待ち合わせは本屋さんで

ようこそお越し下さり、ありがとうございます(^_^)

あさのあつこ「弥勒の月」

2006-11-30 | あ行の作家
少年少女ものばかりと思っていましたが、時代物もそつなくこなす。



おみそれしやしたぜい!!って感じです(笑)



いゃー面白かった。時代物を一気に読んだのは久しぶり。



ちょっと宮部みゆきっぽくもあるのです。




小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が見つかった。安寧の世に満た



されず、心に虚空を抱える若き同心・信次郎は、妻の亡骸を前にした遠野屋主人・



清之介の立ち振る舞いに違和感を覚える。―この男はただの商人ではない。闇の道



を惑いながら歩く男たちの葛藤が炙り出す真実とは。(Yahoo!ブックスより)




人の死を嘆く余裕さえなく、人々は日々懸命に生きていた、



非がなくとも武士は腹を切らねばならない...そんな時代が舞台です。




まっすぐな堅物の岡っ引の伊佐治と、人情なし切れ者同心の木暮信次郎。



彼らは溺死したおりんの調査をはじめるのだが...。




何・何・何・何ーーーっ。これ。面白いやん!!



得体の知れない何かにぞくりとします。




チョイ悪切れ者同心VS闇を歩いてきた若旦那



この二人にぐいぐいひきつけられます。



二人のやり取りがよく、情景が浮かぶのです。




父の死が影響しているとはいえ、同心の木暮がクセものの嫌な奴(笑)



皮肉屋だし、善人相手に挑発したり、退屈しのぎに獲物を狙うなんてのたまうし。



木暮についている親分の伊佐治は、父親のような目でことのなりゆきを見守り



ます。




先代に見込まれた遠野屋はいったい何者なのか?



そして事件がおこります。




おりんは幸せだったのか。



人は定めから逃れられないのか。



人は人を救うことができるのか。



とっても奥深いです。伏線も見事!ラストも良かった。



ぜひ...とオススメしたいです。5点中3.8点




ところが...この作品かなりの賛否両論みたいです(笑)合わない人は



全くダメらしい。気になる方はココをどうぞ。えー面白かったよん。



本当に本の感想は人それぞれですね(笑)


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秦建日子「推理小説」

2006-11-29 | は行の作家
無駄に美人。検挙率NO.1の刑事 雪平夏見。



42歳の会社員と17歳の高校生、大手出版社の編集者....全く面識のない人々が相次



いで惨殺された。事件現場に残されていた「アンフェアなのは、誰か」と書かれた



。そんな中。警察と主要出版社に『推理小説・上巻』という原稿が届くのだが。




以前作者らしい方からコメントをいただきました。ありがたいことです。



で....つい本買っちゃいましたよ(笑)



本の中の栞にまで「アンフェアなのは、誰か」と書かれていてちょっとびっくり。




テレビの「アンフェア」で言うと、途中までの展開が描かれていました。とは言え



テレビとはずいぶん設定が違っています。




被害者の最後に見た景色を見るために、死体の場所に寝転がる雪平。



やっぱりかっこいい!!



脚本風なのですよ。だから舞台がコロコロ変わるので、ちょっと読みにくいかも



しれません。



トリックも隠された真実もないけれど、まぁまぁ面白かったです。



ドラマを見ていたので、ドラマと小説が混じってしまったのが残念。



マスコミをうまく描いています。それと同時に大衆の好奇心や悪意も...。



ラストではアンフェアな月の事件をにおわせていました。



瀬崎のイメージが西島秀俊にピッタリで驚きましたね。5点中3.3点



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夏石鈴子「いらっしゃいませ」

2006-11-28 | な行の作家
楽しいかどうかなんて重要じゃない。会社で働く女の子にとって必要なのは、つま



らないことも我慢できること、そして、その我慢のなかでも何かを忘れないこと。




短大英語科に通う みのりは、いつまでたっても母親の意思が優先され、自分の



行く先を決められないでいた。そんな彼女が自分の意思で大手出版社を受験し、



確実に落ちるはずが、難関の試験や面接を乗り越えて採用される。配属はなんと



受付!! そこにはベテラン木島をはじめ紅子、宮本らがいるのだが...。




さて感想です。




うーーーーーーーーん。微妙!!! 受付の話でよぅここまでのばしたな。



淡々とした毎日で、きっとこのままでは終わらないだろうと思って、読んでいた



のですが、終わってしまいました(笑)




