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ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

■ジョアン・ジルベルト / "声とギター"

2015年01月03日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
ジョアン 声とギター
ジョアン 声とギター
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ジョアン・ジルベルト
ユニバーサル ミュージック クラシック (2003-09-03)
売り上げランキング: 79,096

ジョアン・ジルベルト / "声とギター"
(BRAZIL/BOSSA NOVA)
評価:★★★★★

全然新譜でも何でも無いのですが、2014年に一番心に染みたというか一番良いと思ったのはジョアンのこの作品だったりします。

タイトルそのまんまな歌とギターだけで構成されているシンプルすぎる作品ですが、ジャケのデザインもまさに作品をメタファとして表現していて、iPodや車中のカーステとかで聴いてもこの作品の良さは1/10くらいしか感じ取れないと思う。

もしボサノヴァを耳障りの良いイージーリスニングとかカフェでかかってる程度の軽い音楽と思っているなら、この作品を良質な音響で一度聴いてみてほしいです。シンプルが故にジョアンの凄さが改めて分かるはず。

とはいえ、作品自体はいたって聴きやすいし、ボッサのスタンダードも収録されているので入門編としても最適です。

ジョアン 声とギター

■Wayne Shorter Milton Nascimento / "Native Dancer"

2014年12月30日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
Native Dancer
Native Dancer
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Wayne Shorter Milton Nascimento Sbme Special Mkts. (2008-03-01)売り上げランキング: 9,782

Wayne Shorter Milton Nascimento / "Native Dancer"
(JAZZ/BRAZIL/MINAS)
評価:★★★★☆

ウェイン・ショーターというと当然JAZZのサックス奏者というイメージだと思うし、まさしくそうなんですが、この盤はミナスの雄ミルトンナシメントを全面的にフューチャーしこれぞJAZZミーツBRAZILなジャジーブラジリアンフュージョンの傑作。

M-1"Ponta De Areia"はまさにその典型で極上のミナスサウンドでミルトン色が色濃く出ています。ボッサともまた異なるあのミナスサウンド独特のこみあげ感とチルアウト感とミルトンのボーカルにジャズの要素が加わっていて珠玉。

全編通じて美しいブラジリアンフュージョンの佳曲が多く、まさにサマーブリージン。中でも白眉はM-6"From The Lonely Afternoons"。レアグルーブ、クラブジャズ的な方面からも人気でその手のコンピなんかにも収録されていますね。流麗なピアノの調べにウェイン・ショーターのタイトでしびれるサックスプレイが乗っかりミルトンのスキャット的なボーカルも素晴らしく3分ちょいの短い曲ですが完璧です。CDもアナログ盤もわりと安値で手に入ると思うので、ミナスサウンドが好きな方はぜひという一枚。

Native Dancer

こちらで全曲視聴可能

Wayne Shorter - Native Dancer [Full Album]

■Egberto Gismonti / "Arvore"

2013年10月06日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA

Arvore
Arvore
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Egberto Gismonti エグベルトジスモンチ

売り上げランキング: 238,171

Egberto Gismonti / "Arvore"
評価:★★★★☆
(BRAZIL/JAZZ)

通称「Arvore」73年策の傑作。広義で言えばブラジル音楽だしCD屋の棚だと「ワールド」とかに入れられてしまうんだろうけど、ジスモンチ先生の音楽の深遠さはひとつのジャンルには収めようが無いなーとこの盤を聴いて改めて感じた。

ブラジル音楽をバックグラウンドにジャズやクラシック、映画のサントラのような荘厳なインストゥルメンタル、様々な要素が繊細に融合した美しいアルバム。ECM盤ではないけれどアートワーク含め通じるものがあります。

中でもオーケストレイションで演奏されるM-6「ADAGIO」の美しさと流麗さは筆舌に尽くしがたい。異国情緒溢れ、聴く人の心象風景を思い起こさせるようなロマンチックな4分50秒。

Arvore

■Guillermo Rizzotto / "Solo guitarra "

2013年08月11日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
Solo guitarra
Solo guitarra
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Guillermo Rizzotto Rip Curl Recordings (2012-05-16)売り上げランキング: 40,482

Guillermo Rizzotto / "Solo guitarra "(LATIN/GUITER SOLO)
評価:★★★★☆

アルゼンチン出身のギタリストでバルセロナ在住のギジェルモ・リソットの1st。アルゼンチンの伝統音楽フォルクローレをアップデートしつつ、クラシカルではあるのだが、古典の様式美に陥ってはいない超絶に渋いギターソロ。ブラジルのショーロに近いかも。

ジャケットのアートワークがそのまま音楽性を視覚化していると言えるシンプルで美しい飾りの無い音楽。同じアルゼンチンということでカルロスアギーレの流れを汲む要素もあるが、アギーレよりももっと求道的というか良い意味で枯れた音。この若さでなんでこのような音楽に行き着いているかも興味深い。

ギターソロなのでリズム隊も無いし、音数も最小限なんで本当に地味なんですが、アグスティン・ペレイラルセーナやパウリーニョノゲイラとかに心が惹かれる方にはぜひオススメしたい、大人のための本当に味わい深い一枚。

Solo guitarra

■Various Artists / "bar buenos aires Viento, Luz, Agua"

2013年04月01日 | BRAZIL/LATIN/BOSSA
bar buenos aires – Viento, Luz, Agua
Various Artists Inpartmaint (2012-11-24)売り上げランキング: 32,574


Various Artists / "bar buenos aires Viento, Luz, Agua"
(BRAZIL/JAZZ/WORLD)
評価:★★★★☆

決して世界的に有名ではなくても美しく繊細で豊かな音楽をコンパイルするバーブエノスアイレスシリーズ。この盤は「風、光、水」がコンセプト。

昨年観た名古屋公演も忘れがたい、アルゼンチンの音楽家カルロス・アギーレがジャケ写を撮影。国境にとらわれず選び抜かれた至高の楽曲たち。国境は様々でもブラジル音楽や南米の音楽が持つあの独特の豊潤さはどの曲にもあって。

ピアノ、ギター、バンドネオン、パーカス。決して派手さは無いけど、本当に音楽って豊かで色彩に溢れているんだなと感じさせてくれる多幸感溢れるコンピ。

なかでも出色の出来はラストを飾る、録りおろしのカルロス・アギーレ&キケ・シネシ
のデュオによる"Andando"が素晴らしすぎて泣く。ほろりとピアノの旋律から始まり、キケシネシのギターと流麗なアギーレ氏のピアノによる切なくも、少し失踪感のあるメロディが込み上げすぎる名曲。後半の技巧的なギターソロにピアノが絡み光に向かっていく展開は鳥肌。

bar buenos aires – Viento, Luz, Agua


Carlos Aguirre y Quique Sinesi - "Andando" para APOA en el Moyano - Taller de Poesía