あさのあつこ『十二の嘘と十二の真実』

この作品「怖いけれど哀しい、おぞましいけれど面白い」という紹介文が

ついていたのだが、まさにその通りって感じ!!


中世の王国の物語と現代の恐怖譚が交互に語られていきます。

読み始めてタイトルの意味が分かります。

王妃に仕える侍女ツルと、現代の１人暮らしの老婆の謎とは…。


さて感想。


も～。怖いよーーーーーーーん!!!!(涙)

ダークな世界ですが、面白くて一気読み。

ただ、やっぱりエグいしグロいし残酷なんだけど。

そしてじんわり染み入る恐怖がたまらな～い。

王妃に献身的に尽くす侍女ツルとは…。


あさのあつこさんや小川洋子さんはやっぱりすごいわ。

和食も洋食も中華も何を作らせても完璧みたいな…。

↑例えがイマイチですみません(汗)


話題作に比べ、哀しすぎる愛の結末を描いた「崖の上」はあっさりしてたかも。

とても面白い作品なのですが、私の好みでないので★★★(内容的には★★★★)


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五十嵐貴久『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』

『1985年の奇跡』『2005年のロケットボーイズ』につづく、青春3部作の最終作。


舞台となるのは、大震災やサリン事件があった1995年(平成7年)

主人公は井口美恵子は44歳の主婦。

今まで順風満帆な幸せな人生…ところが最近どうもおかしい。

夫とは会話もなく、中学浪人の息子は何を考えているか分からない。

そんな時、バツ2で波乱万丈な人生を送る幼なじみ、友坂かおりがこう言った。

「ねーねー、バンド、やらない?」


さて感想。


読み始めは優等生の主人公のもんきり口調にひっかかりつつも、さくさく

読めるかな。中盤まではまあまあといったところ。

ところが、コトが動き始めると俄然面白くなってきます。

笑ってホロリとされられる爽やかな作品で、面白かったです。

さすが五十嵐さんだ!!　うまい!!


12年前が舞台なので、その頃を懐かしく読みました。

小室ファミリーとか『愛しているといってくれ』とかあったよね～。

その頃ってスピッツもミスチルもいたんだ。

音楽ってその時代にタイムスリップさせてくれるな～。


タイトルをはじめ、各章が「ディープ・パープル」というグループの曲名

になっています。

出版元の双葉社さんに言いたい。無理とは分かっていますがCDつけて～(笑)

現在56歳の人のお話なので、洋楽がいかんせん古くて分からないのだ。

でもコレを読んだら絶対聴きたくなるしね～。

オーバーフォーティーの女たち…さてどうなる?!

元気をくれる作品ですよん。★★★★


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大庭史榔『「朝２分」ダイエット』

たった「朝２分」で、体のラインが整い、体質がよくなり、健康に美しくやせる！

しかも、しっかり食べて飲んでもスタイルキープ！頭が冴えて、仕事がはかどる

なんといっても気持ちがいい！「確実な効果」が大反響のダイエット法を初公開


ちなみに正式なタイトル名はコレ↓

朝「2分」ダイエット　
体重8キロ減!ウエスト10cm減、続々! 簡単!気持ちいい!キレイにやせる!

う～。めちゃ長くないか(笑)

王様文庫から出てました。雑誌に紹介が載ってた気が…。

「恐るべし食欲の秋」…というわけで、560円という価格のせいもあり

またもや性懲りもせずこういう系の本を買ってしまったのだ。はは。


まだ読んでないんですけど、読んでちょっとやってみます。

どうやら呼吸法にヒミツがあるらしい。

効果は後日UP予定。ご期待下さい。


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『DSでテレビが見れる』

こんなん出るそうです。

発売日は11月20日だそうで。

こりゃ…予約せなあかんな(笑)


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秋ドラマ&ちょこっと新刊情報♪

はぁ～疲れた。今日は出張先から帰宅したので、更新ちょっと早めです。

あっ…という間に10月も終わりそうですね。早い～♪

秋ドラマは続々スタートし、いろいろ見てみましたが、結局続けて見る

のは『ガリレオ』『スワンの馬鹿!』かな。

日本のドラマより韓国ドラマの方が面白いので、今のところそっちが

メインになるかと。


さて、本の方ですが、発売中で気になるのが、

荻原浩『さよなら、そしてこんにちは』海堂尊『夢見る黄金地球儀』

五十嵐貴久『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』など。

海堂さんのはミステリフロンティアだったので図書館で予約(笑)

五十嵐さんのは奮発して買っちゃいました～。週末読もうっと。


まもなく発売になるので注目は山本幸久『渋谷に里帰り』と

近藤史恵『タルト・タタンの夢』かな。


その後は東野圭吾『ダイイング・アイ(仮)』をはじめ

伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』、三浦しをん『仏果を得ず』

小路幸也『カレンダーボーイ』と『HEARTBLUE』など話題作が続々発売予定!!


