なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

今年もササユリ・オトメユリ~わち山野草の森2023/5末(3)

2023-06-12 05:23:44 | 植物

さてさて今回わち山野草の森にいそいそ出かけた一番の目的・・・
それはタイトルにもある、ササユリを見ること。
・・・ということで今年も出会えました!


少し先走りました。
いつものようにつづら折れの園路をせっせと登り、ササユリの咲く丘(山?)に向かいます。
木漏れ日が気持ちいいです。


ササユリの前に、もう遅いやろうな~と思いながら、オトメユリの咲く一角を覗くと・・・
なんと一輪でしたが咲いていました。


オトメユリ(ユリ科ユリ属)は別名ヒメサユリとも言い、日本固有種。
しかも、宮城県南部と、新潟・福島・山形の県境付近の山にしか自生しないそうです。
そんな貴重な種とは知りませんでした・・・
先日行った六甲高山植物園では自生地の色に近い濃い目のピンクでしたが、ここのオトメユリはほとんど白。


他のユリに比べて花のサイズが少し小さく、花弁の先がわずかに丸みを帯びているように見えます。
そんなところがいかにも乙女らしさを感じるのかも。

いや~よかった!
でもこの辺に目的のササユリも咲いているはずなのに、見当たりません。
あ、あったと思ったら、全身何かのツルが巻き付いてる~
あっちのは枯れかけ・・・

ということでもう一つのポイントに向かうこととしました。
その前に・・・


え?ベニバナヤマシャクヤク?
そうなんです。
こちらわち山野草の森では、ヤマシャクヤク(ボタン科ボタン属)も見られるんですよね~
先日ご紹介した場所ほどには数がなく、見たのはたったの1輪でしたが、色は鮮やかでしたね。
そして、白も!


こちらの方が一般的なのですが、最近ベニバナの咲く場所にばかり行ってるのでなんだか新鮮。
遠目にも素敵~


飾り気のないすっきりした立ち姿がいいですね。
女子にもてる女子高生みたい。・・・ってどんな例えや。

下を見るとタツナミソウがいくつも咲いていました。
今が旬なのでしょうね。
こちらも上の方の葉が大きいのでオカタツナミソウ(シソ科タツナミソウ属)?
全く自信なし。


もう一つ寄り道。
この時期咲いてるはず・・・早春にイワウチワが咲いていた場所に向かう側道に入ります。
あれ、早かったか・・・


このとてもちびっこいマラカスのような二個一の蕾は・・・
あ、咲いていました!


そう、ツルアリドオシ(アカネ科ツルアリドオシ属)の花です~
よく見るとあちこちにツルが這っていますが、花はまだわずかです。
花弁の端がほんのりピンクを帯びた花も・・・
花全体にふんわりと毛が生えていますね。


去年の実がまだ残っていました。
何度か書いたように、二つの花で一つの実がなります。
2個開いた穴が元々花が咲いていた場所。


元の道に戻って奥の方に向かいます。
そして・・・ついにササユリに出会いました!
まだ少し早かったようですが、十分です~


ササユリも日本固有種。
先ほどのオトメユリと違い中部地方以西に分布するため、東の方の方は意外とご存じありません。
私が若い頃は、近場の山でもいっぱい咲いていて、全然珍しい花ではありませんでした。
それがいつごろからか、「貴重な花」に・・・


その理由は「鹿の食害」
またあいつらか~!!
数が増えすぎる一方、開発等により住む場所は狭くなり、食べ物が不足。
あたりかまわず食べちゃった結果、ササユリは激減。今は保護される存在になってしまいました・・・
というのも、ユリの仲間はみなそうですが、実生の場合発芽に2年、花が咲くまで7年もかかるそうです。
シカにとっては、根(百合根)も葉も美味しくて貴重な栄養源でしょうから、全部食べつくし・・・
そりゃ減るわけです。



