待ち合わせは本屋さんで

ようこそお越し下さり、ありがとうございます(^_^)

奥田英朗「マドンナ」

2006-07-27 | あ行の作家
読みたい本は山のように積んである。録画済み韓国ドラマもすごいこと
になっている。時間がたりない。しかも私の会社お盆休みないんですわ


さて..私は「恋」とは、はしかにかかるようなもの

    「結婚」とは、石につまづくようなもの...と思っている。


一生懸命なのにうまくいかない。上からは怒鳴られ、下からはつつかれ

中間管理職の課長さんたちは大変なのだ。


6/16の日記「イン・ザ・プール」「ガール」以来の奥田英朗の作品

「マドンナ」はこの本の短編集の中のひとつ。

ハーレクィーンさながらに妄想する中年男。


ここまでいくとちょっとすごいぞ....。


私は老人が孤独を受け入れる「パティオ」が一番好き。

もっと面白いかと思っていたので...まぁまぁでした。

                         5点中3点

瀬尾まいこ「優しい音楽」

2006-07-26 | 瀬尾まいこ
6/4の日記にもある「強運の持ち主」を読んで以来 瀬尾まいこワールド

にかなりはまっている。文章一つ一つ確かめるように味わいたい...そう

思わせる作家だ。6/26の日記にある「幸福の食卓」は新春公開だ。

私の好きな勉学君が勝地涼君らしい。イメージどおりでニンマリだ。ただ

父と母は羽場裕一と石田ゆり子なのかな。だとしたらちょっと若すぎないか?


さて「優しい音楽」には3つのお話が入っている。私は「幸福の食卓」の

方が好きだけど、これも良かった。話としてはありえなーいと思うが、

これを書けるのはきっと発想力が豊かなんだろうし、もしかしたらある

かもと思わせてしまうのもスゴイ。日頃気づかないことを気づかせて

くれる癒し系小説と私はよんでいる。


ぐぐっときまっせ!

淡々としているが、温かく物語がかわいい。

来年には瀬尾まいこブームが今にもましてやってくるぞ...きっと。

                      5点中3.6点

小川洋子「博士の愛した数式」

2006-07-25 | あ行の作家
映画DVD「博士の愛した数式」がもう発売されていた。

深津ちゃんファンとしては押さえておきたい作品だ。


思いおこせば...彼女のファンになったのは映画「(ハル)」

を見てからだ。とってもいい作品なので見てない人は見て下さいませ。

相手役の内野君(彼は来年大河ドラマの主役なんだね)や

戸田菜穂や宮沢君が出てます。今見ると皆とっても若いよー。


なんだか話がそれてしまった...。


さて...6/5の日記にも書いた小川洋子の「ミーナの行進」が

上半期私のNO1なので、彼女のこの作品も読んでみました。


80分の記憶しか残らない博士と家政婦とその息子の

心あたたまる日常を描いたストーリー。

もし自分が80分しか記憶できないとしたら...それは残酷で

とても悲しいこと。

事故以来つらい日々を送る博士が日に日に生き生きとして

くるのは読んでいてうれしくなる。

いろいろな出来事をえて、皆が成長し家族のようになっていく

のだが...。博士の80分の時計が狂いだして...。


ラストのシーンは目に浮かんできて...うるっときたぞ。


数式やプロ野球(江夏)もストーリーにマッチしています。

                    5点中3.8点

吉田修一「パレード」

2006-07-24 | や・ら・わ行の作家
時として自分の思いとは違う方向に物事がまわりはじめたりする。

人間はずるく弱い生き物だ。

都内の2LDKのマンションで男女4人が共同生活を送っている。

一人一人問題を抱えながら、心に傷を持ちながら。

そこに男娼のサトルという少年が加わって...。

第15回山本周五郎賞受賞作。

ブックオフにて100円で購入。

吉田修一氏の本は初めて読んだけど、独特の表現力だな..と思った。

さて本の感想はというと...

