+ NDD DISC REVIEW +

ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

Walter Strerath / "Fly To Brazil"

2004年10月30日 | JAZZ/FUSION
Walter Strerath / "Fly To Brazil"
(JAZZ)
評価:★★★☆☆

澤野工房発のヴァルター・シュトラートのボッサ・ピアノ・トリオが残したジャーマンボッサジャズ名盤。別テイク4曲を追加収録してのCD化。

いわゆるボッサジャズと言ってもゲッツ・ジルベルト的なのりでは無くどちらかというとSABA/MPSあたりにも通ずる正当なヨーロピアンジャズ。“コン・アルマ”“枯葉”などスタンダードものもやってるし上質な高級サロンジャズといったとこでしょうか。

中でもタイトル曲のM-9 "Fly To Brazil"が素晴らしいです。流麗なピアノの調べがどこか悲しげでとても美しい曲です。CDのみ収録の別テイクも良。

DJユースなクラブジャズやカフェ系のボッサとはまた違う大人向けのド渋な作品。これはわりと聴きこみそうな予感です。

■AIRTO MOREIRA / "IM FINE HOW ARE YOU WARNER"

2004年10月30日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
AIRTO MOREIRA / "IM FINE HOW ARE YOU WARNER"
(BRAZILIAN/MPB)
評価:★★★☆☆

最近再発もされた77年、WARNER MUSICに残されたアイアート・モレイラのブラジリアン AOR~フュージョンの名盤を。グレヒ大須店にてオリジナル盤でディグ。

ベースメント・ジャックスをはじめサンプリングされまくりのキャッチーな永遠のブラジリアン・サンバ・クラシック"CELEBRATION SUITE"収録の人気盤ですが、全体的には王道の70'sブラジリアンフュージョン中心の内容。

フローラ・プリムが流麗なスキャットを聴かせるB-1"THE ROAD IS HARD"など佳曲もあるのですが、やはり「セレブレーション・スウィート」の印象が強すぎ。しかしこの曲キラーメロのラーラーラー・ラ~のお祭りコーラス部分こんな短かったんだ。

でもAIRTO MOREIRAはやっぱポップ路線より初期の方が断然音楽性高いです。

Im Fine How Are You [12 inch Analog]
Airto Moreira
Warner Bros UK (2010-03-23)
売り上げランキング: 578133


■Caetano Veloso & Gal Costa / "Domingo"

2004年10月27日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
ドミンゴ

Caetano Veloso & Gal Costa / "Domingo"
(BOSSA NOVA/BRAZILIAN)
評価:★★★★★

カエターノといえば誰もがトロピカリズモというキーワードを連想するのが普通ですが今作はそんなカエターノがガル・コスタと共に制作した1967年に残した彼の唯一のボサノヴァのアルバムにして奇跡的な作品。

最初から最後まで夢のような幸福感を与えてくれる素晴らしい作品。トロピカリズモに傾倒していく前夜のボサノヴァに別れを告げるかのようなカエターノの憂いを含んだ切ない歌声に負けない存在感のガル・コスタの歌に思わず夢み心地です。

個人的にはジルベルトの歴史的名盤"三月の水"に並ぶボサノヴァ史上最高傑作だと思います。しかし若干25歳にしてこんな作品を残したカエターノ・ヴェローゾってやっぱ天才かも!誰かも言ってましたがボサノヴァでも宇宙にいけるんですよ。

ドミンゴ (紙ジャケット仕様)

■AGUSTIN PEREYEA LUCENA / SAME

2004年10月27日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
AGUSTIN PEREYEA LUCENA / SAME
(LATIN/BOSSA NOVA)
評価:★★★☆☆

アルゼンチンのバーデンパウエルという売り文句に加えラテンレアグルーブ超名盤を残すcandeiasのギタリストとあっては買うしかないと即買いしたアルゼンチンボッサな一枚。

1970年のデビュー盤ということもありほとんどカバー曲で構成されたまとまった内容。
まだまだバーデンパウエルほどの独自性は無いものの女性ボーカルのスキャットがアルバム全体にソフトな味わいを加えていてのんびり家で聴くにはいいかも。

特に秀逸なのがラスト、名曲「berimbau」のカバー。バーデンパウエルのそれとはまた違ったアコースティックで柔らかなアレンジとブレイクのギターソロの奏でが泣けます。
この曲のカバーってわりとガチンコ系が多いけどこいうアレンジは良いですね。

Agustin Pereyra Lucena

CHAKA KHAN / "I Feel For You"

2004年10月27日 | SOUL / FUNK
CHAKA KHAN / "I Feel For You"
(SOUL)
評価:★★★☆☆

数年前からゴミレコの代表的な盤として堀り師たちもいつで買える感が強すぎて意外に持ってない人も多いチャカの84年にリリースされたソロ5作目。

カニエ・ウエストが例の大ヒットシングルでサンプリング(ってかほとんどカヴァー)したことで微妙に値上がりしてんのかなと思いきやゴミレコはゴミレコなのか当然の3ケタ価格で購入。(約タバコ2箱分くらいの価格。)

ネタ曲の"スルーザファイアー"以外は基本的にダメ80'sディスコが中心でかなり痛いですが、カニエと聴き比べつつ聴くとおもろい。実は結構面白い抜き方してんなとかわかります。そもそも45回転にする発想が日本人には真似できない考え方だけれども。

しかしチャカって高いレコードほんとに無いよなー。EW&Fとかもエサ箱行きが多いけど。まあネタ曲収録ってことでこの盤高めに売ってるレコ屋があったらそれはそれである意味品位を疑うけど。

でもルーファス時代を含めこの人ミディアムソウルのいい曲いっぱいあるのでもっと評価されてもいいんだけどね。