まぁその他にも気になる作品がいろいろあって…。

図書館は予約冊数が決まっているので、どれを予約するか目下検討中。

うぁ～どうしょう。悩むわぁ(笑)


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畠中恵『つくもがみ貸します』

お江戸の片隅、姉のお紅と弟の清次が切り盛りする小さな「出雲屋」。

鍋、釜、布団、何でも貸し出す出雲屋だが、何にはちょっと妙な品も

混じっているようで…。

そう、出雲屋には付喪神がいっぱいいるのです。なぜなら…。


さて感想。


中盤までは、まぁまぁかな～って感じでしたが、進むにしたがって

面白くなってきたかも。さくさく読めます。


ある日、出雲屋に奇妙な依頼が舞い込んでくるのですが。


妖(あやかし)たちである付喪神が、好き勝手にしゃべっていて

その声は姉弟には聞こえています。

が…『しゃばけ』と違い、人間様の疑問や質問は一切無視。

それが規則(ルール)だそうで…(笑)

２人は付喪神たちの話をヒントに解決…って感じです。


畠中さんだけあって面白いんだけど、もうちょっとホロリとしたかったかな～と。

ラストもえらいあっさりしてたし。ちょっと惜しい作品かもです。★★★


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映画『ヘアスプレー』

人種差別が残る60年代のボルチモアが舞台。

主人公はおしゃれとダンス命の女子高生トレーシー。

彼女の夢は人気テレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」のダンサーに

なること。ある日番組のオーディションが開催されると知ったトレーシーは…。


さて感想。


映画で突然歌い出すと「何?何?!」と鳥肌がたったりするものですが

この作品はとっても楽しめました♪

映画を見るというより、ミュージカルを見ている感覚かと。


トレーシーが丸々してるんですけど、もぅ笑顔がとってもキュート!!

トラボルタが母親役なのですが、かなり頑張ってました。でも…ごっついよ(笑)


見ているうちに、身体が動いちゃいますよ～。

ベテラン脇役たちが出ていたのも良かったのかも。

60年代を再現したレトロなファッションが可愛いです。


最初っから最後までほとんど歌とダンスなので、ストーリーは二の次のはず

なのですが、テーマは人種差別とけっこう重い。


ただ…ずーーーーーっと歌とダンスなので、正直ちょっと長いし疲れた。

116分の作品なのですが、あと26分くらい短いと「あん。もぅ～終わって残念」

となっただろうに。とは言え面白かったし何より元気がもらえる作品かも。

家で見るのと大きなスクリーンで見るのは全然違うので、ミュージカルの

好きな方は是非!!　　★★★★(ミュージカルとしては★5つ)


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垣根涼介『借金取りの王子』

男も女も働くのは大変なこと!!　タダではお給料はくれないし。

しかも今の時代、仕事が出来ないという理由だけで、リストラされる

のではないのだから…。


前作『君たちに明日はない』は垣根さんの初読み作品で面白かった。

今回はその続編です。


主人公はリストラ請負人の村上真介34歳。

派遣の川田美代子も健在です。

前作にひきつづき恋人となった陽子も登場します。


さて感想。


続編ってコケることが多い中、かなり良かったのでは。

なかなか面白かったです。

リストラをテーマにしているにもかかわらず、ラストの爽やかさには

アッパレかも。後味すっきり爽快だ!!(笑)


リストラする側とされる側の視点で物語は描かれていきます。

それぞれ入社してから今までの人生を垣間見れるのも読んでいて面白い。


デパートは女の園。実は恐ろしい人間関係「二億円の女」…をはじめ

生保、金融、ホテルなどが舞台。

各業界の裏側が分かりますよ～。


この本に出てくる男性たち(主人公も含む)はなんて魅力的なんだろ。

惚れるわ～(笑)


