+ NDD DISC REVIEW +

ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

よるくま (単行本) /酒井 駒子 (著)

2010年01月25日 | BOOK/MAGAZINE
よるくま
よるくま
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よるくま (単行本) /酒井 駒子 (著)

子供用に買った絵本なのですが、あまりにも絵が可愛いので紹介。
「よるくま」なる謎の子熊とそのお母さんを探すというストーリーなのですが最後の方で一面真っ暗なページをめくると見開きでお母さんが子熊を吊り上げるシーンへの飛躍というか展開がすごい!「わあっ」ってなりました。

暗」から「明」へガラッと転換する構図の妙と、指でめくるという本でしか出来ないインタラクションを最高に活かした仕掛けが子供だけじゃなくて大人でもグッとくる。

娘ちゃんも気に入って「読んで、読んで」って持ってきますwww
Amazonのレビューでも78件中70件で★5つと数値的にも評価高いですね~。

よるくま

ナガオカケンメイの考え / ナガオカケンメイ

2010年01月23日 | BOOK/MAGAZINE
ナガオカケンメイの考え
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ナガオカケンメイの考え / ナガオカケンメイ(アスペクト)

名古屋には無いんですが、D&DEPARTMENTのサイトとかもよく見ていて、以前トップランナーに出た回とかも観ていて休刊しちゃったけど「D:long life design」誌とかのコンセプトや気骨のある内容とかいいな~と思っていたんで中古書点で値打ち価格で見つけたので購入。

その風貌やキャリアとか、僕自身が自宅でも愛用しているカリモクやノリタケなどの60 VISIONシリーズの印象で「お洒落さん、デザインを語る!日々の素敵な出来事をブログで綴る(謎)」的なエッセイかと思いきや結構、というかかなりガチな男気系の、どちらかというとビジネス書に近いような内容で、いい意味で印象が変わりました。

サラっと読めるかなと思いきや、やっぱ人が自分の言葉で書いた文章を読むのは疲れるし、こちらも脳を回転しなきゃいかんね。「デザイン業界」の中にいると言いにくいんだろうなと思われることをズバズバ言ってたりもするから、Amazonとかでこの本の評価を低くレビューしている人はそのあたり痛いところをつかれたなって奴らなんじゃねーのかなと思いました。

実際のブログの文章をかなりそのまま使っているからか、読みにくい点はあるけど、その分言ってる内容にパワーというかwebならではのリアルタイム性(本になった点で過去だが)が乗っかってるから表現がストレート。

基本的にはデザイナーというより経営者としての視点が多く含まれているから、組織の中で働く人間全てが考えさせられるような内容が多かったです。日本フィルオーケストラのリハを観た時の話で、「仕事をする職場 = 本番」であり「練習」ではないと、オーケストラのフィルは「本番のための練習」のために、皆が裏で膨大な「練習」をしてその一瞬集まり、練習が終わるとサッと帰っていくというくだりには結構ガツンとやられました。

特に日本のインハウスの工業デザイナーやプロダクトデザイナーは叩かれがちだけに、反論もありそうだけど、逆に表層的な部分ではなく、どれだけ真剣に「デザインする」ということの定義をいわゆるデザイナーが考えているのかを問われた時にみんな回答できるのだろか?

本書の中にもありましたが「デザイナーに向けて語るデザイナー」が多すぎて、その権威の語りに賛同するだけで自分も権威の側に回っているような日本のインハウスの工業デザイナーやプロダクトデザイナーへの痛烈なアンチテーゼでもあり、webという分野であれ見た目が美しいが機能的ではないファインアートを作りたがる人が多いのは同じような課題なのかなと思いました。迎合ということではなくて本当の意味でのユーザー中心設計が前提にあって、プラスの部分でデザイナーにしかできない表現を出来たらなと思います。


→ナガオカ日記

■告白 / 湊 かなえ

2010年01月13日 | BOOK/MAGAZINE
告白
告白
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湊 かなえ
双葉社
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告白 / 湊 かなえ(双葉社)