木島さんみたいなベテランがいると助かるけど、ちょっとうっとおしいかもしれ



ないです。



結局クレームとかは他の人にふるわけだし、じかにクレームを受けていた人間と



しては、甘いんじゃないの...と冷たく思ってしまったわけです。スミマセン。




作中に登場してくる児玉さんは、1983年文芸春秋に作者と同期入社した白石一文



さんらしいです。彼はこの本のラストに解説も書かれています。



みのりは私ではないと作者はおっしゃっていますが、エッセンスはもちろんある



でしょう。モデルもしかりです。




一緒にいて合わない人なんて会社にはいっぱいいます。



て...言うか、合う人の方が珍しいぞ!(笑) お給料なんて我慢料だぁ!!!(キッパリ)



でも日々学習して、折り合いをつけて闘っていく姿は共感しました。



自分もそうだったのか、こんなに初々しい新人だったのか.....あまりにも昔で



忘れてしまいましたが(笑)まぁ普通でした。5点中2.8点



彼女の作品では『夏の力道山』は面白そうなんだけどな(まだ未読)



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有川浩「図書館内乱」

2006-11-27 | あ行の作家
山猿ヒロインの両親襲来かと思いきや、小さな恋のメロディを叩き潰さんとする



無粋な良化「査問」委員会。迎え撃つ図書館側にも不穏な動きがありやなしや!?



どう打って出る行政戦隊図書レンジャー!




奇想天外な物語なのに、あいかわらず私(30代女)のツボをおさえてんなぁと



感じずにはいられません。後半なんて「ぐふっぐふっ」とニヤけてしまうのは



私だけなのでしょうか。




さて感想です。




やっぱり L・O・V・E でした。甘----い。甘すぎる!!



主要登場人物のキャラたち(小牧、手塚、柴崎etc)の外堀をうめるであろうこの



作品。新たな登場人物も多数加わっていきます。テーマはまさに「内乱」。




堂上はあいかわらず、郁の頭をなでまくりなのに、郁よ....何故気がつかない!!!




小牧は○○○○だったのかぁ。私の中では小牧は谷原章介のイメージだったの



ですが、今回読んでみてちょっとイメージが変わりました(笑)



コラポの『レインツリーの国』読まなくても問題ないかも...とちょっと思って



しまいましたが...。



玄田と折口の大人の関係も見ものです。



柴崎は大変だな。美人で賢いと苦労が多いんだろうね。



手塚の葛藤もうまく描かれていました。



未成年者の犯罪など、現在の問題点をうまくテイストしていましたね。



前作が衝撃だったので、ドンパチ好きの私としては精神物の今回はあっさりした



感じがしましたが、後半からぐいぐいと面白味を増してきたように思います。



次回作楽しみです。それにしても....



ええとこで終わってるがな!!!これで2月まで待てというのか有川さん!!

                       5点中3.8点



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山本幸久「幸福ロケット」

2006-11-24 | や・ら・わ行の作家
クラスで八番目にカワイイ「あたし」(山田香な子、小五♀)と深夜ラジオ好きで



マユゲの太いコーモリ(小森裕樹、小五♂)の可笑しくて切ない初恋未満の物語。



(Yahoo!ブックスより)



子供の頃遊んだ神社はどうして何もかも、あんなに大きく見えたのだろう。



ふとそんなことを思い出した。



父の転職に伴い、小石川からお花茶屋に転校してきた、小学5年生の山田香な子。



ちなみに趣味は読書で、誕生日はクリスマス・イブ。クールでシニカルな性格。


 
父耀蔵は料理上手。そんな父親を香な子は最近うざく感じている。



5年2組には小森祐樹(コーモリ)、町野、日下らがいた。



ある日、香な子はお嬢様の町野に頼まれごとをするのだが...。



久々にアタリの作家に遭遇。アタリとは「全部読んでみたい。買ってもいい。」



と思わせる作家のこと。この作家がまさにそう!!



さて感想です。



この物語の主人公は小学生たち。



小学生なのに、こんなに心揺さぶられ、ラスト号泣するとは...どうしたんだ私



とっても奥の深い『ちびまる子ちゃん』って感じです(ちょっと違う??)



面白いし、面白いだけではありません。心に残るものがあります。オススメです。



香な子の心の中のつぶやきが好きですね(笑)



ホントに男の人が書いているんですか....コレ。



子供たちが生き生きと描かれています。純粋でかわいいじゃん。さすがポプラ社。



1つ1つにちゃんとしたドラマがあるのです。
 


ベッコウメガネ。漫画家の叔父。コーモリの母。女教師。
 


小学生だと男子より女子の方が大人だな。



なんか小憎らしいほど小粋なんですよ。  



あぁ...恋ってステキ!!(愛に飢えてんのか私) 



一気に読んじゃいました。さくさく読めちゃいます。



大人もうまく描いていて、可愛く見えてくるんだな...これが。



ふたりをつなぐのが「本」なのも小粋でしょ!!



