観れるような時間は無く映画館はおろかDVDすら観る余裕がありませんでした。

■2007年 BEST BOOK

①西村 佳哲 / 自分の仕事をつくる
いわゆる日経の手先のようなビジネス書とはまったく違うワークスタイルとライフスタイルの探検報告。IDEO、柳宗理、パタゴニアの取材を通して描かれる作者のレポート。一見何の共通点もないようでそこには『仕事』とをどうとらえるべきかという大きなヒントがありました。常に立ち返るべき言葉を見つけた気がします。

自分の仕事をつくる
自分の仕事をつくる
posted with amazlet at 09.01.14
西村 佳哲 晶文社 売り上げランキング: 1608



②海堂 尊 / チーム・バチスタの栄光(上)(下)
文庫化につき購入し数日で(上)(下)読破、このミスで大賞とったのもうなずける作品。医療現場を舞台にしたミステリーなれど難解な感じは無く、とにかくテンポが良く程よい緊張感を保ちつつグイグイ読ませます。登場人物たちのキャラ設定が秀逸で物語の前後半でガラッと物語の進行スピードを変えるプロットや構成も素晴らしくて久々にミステリーでやられました。







③真山 仁 / ハゲタカ(上)(下)
外資系投資ファンドや企業買収といった普段縁遠い世界の話ですがNHKのドラマの再放送にハマリ原作にも手を出したのがこれ。ビジネス用語やM&A用語がバリバリ出てきますが、そんなの関係ねえとばかりの男気とダンディズムに溢れた気骨のある小説。主人公鷲津のロジカルかつ大胆なビジネスセンスにはしびれます。

ハゲタカ(上) (講談社文庫)
真山 仁
講談社
売り上げランキング: 7727


ハゲタカ(下) (講談社文庫)
真山 仁 講談社 売り上げランキング: 8752



------------------

■2007年 BEST MOVIE

ゆれる / 監督: 西川美和
前述のように昨年はあまり映画を観れなかった中この映画はやばすぎた。香川照之の演技が凄すぎる!オダジョーと香川が兄弟役で共演しているのだけど田舎にありそうな独特の閉塞感や心の深いところにある悪意や善意、観るほうの想像力を試すような心理描写。はっきり言ってディープな内容なんだけど一見の価値あり。脇で出てる伊武雅刀や真木よう子もいいんだわ。ラストシーンはどう解釈しますか?

ゆれる
ゆれる
posted with amazlet on 08.01.24
バンダイビジュアル (2007/02/23)売り上げランキング: 1325


2007年個人的BEST 【CD編】

2008年01月14日 | 2007 BEST
随分と時間が経ってしまいましたが一応総括ということで2007年ベストをまとめてみました。例年に無く今年も新譜購入率が低かった。どっちかというと中古盤をディグしてましたね。個人的傾向としてはもうひたすら気持ちよいユルめの聴いていた気がします。ということで07年に買ったものの中でチョイス。

夏以降は子供が生まれたりとあんまライブも行けなかったけど昨年は野外フェスの気持ちよさに目覚めました。外でだらだら酒飲んで気楽にマイペースでライブ観るのって楽しいのね、ホント。ライブハウスに赤ちゃん連れて行けないけど野外なら一緒に遊べるし、今年は子連れでフェス参加が目標です。

-----------------------
■2007 BEST DISC

①中島ノブユキ / "エテパルマ~夏の印象~"
(INST/PIANO)

エテパルマ~夏の印象~
エテパルマ~夏の印象~
posted with amazlet at 09.01.14
中島ノブユキ ewe records (2006-07-26)売り上げランキング: 80335


今年買った音源の中ではダントツで一番聴きました。とにかく非の打ち所の無い最高のサロンミュージック。美しくも涼しい夏の記憶。シューマンからヴィニシウス・ヂ・モライス、デューク・エリントンなどをサラリとクラシカルにアレンジした粋なピアノ作品。



②Joao Gilberto/ "Amoroso/Brasil"
(BRAZIL/BOSSA)

Amoroso/Brasil
Amoroso/Brasil
posted with amazlet at 09.01.14
João Gilberto Warner Bros. (1993-09-14)売り上げランキング: 130980


12月に買ったからか最近も良く聴いてます。個人的にはBOSSAはギターと歌だけで良ければそれで良しなんだけこの作品は例外的にオーケストレーションがいい仕事してます。ジョビンの曲はストリングス系が良く似合う。脂の乗り切ったジョアンの歌とギターも見事な歌心溢れた名盤。



③yanokami / SAME
(J-POP/FOLKTORONICA)

yanokami
yanokami
posted with amazlet at 09.01.14
yanokami
ヤマハミュージックコミュニケーションズ (2007-08-08)
売り上げランキング: 33177


