K・グリムウッドという作家の作品に『リプレイ』というのがある。何十年か小説を読んでいるが、ベスト一〇ぐらいに入るほどの、うなるような物語である。
もっと若い頃思ったことがあることは、「人生をやり直すことができたら」という素朴で幼稚な夢想だ。およそ人生というものは、選択の連続である。数え切れない選択が、その人をそこの場所まで進めてきたのである。
誰しも、人生で、あの時ああせずに別の選択をしていたら、どうなっていただろうといことがあると思う。この『リプレイ』という小説はその題名のとおり、まさしくそのことを主題にしたストーリーなのである。アイデアというか、設定自体は「もし人生をやり直すことが出来たら」というSF的な発想から生まれたものである。しかし、このテーマを語っていくと、人生とはなにか、人間の生きる価値とは、目的とは、というような、真正面の人生論に行き着かざるを得ないのである。
故にこの本は、恐ろしく人生について考えさせる物語である。内容は読んでのお楽しみなので書かないが、すばらしい小説であることは間違いない。手にとって損はしないと思うので、ぜひ興味のある方は読んでみて欲しい。
ところで、私自身の人生を振り返ると、大きな転機というのがいくつかある。自分の選択の転機もあるが、環境の変化という転機もある。
最初の転機は、小学校五年生。二番目、中学一年生、次、中学三年生、高校一年生、大学一年生、二三歳、二五歳、二八歳、二九歳、三六歳、四〇歳、おっとこれ以上いうと年齢がばれてしまう。内容は言わない(もったいないので)。想像にお任せする。
しかしこう見ると、やはり、十代、二十代のころはそういう転機がたくさんあったのである。ひとつひとつその転機に違う選択や違う行動をしていたらどうなったかを想像してみるのも興味深くていい。例えば、私の場合、中学一年生での選択で部活のことがあった。その部活に入っていなければ、現在の私の人生はずいぶん変わったものになっていたことが自分ではわかる。
住んでいる場所や、職業も、もちろん違っていたことが想像できる。家族も。
時間があれば、自分のそんな人生の選択についていろいろ考えてみても面白いかもしれない。選ばなかったことを、あれこれ考えるなど、前向きではないと感じるかもしれないが、自分の今立っている座標を確認するという意味で参考になるかもしれない。そして自分はどこに行こうとしているのか、も。
離れたが、『リプレイ』、おすすめである。
もっと若い頃思ったことがあることは、「人生をやり直すことができたら」という素朴で幼稚な夢想だ。およそ人生というものは、選択の連続である。数え切れない選択が、その人をそこの場所まで進めてきたのである。
誰しも、人生で、あの時ああせずに別の選択をしていたら、どうなっていただろうといことがあると思う。この『リプレイ』という小説はその題名のとおり、まさしくそのことを主題にしたストーリーなのである。アイデアというか、設定自体は「もし人生をやり直すことが出来たら」というSF的な発想から生まれたものである。しかし、このテーマを語っていくと、人生とはなにか、人間の生きる価値とは、目的とは、というような、真正面の人生論に行き着かざるを得ないのである。
故にこの本は、恐ろしく人生について考えさせる物語である。内容は読んでのお楽しみなので書かないが、すばらしい小説であることは間違いない。手にとって損はしないと思うので、ぜひ興味のある方は読んでみて欲しい。
ところで、私自身の人生を振り返ると、大きな転機というのがいくつかある。自分の選択の転機もあるが、環境の変化という転機もある。
最初の転機は、小学校五年生。二番目、中学一年生、次、中学三年生、高校一年生、大学一年生、二三歳、二五歳、二八歳、二九歳、三六歳、四〇歳、おっとこれ以上いうと年齢がばれてしまう。内容は言わない(もったいないので)。想像にお任せする。
しかしこう見ると、やはり、十代、二十代のころはそういう転機がたくさんあったのである。ひとつひとつその転機に違う選択や違う行動をしていたらどうなったかを想像してみるのも興味深くていい。例えば、私の場合、中学一年生での選択で部活のことがあった。その部活に入っていなければ、現在の私の人生はずいぶん変わったものになっていたことが自分ではわかる。
住んでいる場所や、職業も、もちろん違っていたことが想像できる。家族も。
時間があれば、自分のそんな人生の選択についていろいろ考えてみても面白いかもしれない。選ばなかったことを、あれこれ考えるなど、前向きではないと感じるかもしれないが、自分の今立っている座標を確認するという意味で参考になるかもしれない。そして自分はどこに行こうとしているのか、も。
離れたが、『リプレイ』、おすすめである。