母は自分が居る居間より一番よく見える場所にいつも花を植え、竹で編んだ台の上には自分で作った亀とかえるを飾っています。
この場所も道路にかかります。
夏帰省した時は青い柿の実で柿渋を作り、10月には毎年渋抜きした柿を送ってくれていた西条柿の木も道路にかかります。
切り倒す時はお酒をあげると母は言っていました。
父が建てた私が帰る家も道路にかかります。
家業は盆栽商で日の当たる広い場所が必要です。
道路にかかるという話は13年前よりありました。
土地の残り方では家業をこの場所で続ける事も出来なくなります。
紆余曲折があり何とか家業を続けられる土地は残りましたが13年間という長い間どうなるか分からないで暮らすストレスを抱え田舎の家族はすごしました。
このストレスはなくなったものの今度は半分近くなった土地でどんな方法で家業を続けていくか、家族が納得いく家をどう作っていくか違う苦労が始まります。
家にある車は私が田舎に住んでいた30年前、一台でしたが今は4台です。
単純に考えれば新しい道路は必要ですが帰省するたび新しい道路が出来街の形態は変わってしまいました。
今は年二回帰省するだけですが車社会になり将来住み良い田舎になっているかには不安があります。
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