とはいえ、元々気候に合った花なので、細々ですが咲いています。
ユリの仲間はどれも花が大きくて見栄えがしますが、ササユリはほんのりピンクを帯びた花が優し気。
派手な洋ユリもいいですが、私はこちらの方が好きです。
咲き始めの花。


ササユリの由来は、葉が笹に似ているから。
この場所では、本物のササに交じって斜面で咲いています。


最初にご紹介したオトメユリとの違いは蕊の色。
お気づきでしょうが、オトメユリは黄色、ササユリは赤です。
こちらの花は受粉完了ですね。


ということで、沢山のササユリが見られて満足~
本当はもっともっと沢山咲くそうです。
6月2週目あたり満開だったようですが、雨でどうなったでしょうか・・

さて、明日はその他の草本の花たちです。
お楽しみに!

【撮影:2023/5末 わち山野草の森】


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはよ (チー子)
2023-06-12 06:46:56
ツルアリドオシ 可愛い花 2個で1個の実が
何時もながら勉強になります

本物のササに交じって斜面で咲いているササユリ
貴重な画像(人''▽`)ありがとう☆
返信する
おはようございます^^ (attsu1)
2023-06-12 07:47:18
オトメユリは、日本固有種。
宮城県南部と、新潟・福島・山形の県境付近の山にしか自生しない(@_@)
こういう話を聞くと興味津々の私、
そして、オトメユリ、ササユリを見たら、ドキドキしそうです^^;

と言いつつ、ふつうにテッポウユリたちが咲く時期になりました。
ユリたちも持っている時計が同じなのに、
感心したりもしています。

それでも台風が発生し、梅雨らしい季節になりました。
被害がない程度に雨が降ると良いのですが
返信する
長い年月かけて (ダリアクミコ)
2023-06-12 09:50:02
なつみかんさん
お早う御座います!

木漏れ日が清々しい道を歩く中オトメユリ
初々しくそしてササユリは貴婦人のよう
まさに森の妖精ですね。そんな森を歩く
なつみかんさん気持ちよさそう~
咲くのに
7年ですか?球根を食べる鹿が憎い
日本国有の和を感じほっとします。
歩く姿は百合にのはな和を感じほっとします。
返信する
おはようございます (さざんか)
2023-06-12 09:53:06
お目当てのササユリに出会えて良かったですね。
ほんのりピンクの花が美しいですね。
中部地方以西で咲くのでは、見たことが無いです。
シカの食害ですか。
鹿威し(!)みたいなものは出来ないのでしょうかね。
勿論竹で出来たあの音がするものではなくて。
ヤマシャクヤクもベニバナヤマシャクヤクも、立ち姿が綺麗です。
今回は和の雰囲気の花が多かったですね。
楽しませて頂きました。
返信する
こんにちは (shu)
2023-06-12 11:33:03
ササユリは日本海側の山では珍しくありません。
でも場所によってはシカやイノシシの食害で数が減っているようですね。
北陸では福井県までシカが来ていて食害が出ています。石川県にも入ってくるのが間近だと言われています。
あるいはもう入ってきているかもしれませんね。

一方、ヒメサユリの方は仰る通り東北地方の一部に限定される植物です。
昨年はヒメサユリを観るために飯豊山へ出かけてきました。何も飯豊山まで行かなくても見られますが、他の高山植物も素晴しい山です。

ベニバナヤマシャクヤクを再びご覧になったのですね。
何とも幸運なことでしょう。私はまだ一度も出会っていません。
普通のヤマシャクヤクでも出会うと感激します。
もしベニバナヤマシャクヤクに出会えたら、どんなにか嬉しいことでしょう。

ツルアリドオシはずいぶん以前になつみかんさんから名前を教わりました。
その後たくさんの山で見かけています。
淡いピンク色を呈した花もあるのですね。知りませんでした。
返信する
ユリの花が咲く季節 (ninbu)
2023-06-12 18:01:21
なつみかんさん、こんにちは。
今年もユリの花が咲く季節になりましたね。ユリは私の大好きな花の一つなんです。
日本の原種ユリたちも可憐で美しいですが、私が一番好きなのはカサブランカです。
あの優美な花姿がなんともたまりません。(^.^)