えーそうきまっか。

突然冷水浴びさせて怖いやん。

こんなに人に無関心でいられるのー。

ちょっとびっくりした展開でした。

                  5点中3点

横山秀夫「震度0」

2006-07-21 | や・ら・わ行の作家
謎の失踪を遂げた警務課長を巡って巻き起こる幹部たちの駆け引きを描く。
そして明かされた真実とは。

今だ記憶に残る阪神大震災。その頃関西に住んでいた私も突然の揺れに
目が覚めた。枕元にいる猫を抱き寄せ、その揺れに身をまかせた。その
猫ももうこの世にはいない。窓からのぞくと近所の部屋のあかりがつぎ
つぎとついた。これが隣の県であれほどの被害をみたらす地震とはその
時思わなかった。

「会社に行かなくては」と自転車に乗り走り出した。途中バリバリと
音がし、何の音かと思ったら古いビルの窓ガラスが割れ、地面に散乱
していたのを踏んだ音だと気づいた。怖かった。もちろん電車は動いて
いない。諦めて家に帰りテレビをつけると兵庫の状況が映し出された。
兵庫には会社の人がたくさん住んでいる。皆どうしているのだろう。
心配になった。実際被災した人達は1週間以上会社に来なかった。
いつもスーツ姿の部長が汚れたジーンズとポロシャツで帽子をかぶり、
リュックを背負って買出しにやってきたのを覚えている。たくさんの
人が亡くなった。地震の時に亡くならなくても、地震の時胸に梁が
落ちてきて入院し、しばらくして先輩の母親が亡くなった。いろんな
話を聞いた。涙がとまらなかった。実際の被災者の話には重みがある。

あれから10年以上たつ。この「震度0」はそのことを思い出させた。
元事件記者の横山氏らしく警察内部を鋭く描いている。その時の緊迫した
ムードが本から伝わってくるようだ。キャリア、ノンキャリア、皆自分の
保身のため駆けづりまわる。そして明かされる真実。登場人物が多く、
ちょっととまどうこともあるが、本当にあの地震の時こういうことが
おこっていたのではと思わせる作品だ。

                        5点中3.9点

新堂冬樹「銀行籠城」

2006-07-20 | さ行の作家
銀行に押し入り、冷酷非道なまでに次々と人質を射殺、奴隷化し完全に
服従させた犯人の五十嵐。金ではない彼の本当の目的とは...。

6/16紹介の「黒い太陽」以来の新堂冬樹。「ランチは何にしょう。ドリア
にしょうか。」などと考え読み始めた。しかし...
一気に食欲減退。。うぅ気持ち悪い。彼の作品って気持ち悪いのはトコトンくる。

皆さんもニュースでテレビにくぎづけになったことがあると思う。
「アメリカ同時多発テロ」「阪神大震災」「日航機墜落」しかし私が物心
ついて初めてくぎづけになったのは「三菱銀行北畠支店猟銃強盗殺人事件」
通称梅川事件である。

昭和54年に起こったこの事件。私は幼かったが、なんだかすごい事件が
おこったということ。犯人が4人も殺害していること。犯人が射殺された後
救出された行員たちがバスタオルをまいて警官にかかえられながら出てきた
こと。それがテレビで中継されているということ。全てが強烈だった。
原作者の新堂氏は大阪出身らしいし、当時13歳だからこの影響をうけたのだ
ろうと思う。

さて本の内容はというと...