さまざまな駆け引き。


ピカ一なのは表題作である「借金取りの王子」かな。

いつも本音を吐露しない冷静な村上が感情移入してしまった相手とは…。

ベタですが、大好き。泣くで～(笑)　この作品は心温まるハートフル

ストーリーなので、是非味わってみて下さい。★★★★

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坂木司『ホテルジューシー』

大家族の長女に生まれた柿生浩美(ヒロちゃん)は有能な働きモノ。

この夏那覇にある「ホテルジューシー」でアルバイトすることになるのだが。


『シンデレラ・ティース』の可愛いタイプの咲子ちゃんに比べ、デカイ浩美

ちゃんはイメージ的には南海キャンディーズのしずちゃん??


さて感想。


評判いいので書きにくいな～。でも書いちゃおっと。

最初の3章ほど読んで、全然のれなくて(ヒロちゃん　おせっかいすぎ??)

ところが数日おいて読み始めると…ん、んん。思ったほど悪くないかも。

ただ…なんか足りん～。何だろ～。

うどんを食べてて、なんか物足りんな～と思って食べ終え、そういえば

七味入れるん忘れた。とろろ昆布と天かすも入ってなかったよ～みたいな…。


…庶民的な表現力でスミマセン(汗)


主人公の浩美は大学2年生というのに、なぜかオバサンっぽい。

ピリピリしてるし。

登場人物があんまり印象に残らんかったかも。キャラがイマイチなんかな。

あと無理してミステリにせんでもええやん…と思ってしまった。

と…辛口三昧ですが、中盤以降はさくさく読めました。

沖縄フードが安くて、めちゃ美味しそう!!

沖縄に行きたくなっちゃいます。

あの宅急便や咲子ちゃんもちょこっと登場。

リンクって読んでてうれしいね♪


というわけで12月発売の『先生と僕』では、愛すべきキャラを是非!!★★★


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こやま ゆかり『1/2の林檎』

たまには漫画の話なんぞ…。


タケウチ製薬の受付のひかるは26歳。同僚は美人の奈津子。

ひかるは高校時代のバレー部の先輩である新堂と再会する。

新堂の同期のぶっきらぼうな天野。

重なり合った4人の歯車が今ゆっくりと動き出す。


OLの仕事って今も昔も変わらないんだね。


これドラマにするとかなり面白いと思うんだけどな。

新堂と人のいいひかるがうまくいって欲しいのだが

見え隠れする策略。1巻は波乱の予感のまま終わっている。


くぅ～。つい誘惑に負けて最新刊(8巻)を読んだらえらいことになってた。

全巻読もうと思ってます。ちなみに9巻は12月発売予定だそうです。


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あさのあつこ『夜叉桜』

生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも不自由なのかと

思うことがございます。


『弥勒の月』の続編です。


あの事件から半年、江戸の町で女郎の喉をひっさばき殺す事件が

次々とおこる。同心・信次郎はその被害者が挿していた簪が、元暗殺者

清之介が商う小間物問屋で売られていたことを知るのだが…。


さて感想。


う～。まあまあ面白いかな。あさのあつこさんだけあって、ぐいぐい

読ませるところも多いのですが、やはり前作の方が良かったかも。


ひねくれものの同心・信次郎はもちろん、小間物問屋「遠野屋」の主人

清之介や初老の岡っ引きの伊佐治も登場します。


べっとりへばりつく血。

この作品を読んでいると、血の臭いがしてきます。


女郎という生き方しか、できなかった女たち。

過去を背負って生き抜く清之介。


弥勒と夜叉。


前作を読んでいなくても、前作のお話がところどころ出てきます。

腕一本で生きる職人たち。前作同様、今日をただ懸命に生きる市井の

人々がうまく描かれていました。


失って分かるものとは…。


ラストは暗闇から少し光が射し込んできました。あぁ良かった。

ただ全般的に、とても悲しいお話でした。

中盤がちょっとダルかったので、厳しめの★★★(前半とラスト★★★★)


これ..続編できるでしょうね。てか3人の今後を是非読みたい!!

