+ NDD DISC REVIEW +

ndd a.k.a NO-DOUBTによるレビュー。音楽中心に徒然と。微力でもアーチストや表現者への還元に繋がれば。

■V・A / "Studio One Lovers"

2009年08月30日 | REGGAE/DUB/SKA
Studio One Lovers

V・A / "Studio One Lovers"
(REGGAE/LOVERS ROCK)
評価:★★★★☆

男気系のリイシューやかなり筋の通った名コンピを多数排出するSOUL JAZZ RECORDSが送る名門レゲエレーベルSTUDIO ONEから選りすぐりのLOVERS ROCKを集めた夏の終わりに相応しいナイスコンピ。

STUDIO ONEというともう少し男臭い感じを思い浮かべますが、そこは数々の名アーチスト、名盤を送り出してきたレーベルだけあって懐が深すぎ。Alton Ellis、Bob Marley and The Wailersなどレゲエ門外漢の自分でも知っているような大物以外にも、もの凄くスイートでハニーなラヴァーズがコンパイルされてるわ。

コンパイラーのセンスの良さがものすげーなってぐらいいい曲ばっかなんだけど、70s SOULのカヴァーM-3 Myrna Hague"Touch Me Baby"やフィッスマンズ的な気持ち良さがファン多しなCarlton and His ShoesのM-13あたりは秀逸なんだけど、最後の曲のDoreen SchaeferBOZ SCAGGSのAOR超名曲"we're all alone"のカヴァー曲が最高すぎ。込み上げつつもラブリーなアレンジが半端ない気持ち良さったら!んでもって女性Voってのがいいんだわ。

EGO-WRAPPINの初期名曲"A LOVE SONG"的な音が好きな人にはドンピシャでしょう!(ツタヤとかで腐ったOLが借りそうな)日本の国内盤で出ているハイプな企画モノとは同じジャンルであれ志という点で完全に別物なんですが聴きやすさって意味では別にハーコーなレゲエリスナーじゃなくても全然OKデス。

Studio One Lovers

■V・A / "MELLOW MADNESS"(DJ BOBO JAMES a.k.a D.L)

2009年08月20日 | HIP-HOP/BREAK BEATS
MELLOW MADNESS

V・A / "MELLOW MADNESS" compiled by DJ BOBO JAMES a.k.a D.L
(JAPANESE HIP-HOP)
評価:★★★☆☆

DJ BOBO JAMES a.k.a D.Lことブッダブランドのデヴ・ラージがコンパイルした日本語ラップのサマーアンセム集。タイトルは勿論COOL & THE GANGの超名曲から引用しているんでしょうね。

日本語ラップ黄金期セレクションズと銘打っているだけあって、いわゆる「さんピン世代」の自分的には青春なメンツ。あくまでもUSの本家と同等のHIP HOPを志向しながらも、正面から日本語でラップをするという行為に向き合い、ライミングするブッダ、YOU THE ROCK、TWIGY、RINO、ECD達日本語ラップのオールドスクーラーはマジでカッコ良かった!!思わず当時にレイドバックします。

ふと10代の子とか20代前半の子とかとは完全にHIP HOPの定義が違うんだろうなとか思ったり、どっちが良いかではなく、単純に俺は必死こいてレコ屋でネタをディグってMPCとかSPのロースペックな環境でループ組んでたあの時代のあの音達が好きなんだよ!

内容はJoe Thomas / coco使いの極上メロウHIP HOP傑作「ブッダの休日」から始まり、(セルアウト以前の)YOUちゃんの名曲「FREE」、スチャの初期名曲としても名高いボビーハッチャーソン使いのアブストチューンが渋すぎの「サマージャム」などクラシック満載。個人的にはキックの「イツナロウバ」が入ってたら言うこと無かったかな。

01.ブッダの休日 / Buddha Brand
02.Free / You The Rock feat. Twigy
03.白日(Album Version) / Rip Slyme Produced by Pes
04.サマージャム'95 / スチャダラパー Produced by スチャダラパー
05.Supa M.C's Pt.2 (L.W. Pt.3) / Hell Raiser Cartel feat. Twinkle,IQ∞, Johnny Diablo
06.Summer Madness / ECD
07.自己嫌悪 / キミドリ
08.君だけの天使 / Soul Scream Produced by Mummy-D
09.真ッ黒ニナル迄 / Muro
10.哀愁97 / Kaminari-Kazoku. feat. Hi-D
11.Orange / Primer
12.V.S.O.P Part II / Mellow Yellow
13.Do The Handsome / キエるマキュウfeat. Kashi Da Handsome
14.Fukuro(Yakanhikou) / You The Rock
15.Stone Stealers / Suiken×S-Word feat. D.L.
16.夜行列車 / Twigy feat. P.H.FRON

MELLOW MADNESS

OTONOTANI 2009 出演者第3弾!降神、Harp On Mouth sextet 他

2009年08月10日 | TOPICS
岐阜で開催され基本的には毎回参加してる秘境系フェスOTONOTANI。今年はShingo2、group_inou、ウリチパン郡などいつもとチョイと違う人選。

ホント主催の両名には継続と発展という点でリスペクトだね~。今年もOTONOTANI IT部長として陰ながら後方支援させてもらいます!

