待ち合わせは本屋さんで

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宮部みゆき『おそろし 三島屋変調百物語事始』

2008-09-18 | 宮部みゆき
心を閉ざした17歳のおちかは、預けられた先の叔父夫婦から

「変わり百物語」を、人々から聞くよう言い付けられる。


さて感想。


さすが、宮部さん。一気に読ませますね。うまいです。

人々の息づかいまで、伝わってきそう。


今回は人の持つ心の醜さ、心の闇に迫ります。

3話目の『邪恋』で、早くもおちかの過去が明らかになるのですが…。


実はこの後から、あまりのめりこめなかったんです。

決して面白くないわけではないんですが。


おちかが過去と向き合い、成長していく姿は良かったです。


人は時に、とてつもない不幸に見まわれることがあるけれど

その過去からは決して逃げられないし、それでも生きていかなくては

いけない。辛い過去と向き合うことも必要なんですね。★★★☆


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宮部みゆき『楽園』下

2007-09-12 | 宮部みゆき
最初ぼんやりして見えなかったものが、次第にはっきり目の前に現れる。

登場人物の多さは半端ではないが、1人1人の描写が実に丁寧で素晴らしい。


さて感想。


ね…眠い。下巻はホント一気読み。おかげで仕事中一時意識不明(笑)

さすが、宮部さん。やっぱりうまいね。ツボをおさえているし、面白かった。


土井崎茜は、なぜこのように育ったのか。

第三の眼。

そしてたどり着いた場所とは。


フリーライターの滋子が、あの事件から9年を経て、駆け引きの出来る

かっこええ女に成長してました。

読んでいくうちに、タイトルの意味が分かってきます。


最愛の息子を亡くし、思い出と生きる母。この人が、ええ人やねん。

ほんま幸せにならなあかんと強く思ってしまう。

ラストのちょっとしたプレゼントも粋で良かったな。


しかしamazonの評価は厳しいねぇ。合う合わないがあるのかしらん。★★★★★


余談①

私はラストシーンが特に良かった作品は、コピーしたり、メモしたりして

ディズニーの缶に入れて残しています。『明日の記憶』とか『幸福ロケット』

などいろいろあるのですが…最近では『青い鳥』ですね。

この作品のラストも、もちろん保存しま~す。


余談②

『模倣犯』を読んでいた当時、本から迫りくる恐怖におびえ、会社帰りの道

すがら、犯人は実在していて狙われるのでは…(決してそんなことはないのだが、

小心者ゆえ)という錯覚をおこすほど、話にのめりこんで読んでいました。

それほど宮部さんの作品はリアルなんですよね。

私は、宮部作品では『火車』が一番好きで、名作だと思っていてますが、

なかなかその作品を超えるのは難しいのでは…と思っていたのですが…。

いつかそれを超える作品をこの作家は書いてしまうんだろうな~と

感じましたね。

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宮部みゆき『楽園』上

2007-09-10 | 宮部みゆき
待ちに待った宮部作品。ちなみに、この作品は新聞小説。


さて感想。


いゃ~。予想通り、やっぱり面白いわ。

読みやすくて、さくさく読めますが『模倣犯』をもう一度読んでおくん

だったと激しく後悔。

読んでいなくても、全然大丈夫なんですが、読んでいるとなお面白さが

ますと思います。


昔の事件を乗り越えられずにいる、フリーライターの前畑滋子。

思うようにいかない人生と折り合いをつけながら生きてきた9年間。

そんな彼女のもとに、不思議な調査依頼が舞い込みます。


母の愛にうるうるさせられるよ~。

事件にまつわる人々、さまざまな登場人物。そしてその人生。


彼女は調べ始めるのですが、まるで自分がフリーライターで取材している

かの錯覚さえ感じました。


過去の謎。

上巻のラストは鳥肌さえたちました。


はっきり言うと上巻は進むような、進まぬような展開なのですが、

おそらく下巻にむけての伏線がはりめぐらされているのでは…と。

『誰か』『名もなき毒』があまりにも好みでなかったので、

この作品はうれしいな。★★★★


さっそく下巻を読み始めていますが、もうページをめくる手がとまらない!!


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宮部みゆき「名もなき毒」

2006-09-20 | 宮部みゆき
最近 理解不能な人が大勢いる。だから考えられない残虐な事件が起こるのかも

しれない。思い通りいかないことの方が多いのが人生なのに...。


今多コンツェルンの娘婿の杉村が主人公のこの作品。どこかで読んでことが

あると思ったら「誰か」の続編だった。


財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こしたアルバイト女性の

身上調査のため、私立探偵の北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続

無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。


このアルバイト女 病気でっせ!!!


無差別殺人により理由なく殺される人々。まぁまぁ面白いし、読みやすいが

パンチがない気がするのは、あまりにも都合のいい人(よくしゃべってくれる人)

やそういう展開が多いし、主人公に感情移入できないからか。

とはいえ宮部さん 人間の描き方がうまいっす。


目に見える人間の「悪意」=毒 

目には見えないが潜む毒 


どちらも怖いね。


そして...ラストに向けて事件は起こる。でもこのキレイな終わり方は

なんだかなぁ。続編意識してる??

点数は宮部作品にしてはちょっと厳しめの 5点中3.1点

宮部みゆき「蒲生邸事件」

2006-08-11 | 宮部みゆき
1994年から58年前の1936年にタイムスリップしてしまった孝史。

蒲生大将は殺されたのか?それとも自殺か?孝史の思い込みや先走りの性格に

イライラしながら、物語は展開していく。貴之、ふき、すえ、珠子や平田の

顔が目に浮かんでくる。今まで知らなかった二・二六事件。リアルさを出す

東京大空襲。終盤の写真館のシーンから手紙のシーンは


泣かせるぜっ。


蒲生憲之陸軍大将をはじめ全てがフィクションにもかかわらず、本当にその

時代にその人達がいた気にさせてくれる宮部ワールドには脱帽です。

ちなみに第18回日本SF大賞受賞作。


私はあまりSFは好きではないし、この本けっこう分厚いのよっ。

で...読むのをためらっていたのです。中盤ダルイところもあるのですが、

面白かった。やっぱり宮部さんスゴイわっ。5点中4点

宮部みゆき「孤宿の人」

2006-07-09 | 宮部みゆき
宮部さんの時代物は少し苦手だったのですが...この作品は別。
「宮部ワールド」堪能いたしました。しかし登場人物かなり多い。

涸滝を舞台にしたこの作品。
正しいことをしても責任をとって腹を切らねばならない時代。
すぐそばにある生と死の中で人々はただ懸命に生きている。

陰謀うずまく中、何が真で何が偽か分からなくなってくるのだ。

読んでいると小説の場面が目に浮かび目頭が熱くなる。

下巻からはドトールで号泣。←かなり恥ずかしい...。

なかなか良かったです。5点中4.2点