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瀬尾まいこ『戸村飯店青春100連発』

2008-04-26 | 瀬尾まいこ
カテゴリーもある私の大好きな作家、瀬尾まいこの新刊。


さて感想。


久しく読まんで忘れとったけど、瀬尾まいこはやっぱりええわ。

セリフはうまいし、各章のラストが、とにかくええねん。

今までと違い、今回はコテコテの大阪弁なのもうれしい。


ヘラヘラしてて要領のいいイケメンの兄のヘイスケと、

明朗活発で短気な弟のコウスケ。


描かれるのは、兄弟愛や家族愛。

それにしても、下町ってええな~。


兄の東京生活と弟の高校生活が描かれていて、一粒で二度美味しいし。

東京との違い分かるわぁ。

「そや、そのとおりや…」みたいなところあるし。


吉本新喜劇のとこは、かなり笑える。

近くにいる時は分からんけど、遠くにいって分かるってことあるもんな。

優しさが伝わる作品やね。

今後この兄弟がどうなるんか、読んでみたいな~。★★★★


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瀬尾まいこ「図書館の神様」

2006-10-03 | 瀬尾まいこ
赴任した高校で、驚いたことに私は文芸部の顧問になった。部員は垣内君ただ

一人。文芸部を通して主人公が向き合ったこととは...。


やっぱり好きです!! 彼女の作品。


名前のように清く正しくまっすぐな青春を送ってきた主人公の早川清。

しかし、正しさは時に人を傷つけてしまうんだね。


ほんわか人生と思いきや、高校時代に突然訪れた出来事。


テーマは不倫や死なのに、当然ドロドロもせず、暗くもならず、さらっと

読めちゃいます。

とにかく生徒と先生の「会話」がいいんです。

「言葉って大事だな」って瀬尾さんの本を読んでいるとつくづく思うな。


ラストも素敵!!!

これを読むとあなたは川端康成や夏目漱石、特に山本周五郎の「さぶ」を読み

たくなります。(ちなみに彼女の卒論のテーマは「さぶ」だそうです)

現在 教師の瀬尾さん この本を読むかぎり彼女は教師を辞めないだろうな。

                            5点中3.7点
そうそう...

生徒に文章を書かせて提出させるシーンにこんなセリフがあった。

「自分の中のものを表に出す作業はきっと気持ちがいいのだ」

なんとなく分かる。私の拙いブログも記事を書き始めて4ヶ月が過ぎた。

たぶん気持ちがいいからだと思う。このブログを通じていろんな人との

出会いもあった。これも何かのご縁なんだろうな。

今 読んでくれているあなた! ありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


瀬尾まいこ「卵の緒」

2006-09-22 | 瀬尾まいこ
金曜はハッピーフライデー。まずコレで1週間の疲れを癒す。(ハックにも売ってるよん)

そして本やDVDに囲まれ時を過ごすのだ。


今日は瀬尾まいこさんのデビュー作「卵の緒」。第7回坊ちゃん文学大賞受賞作。

「卵の緒」「7'blood」の2編が収録されている。


私は「7'blood」は今までの瀬尾作品の中で一番好きだな。

高校生の七子と父の愛人の子供で小学生の七生。二人の共同生活が描かれる。

内容をだけ見るとドロドロしていてもおかしくないのに、当然のことながら

全くそんなことはない。


彼女の作品は縁側でひなたぼっこをしてポカポカしている中で、うとうと

してしまう...そんな感覚に似ている。


そしてこみあげてくるものが必ずある。

スバラシイ作家だと思う。


  セリフがいい。

  ラストも好き。

  母の愛。

  血の繋がり。


いろんなことを感じて考えさせられる。

文章が心地よく心にしみいる。

人の幸せまでも願ってしまう不思議な感覚。

とにかく読んでみてっ。5点中4.0点

PS あとがきを読んで瀬尾さんが家族にこだわる意味が分かったな。

瀬尾まいこ「温室デイズ」

2006-09-01 | 瀬尾まいこ
教室に神飛行機が飛びはじめる。始まりの合図だ。もうすぐ崩れだす。(中略)