ヤマシャクヤク、飾り気のないすっきりした立ち姿がいい事は分かりますが、「女
子にもてる女子高生みたい」の理由がよくわかりません。私の年齢になると、女子
高生と会話をする機会がないので想像できません。(笑)

やはり森林浴をしながら、咲いているユリの花を見るなつみかんさんの爽やかさが
写真から伝わってきます。とても有意義な山野草の森の散策を楽しまれましたね。
明日はその他の草本の花たちということで、私の知らない花がいっぱい登場するの
を覚悟して待っています。(^.^)
返信する
オトメユリ? (ran1005)
2023-06-12 18:07:07
ササユリは良く知って居ますが・・・
オトメユリは見た事が在りません。
ほんのりとピンクがさして何と美しい!
確かに花弁の先が、丸みを帯びていて優し気ですネ。
何とヤマシャクヤクが?
私は庭でもう10年近くもヤマシャクヤクを育てていますが
ほんのりピンクがかった、こんなに妖艶で美人のヤマシャクヤクを見た事が在りません。
大体シロバナの方は4月下旬から連休頃には咲き終わり、
現在は種が3方に飛び出ています。
ツルアリドオシの花も花弁がピンクがさしていて美しい事!
ササユリを見せて頂く前の感動が大きすぎました。
でも、勿論、ササユリも美しいです。
ササユリも鹿害で、山野では保護されている場所以外に見られなくなったと聞いてい居ます。
貴重なササユリが拝見出来て、良い事が在りそうですヨ!
返信する
飾らない花 (なつみかん)
2023-06-12 21:39:09
チー子さん、こんばんは。
ツルアリドオシの花はいつもニコイチで咲いていますが、まさか二個で一つの実がなるとはつい最近まで知りませんでした。
なので、「いつも一つ実が落ちてしまうんだな~」と・・・
面白い植物がありますね。

ササユリはユリの仲間にしては、清楚で比較的飾り気のない花です。
淡いピンクが可愛いです^^
返信する
そこに向かう (なつみかん)
2023-06-12 21:43:15
attsu1さん、こんばんは。
限られた自生地だからこそ、皆さん可憐な花が自然に咲いている光景を見たくて頑張って行かれるのですね。
shuさんしかり、さちさんしかり・・・
私は先日六甲高山植物園でも見ましたし、わち山野草の森でも残り花を見ることができてラッキーでした。
蕊が黄色いのがいいですね。

一方、テッポウユリを見ることが減り、見かけるユリはみなタカサゴユリになりました。
増えすぎてちょっと嫌がる向きもありますが、純粋に花は綺麗ですよね。
いずれにしても、ユリは綺麗です^^

毎日じめじめ、雨が降ったりやんだりの日が続いています。
週末の雨だったら、近くの青少年科学センターで牧野富太郎展をやっているそうですので、行ってみようと思います^^
返信する
森の中に・・・ (なつみかん)
2023-06-12 21:46:14
ダリアクミコさん、こんばんは。
記事にも書きましたが、昔は本当にその辺の山や森にササユリが普通に咲いていました。
しばらく外に出かけないうちに、貴重な植物になってしまい、驚きました。
そんな昔の光景に出会えるのがここわち山野草の森。
毎年この季節になるとそわそわして行ってしまいます。
来年はオトメユリがもっと咲いている時期に行ってみたいです。

ユリの仲間はシカが好きみたいですね。
私のよく行くやんたんでも、昔はヤマユリが沢山咲いていたそうですが、シカのせいで全くなくなってしまったと地元の方がおっしゃっていました。
半面、シカの嫌いな植物はどんどん増えるみたいです。
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