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今野敏『花水木 東京湾臨海署安積班』

「花水木」「入梅」「薔薇の色」「月齢」「聖夜」


吉川英治文学新人賞を受賞した『隠蔽捜査』が気になってるのだが

新刊に追われいまだ読めずにいる。

と…いうわけで今野さん初読みでした。


さて感想。


さくさく読める。まぁまぁかな～。

事件はどうってことないです。傷害や暴行やコンビニ強盗など。

もちろんトリックもないし。心理描写がメイン。

たまになら楽しめる作品かも。


東京湾臨海署(マスコミからはベイエリア分署とよばれている)強行犯係が舞台。

ここは本庁所属の交通機動隊と高速道路交通警察隊分駐所とが同居する

所轄署である。


安積班の部下たちは次のとおり。

頭脳明晰の須田。何かと頼りにしてしまう村雨。冷静な黒木。一番若い桜井。


そしてやたらと話にからんでくるのは交通機動隊の小隊長の速水。

この速水が安積班より目立ってるのもどうよ(笑)

速水って名前の人ってカッコイイ人が描かれることが多いのは気のせいかしらん。


刑事たちのアフターファイブをとりあげた「薔薇の色」

新橋近くのカウンターだけの小さなバー。

一輪挿しにはいつも赤い薔薇があるのだが、今日の薔薇の色は黄色

だったのは何故??


他の作品では、○○○に登る男とか○男を見たとかクリスマスイブに

○○○○を見たとか、一風変わったお話が多いかも。


深い刑事モノを読みたい人には物足りないかもです。★★★

ただかなりシリーズが出ているので、登場人物に思い入れがあればまた

違ってくるような…。


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こなみかなた『チーズスィートホーム』4

いよいよペット可のお家に引越した山田さん家。

チーのパニックや妄想ぐあいも面白～い(笑)

素敵な家族なんだよね～。

うるうるのツボもおさえていて、猫好きにはたまらない癒し本でないかと…。

本当にチーにはずっと子猫のままでいて欲しいです。


で久々にDSのソフト買ってみた。

「ラブキャットライフ」

うちはマンションなんで猫好きだけど猫は買えないのだ。

猫を飼うゲームなんだけど、この猫があんまり可愛くない(苦笑)

あまりかまってあげないからか、「にゃーにゃー」うるさいし。

とにかく手間がかかるのだ。

これでも私はけっこう忙しいのよん!!

あ～失敗したかも(笑)


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ドラマ『バラ色の人生』

『私の名前はキム・サムスン』が無事終了。と…いうわけで次はこれだ!!

すごいっす。不倫のオンパレード。ドロ沼だ。でも、けっこう面白いのだ。


結婚して10年の主人公の主婦スニ。内職をし、家族たちの面倒を見て一生懸命。

夫や家族のために身を粉にして頑張るスニ。それなのにこの夫ときたら…。


浮気をして家庭を顧みない夫、口うるさい姑、甥の面倒を見させる小姑、酒浸り

の荒んだ暮らしを送る父…などなどまわりはとんでもない奴ばかり。

最初の方はスニが可哀想すぎて、見ているとだんだんむかついてきます。

このスニに王子様でも現れるのかと思いきや、全然そうではないらしい(笑)


「これのどこがバラ色の人生やねん!!」とつっこみたくなりますが

後半は号泣するらしいです。


脚本が素晴らしく、クオリティが高い気がします。

日本のドラマもこのクラスを作って欲しいわ。


たまにはドロドロの人間ドラマ...BEEさんいかが??(笑)


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小川洋子『夜明けの縁をさ迷う人々』

「 曲芸と野球　教授宅の留守番　イービーのかなわぬ望み　お探しの物件　

涙売り　パラソルチョコレート　ラ・ヴェール嬢　銀山の狩猟小屋 　再試合 」


さて感想。


もうブラックでビターで、おまけに怖いのよん!!(涙)

会話の中に、登場人物が「ゾーっ」とする一言を発するんですわ。はは。

でも怖いもの見たさというか、のめりこんで読んでしまいました。

ミステリアスな世界の数々。


印象に残ったのは、エレベータの中で産まれた男「イービーのかなわぬ望み」

涙を売る女と、関節を鳴らす人体楽団の男の悲しすぎる結末「涙売り」

なんともいえない物語が多く、短編なのですが、正直お腹いっぱいです(苦笑)


しかし「ラ・ヴェール嬢」のような淫靡な世界は、やっぱり好きになれんのだ。

今回の作品、たまになら楽しめるかも。ホントごくたまにでいいです。

小川さんの実力はよく分かるんだけど、好みでないので　★★★


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