去年見逃した旅団も今年も来るし、今年は2デイズしっかり参戦予定。去年名h子供が発熱したりと、なぜか毎年トラブルが発生するので体調しっかり管理しよう。

http://www.otonotani.com/news/2009/08/post_7.html

9/21(mon)
・The HNK Experience

9/22(tue)
・AFRO PSYCHEDELIA
[MySpace] http://www.myspace.com/afropsychedelia

・TempleATS(降神+ATS artists)
[Official Web] http://www.templeats.com/

・THE HAND(Rachael Dadd&Wig Smith)
[MySpace] http://www.myspace.com/thehandand

・のうしんとう
[Official Web] http://www.busaichedelic.org/nohshintoh/
[MySpace] http://www.myspace.com/nohshintoh

・Harp On Mouth sextet
[Official Web] http://harponmouthsextet.blog44.fc2.com/
[MySpace] http://www.myspace.com/harponmouthsextet

・miaou
[Official Web] http://www.miaoumusic.com/
[MySpace] http://www.myspace.com/miaoumusic

【雑誌】『b*p』8号 レッツ、村上春樹

2009年08月08日 | BOOK/MAGAZINE


「1Q84」が異常なほど売れていて、昔からの村上春樹ファンからすると逆に謎な展開。これを機に過去の作品も売れてるようです。村上春樹の小説自体はモノによっては難解なものもあり、あまりポピュラリティのある作風ではないだけになんなんでしょうね?

「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」というエルサレム賞での知に富んだ素晴らしいスピーチの影響でしょうか。

村上春樹エルサレム賞スピーチ全文

今まで見向きもしなかった人が本当に村上春樹の小説を好きになるのであればいいこっちゃと思うのですが、ブームになるってのが謎ですな。まあ世界的評価という点においても、もう一人の村上さんとは小説家としての格が違うのでその点は正統に評価されたってことかも。

(一応フォローしとくと、別にもう一人の村上さんが嫌いなわけでも何でもないですよ。企業の経営者やビジネス評論家や文化人相手の論客としてのメディア人としてはいい仕事してます。ただね、小説家として語るべきことは何でしょうか?日本経済を憂うことや、不況下のリーマンを鼓舞することですか?上昇志向なリーマンのカリスマになること?)

脱線しましたが、映画「ノルウェイの森」で直子役を演じる菊地凛子が表紙。僕のイメージでは直子って物凄い美人なんだけど性の匂いがまったくしなくて、死と常に近くにいるようなイメージなので、なんとなく違和感ありますが。

この雑誌、いわゆる春樹読本的な内容ではなく、良い意味で「軽い」ので春樹ワールドに触れるには良い入門書なのかなという感じ。

JAZZ喫茶で働いている時に(JAZZマニアとしても有名)、暇つぶしで神宮球場で野球観てたら、「小説書こう!」と閃いて書いた小説がデビュー作の「風の歌を聴け」ってエピソードとかトリビアもあり。台湾にある「海辺のカフカ」ってブックカフェが超素敵!やっぱ作中のアノ図書館から由来してるのかしら?

b * p (ビーピー) 8 2009年 09月号 [雑誌]


■超個人的 春樹ベスト3

BEST 01.「国境の南、太陽の西」
春樹流恋愛小説の頂点。人生には決して取り戻せないものがある。

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
村上 春樹 講談社 売り上げランキング: 2004



BEST 02.「羊をめぐる冒険」
「鼠」と「僕」の3部作の完結編。終末をくぐり抜け、旅から戻ってくる感じの終わり方が好き。

羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫)
村上 春樹 講談社 売り上げランキング: 718


BEST 03.「ノルウェイの森」
ベタですがはじめて読んだのがコレなんで思い入れありますね。計3回くらいは読み返してるでしょうか。多感な世代にこそ読んでほしいある意味青春小説。

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
村上 春樹 講談社 売り上げランキング: 135



■RON SEXSMITH / SAME

2009年08月06日 | ROCK/POPS
RON SEXSMITH

RON SEXSMITH / SAME
(SSW/POPS)
評価:★★★★☆

最近あまりSSWものとか聴いてなかったのですが、久々にじんわりくるやつを。今さらこの人の説明をする必要もない現代を代表するシンガーソングライターの記念すべき傑作1st。

顔はアレですが、その歌声やいぶし銀のギターなど随所に、キャロルキングなど古き良き音楽の香りが漂っています。ぶっちゃけ派手さはいっさい無いですし、ジェシー・ハリスのような華もありません。が、聴くほどに馴染む、まるで職人が作った鍋とか椅子みたい。

聴くたびにこの曲いいなーとか思うのも、どこか聴き手にゆだねる部分があるからなのかもしれません。弾き語りではないですが、楽器のセットもベーシックな編成で地に足の着いたフォーキーでまろやかな作品。

元々この作品も郵便配達員をしながら作ったというのもなんかストンと落ちてくる感じだわ。鬼才ミッチェル・フルームのプロデュースったあたりもミソ。

RON SEXSMITH