年始に娘が新型インフルになったりして強制引きこもりだったので、久々にまとまって本を読む時間が少し取れたり。もともと図書館で借りようと思っていたんだけど、超待ち状態だったのでブックオフで手ごろな値段で購入して2日ぐらいでバーっと読んじゃいました。デヴィッド・フィンチャーのセブンばりに後味の悪い作品です(褒めてます)。

読後の感想としては「本屋大賞」というよりは「このミス」かな?って感じなんだけど、最初から決められていたであろう結末といい、章毎に視点が変わって語られる構成などプロットは秀逸。内容的には超陰鬱というか、かなり暗い話なんですが、他の人のレビューとか見ると賛否両論なんですが、個人的には話の帰結はアレはアレでアリかなと。(アレばっかだww)

確かに話のKeyになっているHIVの件などは、語る術を持たないので言及しませんが、テーマは「少年犯罪」と「私刑」であるのだろうなと思いますし、賛否が分かれる点からも、読後に語られもせず忘れられる凡百な作品よりは、作者としてはしてやったりというか。

人によりけりだとは思いますが、一ミステリ小説好きとしては結末を気になって読み進めてしまうという点ではオススメです。

告白

■V・A / "Afro Temple Percussive" mixed by LAVA

2010年01月03日 | CLUB MUSIC
Afro Temple Percussive

V・A / "Afro Temple Percussive" mixed by LAVA
(HOUSE/CROSS OVER)
評価:★★★☆☆

年末のレコフェスネタからの1枚。随分前に12"で購入したラテンハウス名曲"Todo Dia"がめっちゃストライクだった日本人クリエーターLAVAのMIX CDというよりはRemix集。

あんまりクレジットじっくり見ずにレコフェスの勢いで買ってしまったのだが、もう少し旧譜よりにFaroutあたりを交ぜてくるようなちょいダウンテンポなラテンハウスなんかを期待していたら結構クロスオーバー系というかオサレなCLUB JAZZ寄りで少し拍子抜け。

本来的にバリバリのDJじゃないのかMIX CDというほどミックスのダイナミズムや構成の妙を楽しむほど作りこまれていないのでホント単なるRemix集だった。

決して悪くはないのだけど、すごく聴き込む感じやたれ流しに大活躍って感じでもなくまあ可も無く不可も無くって感じかな。

とはいえ自分の知らないキラーチューンに出会えるのがコンピやミックスものの良さでもあり、M-8のSaigenji"Choro"のRemixがメチャクチャ良かった!Saigenjiなんてガチなブラジル系のSSWだし(日本人だけどね)、ショーロってタイトル通りガット一本系のガチなショーロなんだろうが、これを踊れるこみ上げ系の切ないブレイクビーツに仕上げていて、これ4つじゃなくて8ビートにしたら哀愁ギターループ系HIP HOPトラックじゃんって感じ。思わず原曲も掘っちゃいました。

M001 : Aqui tomoca & Oshibuchi Teisuke
(LAVA’s Back To Our Roots Remix)
M002 : Fascinio Gladston Galliza
(LAVA’s Deeply In Love With Brazil Remix)
M003 : 50 Ways To Leave Your Lover Platinum Pied Pipers
M004 : My Oh My Brigette
M005 : Itshintsh’ Ikhona Amampondo
M006 : Just Give Me Time Carola & Heikki Sarmanto Trio
M007 : Defect2 : Curiosidade Tom Ze
(John Mcentire Remix)
M008 : Choro Saigenji
(LAVA's Jazz Samba Session)
M009 : Bewitched Wanda Sa
(LAVA's Secret Backyard Remix)
M010 : Gosto Do Que E Bom Gerardo Frisina
M011 : Mas Que Nada Gregor Salto
(Gregor's Respect To The Master Mix)
M012 : Terra & Agua Electro Coco
(Buschemi's Smooth Bossamix)
M013 : Diciembre LAVA feat. Gema
(Source Of Love Version)


Afro Temple Percussive