その程度の動機かいっ

事件解決の方法はそれかいっ


つっこみどころ満載です。まぁブックオフで100円だったしね。

でも銀行内の緊迫したムードとか気持ち悪さはすごいです。
実際の梅川事件もたいがいすごいです。

                        5点中2.6点

北尾トロ「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」

2006-07-19 | か行の作家
私が定価で本を買うことは珍しい。「重力ピエロ」を買うつもりが
これを買ってしまった。文芸春秋文庫の新刊だ。

陪審員制度導入で日本の司法も転換期らしい。

以前ドラマ「弁護士のクズ」を見ていた。その中で古本屋の主人で
傍聴マニア(モト冬樹)がいたが、そういう人は実際いるのだ。
この本の原作者は、本業はオンライン古本屋の主人であるが、
裁判を傍聴する傍聴マニアでもある。

この本 ものすごくタブーなとこや無神経なとこもある。反感をかう
こともあるだろう。でも....知りたい、人の生き様を見てみたい、
人の不幸を見てみたい、そして最後には...「興味本位で何が悪い」
と開き直っているからかえって潔いのだ。

法廷内では個性のある人々に遭遇する。傍聴席の女子高生集団に張り切る
裁判官。傍聴席がヤクザだらけの裁判。罪名は 暴行、痴漢、覚せい剤、
買春、子殺し、ひき逃げ、殺人など。今まで犯罪を犯す人は遠い存在な
気がしていたが、作者の言うとおり、一歩道をはずすだけなのかも。

作者の心の声がツボをおさえていてかなり面白い。

私の超オススメは「阿修羅のヤス」

民事裁判に異論を唱える彼のシビレタ生き方は読んでいて大爆笑。
けっして電車の中で読んではいけません。まわりがひいていきます。
この「阿修羅のヤス」のところだけでも660円の価値アリ。

法廷での検事や弁護士のパフォーマンス。検事も弁護士もいい人
とは限らないんだね。どれに当たるかは運次第ってとこか。
裁判を受けている人に比べれば、私の人生なんてとても平凡だ。
おそるべし「事実は小説より奇なり」である。

ちなみに地方裁判所のHPを見てみた。やはりあるねー裁判ツアー。
一度参加してみたい。             
                         5点中3.7点

雫井脩介「犯人に告ぐ」

2006-07-18 | 雫井脩介
「犯人よ 今夜は震えて眠れ」


6年前の事件で左遷された刑事が、新たにおこった連続児童殺人事件に挑む。

犯人(バットマン)との対決に警察はテレビ局と手を組んだ。

犯人からの接触はあるのか。そして事件の行方は....。


横山秀夫のような警察内部をえぐる深みはない。

トリックもないし、犯人も「そうなのか」て感じ。


なのに...

なぜ 面白い!!

けっこうはまりました。

サポート役の津田や本田もいい味だしてます。

私は刑事の「小川かつお君」けっこう好きです。 5点中3.9点

黒野伸一「ア・ハッピーファミリー」

2006-07-12 | か行の作家
坂本家は母親からこずかいをもらうニートの父親をはじめ、
お母さん、お婆ちゃん、長女、次女、弟、そして主人公の
三女の七人家族。フツーの家族に見えるこの家庭。しかし
家族一人一人が問題を抱えていた。

第一回 きらら文学賞受賞作品だそうで...。

あまり期待せずに読みました。←タイトルからして

主人公は14歳の女の子 シュールなミキちゃん。でも原作者は50前の
おじさんだそうで...この感性スバラシイ...。

ミキちゃんの学校の友人たちも個性色々。
いじめや家庭内問題なんかもあって...。
この家族は乗り越えることができるのでしょうか。

意外な展開も楽しめるし、なかなか面白いですよー。
あっという間に読んでしまいました。5点中3.5点

宮部みゆき「孤宿の人」

2006-07-09 | 宮部みゆき
宮部さんの時代物は少し苦手だったのですが...この作品は別。
「宮部ワールド」堪能いたしました。しかし登場人物かなり多い。

涸滝を舞台にしたこの作品。
正しいことをしても責任をとって腹を切らねばならない時代。
すぐそばにある生と死の中で人々はただ懸命に生きている。

陰謀うずまく中、何が真で何が偽か分からなくなってくるのだ。

読んでいると小説の場面が目に浮かび目頭が熱くなる。

下巻からはドトールで号泣。←かなり恥ずかしい...。

なかなか良かったです。5点中4.2点