この温室のどこかに、出口はあるのだろうか。


小学校の時いじめにあう優子。彼女は転校する。中学校の時には、みちるが

いじめにあう。彼女はいじめられ続けても学校に通い続ける。

で...どうなるのか。学校は変わるのか。気になって一気に読んじゃいました。


学校崩壊で教師も生徒も大変だな。


私たちの時代でもまだ教師は立派だと親たちは思っていた。でも今は違う。親が

教師をなめきっている。だから子供もそう思うのだ。少し子供に何かあると教育

委員会へ電話する。これじゃ先生も病気になってしまうわな。とはいえ、ロクでも

ない教師がいるのも事実なんだけど...。


この物語のテーマはいじめ。とはいえ、今も昔もいじめはあったが、年々悪質化

するのは気のせいか。それに登場人物にもいるヤクザの子やパシリにされる子も

いた。ただ...今の子供は落ちていくと止まらない。

今までの「ほんわか癒し系」の作風でないのは、瀬尾さん自身が訴えたいことや

叫びが物語になっているからかもしれない。

瀬尾さんは近年念願の教師になられた。本当に教師という仕事が好きでなければ、

9年も講師を続けられなかったろうな。

でも最後は「えっ...これで終わり」って感じだ。もう少し読みたかった。

「努力は人を裏切らない」って言葉が印象に残ったな。5点中3.3点

瀬尾まいこ「天国はまだ遠く」

2006-08-12 | 瀬尾まいこ
誰も私を知らない遠い場所へ そして、そこで終わりにする。...はずだった

けど、たどり着いた山奥の民宿で自分の中で何かが変わった。(本ラベルより)



日本の自殺者は3万人。単純に365日で割ると1日82人ほど。分かっている

だけで毎日これだけの人が自ら命をたっているという悲しい事実。



この本の主人公も死に場所を求めて旅に出る。

そして旅先で彼女が見つけた答えとは...。


瀬尾まいこさんの本はホント「いい人」だけが登場する。

人を恨んだり妬んだり、人を陥れたり、人を殺したり、そういう人は

出てこない。それに劇的な出来事がおこるわけでもない。


すごくない...それで小説が良いなんてっ。

そういう本を書いている人って、瀬尾さん以外 私は知らない。

民宿の主人 田村さんや村の人達との出会い、自然とのふれあいを

通じて彼女の中で何かが変わってくる。

主人公に「負けんなよー」「頑張れー」と応援したくなる。

関西出身のワタシとしては関西弁なのもウレシイ。

ラストは何だか、すがすがしい気持ちになるな。

                  5点中3.7点

瀬尾まいこ「優しい音楽」

2006-07-26 | 瀬尾まいこ
6/4の日記にもある「強運の持ち主」を読んで以来 瀬尾まいこワールド

にかなりはまっている。文章一つ一つ確かめるように味わいたい...そう

思わせる作家だ。6/26の日記にある「幸福の食卓」は新春公開だ。

私の好きな勉学君が勝地涼君らしい。イメージどおりでニンマリだ。ただ

父と母は羽場裕一と石田ゆり子なのかな。だとしたらちょっと若すぎないか?


さて「優しい音楽」には3つのお話が入っている。私は「幸福の食卓」の

方が好きだけど、これも良かった。話としてはありえなーいと思うが、

これを書けるのはきっと発想力が豊かなんだろうし、もしかしたらある

かもと思わせてしまうのもスゴイ。日頃気づかないことを気づかせて

くれる癒し系小説と私はよんでいる。


ぐぐっときまっせ!

淡々としているが、温かく物語がかわいい。

来年には瀬尾まいこブームが今にもましてやってくるぞ...きっと。

                      5点中3.6点

瀬尾まいこ「幸福な食卓」

2006-06-26 | 瀬尾まいこ
「強運の持ち主」(6/6の日記)で初めて瀬尾まいこさんを知った。
心地よい文体で、またこの作者の本が読みたいと思った。

「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」(小説冒頭)

自殺未遂をした父、家を出て一人で暮らす母、農業をしながらフラレ続ける兄
そして梅雨に悩む主人公。独特な文体で静かに語られる日常。

主人公の学生生活がリアルなのは作者が中学校の先生だからかなぁ。
家族、そして皆の中にある心の傷、やがてやってくるクリスマス・イブ。

最終章の手紙のシーンには涙腺崩壊。吉川英治文学新人賞受賞作。
オススメの一冊。←何の知識もなく読んで下さい。下手に内容とか
読むと感動が半減します。5点中3.9点

瀬尾まいこ「強運の持ち主」文芸春秋

2006-06-04 | 瀬尾まいこ
本屋さんにはたぁくさんの本がある。その中で「これは」と思うのはプンプン匂うのだ。このにおいを頼りに私は本を選ぶ。今日は「強運の持ち主」装画かなり可愛いです。

ルイーズ吉田こと吉田幸子はショッピングセンターの奥のスペースで一人で占いをしている。一回三千円。いいかげんだが直感を信じる彼女の元に客は絶えない。8歳の少年や占いが当たらないと何度もやって来る女子高生。そのうち弟子まで現れる。そして彼女が直面する真実とは...。

私的にかなりオススメ。あっという間に読めちゃいます。ほっと心があたたかくなる作品。ホント小さな幸せってたくさんあるんですよね。自分だけ不幸だと思ってたり、愚痴や泣き言を言っているあなた...案外近くに幸せが転がっていたりするもの。

そういう人に読んでもらいたい作品です。  5点中3.8点