タイミングを逃しレビューは掲載せずもいい意味で期待を裏切ってくれた作品。矢野顕子の名曲郡をレイハラカミの独特の丸っこく無垢なエレクトトロニックな世界観で再構築。新しいカフェミュージック。フワフワと浮かび上がるフレーズと矢野のなんとも脱力なボーカルが絶妙。1+1=2では無いという好例。



④MAIA HIRASAWA / "THOUGH, I'M JUST ME"
(NEO FOLK/SSW/VOCAL)

ゾー,アイム・ジャスト・ミー
マヤ・ヒラサワ インディーズ・メーカー (2007-11-07)売り上げランキング: 124292


日系女性アーティストMAIA HIRASAWAのデビュー・アルバム。スウェーデン産SSW極上作品。ビョークを少し人懐っこくしたようなキュートでパワフルなボーカルと質の高い楽曲群、FEIST、ファナ・モリーナに通じるアコースティック・ポップ。洗練されたソングライティング能力とバックを固めるプレイヤーの演奏力も高い07リリース作品!



⑤おおはた雄一+BE THE VOICE / センチメンタルテリトリーサウンドトラック"HOMEMADE"
(J-POP/OST)


大好きなSSWおおはた雄一さん(ライブ最高)と、BE THE VOICEがほぼ日のためだけに制作したサイト専用のサウンドトラック。この曲がいいってのは無いんだけどなぜか繰り返し聴いてます。なんというか凄く良いイージーリスニングというかまさにサントラ。

アコースティックなギターやワイゼンボーンなど生楽器でオーガニックに弾かれる音の粒達と優しい男女Voが和むわ~。ダウンロード販売なんでジャケとか無いけど全18曲入りの好内容で1200円はお得でした。

●おおはた雄一+BE THE VOICE with ほぼ日刊イトイ新聞
http://www.1101.com/store/homemade/index.html

■キリンジ / "3"

2008年01月10日 | J-POP
3
(J-POP)
評価:★★★★☆

改めて聴きなおしてビックリ、このアルバムってめちゃくちゃ良いですね。初期キリンジの名盤3rd。国内屈指のメロディーメーカーが作り上げるAOR/SOUL経由アーバンJ-POP行きの傑作。彼ら兄弟のソングライティング能力が完全に開花した記念碑。

練りこまれた日本語詩も見事でものすごくハイブリッドな文学少年POPS!彼らの作り出すラブソングは何故か潔い。カッコ悪い行為さえも爽やかに愛くるしく感じてしまうのはやはり詩とメロの見事な融合に他ならない。

タイプは違えど、ここまでラヴソングを見事に歌い上げてるのは初期オリジナルラブと双璧か。富田ラボがプロデューサーとして絡んだFor Beautiful Human Lifeともども全グッドメロウポップス好きマストすわ。

名曲誉れ高い「エイリアンズ」を筆頭にライブでも定番の「グッデイ・グッバイ」や泣き名曲「アルカディア」など代表曲も多数収録。個人的には胸キュン必死のフルートの音色がたまらないグッドメディアムメロウM-9「君の胸に抱かれたい」と7分に及ぶ大作「千年紀末に降る雪は」のストリングを従えた泣きメロが琴線に触れまくりです。

当然コレも!

For Beautiful Human Life
For Beautiful Human Life
posted with amazlet on 08.01.10
キリンジ EMIミュージック・ジャパン (2003/09/26)売り上げランキング: 38666
おすすめ度の平均: 5.0
5 相変わらずいいなあ。キリンジにハズレなし。5 文句なし5 今夜すべての臥所で



■中島ノブユキ / "パッサカイユ"

2008年01月05日 | OTHERS
パッサカイユ
中島ノブユキ / "パッサカイユ"
(INST/PIANO)
評価:★★★☆☆

あけましておめでとうございます。今年は色々と公私共に目標を立てようかなんて思ってます。自分を追い込むために気が向いたらこのBlogで書こうかな。2007年ベストとかも書こうかと思ってますが、まとまらんわ。

前作のエテパルマ~夏の印象~があまりにも素晴らしくて、2ndが出ていたのを知り年末に購入した今作。

前作が良すぎたせいか今作は少しトーンダウン。前作同様オリジナルとカヴァーが同居しているのですが選曲もやや渋めで静かな曲が多いですね。今作は前作がどこか「夏」を想起させるような軽やかで華やかなタッチだったのに対し「秋」というか少し枯れた空気をまとった曲が多いです。

とはいえ独特のクラシック寄りながらJAZZやブラジル音楽の要素をさりげなく取り入れた繊細なピアノ作品には仕上がっております。中でもM-1 "秋のワルツ"は女性Voが乗る美ししすぎるワルツで岩井俊二作品に使われてそう。

パッサカイユ