ラストはおもらず、おぉー♪と叫んでしまった。あったかい気持ちにさせてくれる



そんな作品でした。オススメします!!



ただ....装丁がダサイ。ちよっと残念。タイトルの意味分かりません。



何故ロケット??誰か教えて。5点中4.1点



■評価は5点満点です。ちなみに4点以上はあまり出ません。
  4点~      超オススメ
  3.5点~3.9点 読んで損なし
  3.0点~3.4点 まぁまぁ面白い
  2.5点~2.9点 人の好みによる
  2.0点~2.5点 私には合わない  となります。

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越谷オサム「階段途中のビッグ・ノイズ」 

2006-11-23 | か行の作家
だめな先輩のせいで、30年続いた大宮本田高校の軽音楽部が廃部の危機に...。



唯一の部員の啓人は校長との直談判の末、当面部活を認めてもらうことになる



のだが、それには厳しい条件があった。




さて感想です。




ま・さ・に 『ウォーター・ボーイズ』のロックバンド版バージョン!!!



青春菌炸裂です。しかも70年代ロック(クィーン・KISSなど)好きには



たまらない一品。




4人の青年がぶつかり合いながら、音楽を通して成長していきます。



人にヘーコラする啓人、美形のギタリスト勇作、一本気なブチギレ伸太郎、



フラレたロバ男の徹。それぞれの立場で物語が展開していきます。




単純です。ベタです。でも面白----い。オススメします。



集まるべくして集まった4人。階段が部室兼練習場所という劣悪な環境。



「あの軽音楽部」と後ろ指をさされながら、彼らはあらゆる困難に立ち



向かっていきます。




彼らは秋の文化祭の目玉「田高マニア」に出場することができるのでしょうか。



いやー読んでて、心がざわめきますわ。セイシュンってええな!!!



ラストは予想もつかない展開を迎えます。そっ....そうくるか!!!


主要キャラだけでなく、脇の登場人物の描き方も心にくいです。



もちろん青春ものにつきものの、恋話もありますよん。



爽やかな風が一気に吹き抜ける...そんな作品でした。5点中4.0点



■評価は5点満点です。ちなみに4点以上はあまり出ません。
  4点~      超オススメ
  3.5点~3.9点 読んで損なし
  3.0点~3.4点 まぁまぁ面白い
  2.5点~2.9点 人の好みによる
  2.0点~2.5点 私には合わない  となります。

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海堂尊「ナイチンゲールの沈黙」

2006-11-22 | か行の作家
東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生



する癌―網膜芽腫の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた



小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その



渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始



する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫



そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せて



いく…。(Yahoo!ブックスより)




ロッテのチョコレート「ラミー&バッカス」ってけっこう美味しい。ちなみにCMは



おばちゃんのプリンス ヨン様だ。バッカスってお酒の神様なんだね。この本



読んで初めて知った。




かなり賛否両論ありのこの作品読んでみました。




さて感想です。




えっ...勘の鈍い私でも犯人分かるんですけど(笑)...先も読めちゃうし。



ミステリーじゃないですよね...コレ。BUT...ファンタジーとして読んでみた



ならば全然OK!!



歌と精神がテーマなのかしらん。




前作すっかり忘れてました。自分でもこの記憶力のなさが恐ろしい(汗)



しかも不定愁訴ということで、伊良部先生と混じってしまっているのは私だけ??




まぁ読んでいるうちに、おぼろげな記憶がよみがえってくるのですが(笑)



前作はかなり出だしが読みにくかったのですが、今回はつかみはOKです。



先生(著者)成長しはったな...って感じです(失礼??)




今回は前回より9ヶ月後で、看護師の小夜ちゃんがメインに描かれています。




しかし登場人物よーさん出てくるがな!!!まぁ個性色々の面々で楽しいけどさっ。



絶対モデルがいるとみた(やる気のない女医とか)



前作がアクの強い面々だったので、今回は「いい人もいるのよ!」とアピールの



ためか、魅力的な人物が多数登場。そのため、やっとこさP232から登場の



白鳥の影はかなり薄い。ちょっと残念だった。




ハイパーマン・バッカスには笑いましたよ。




ちょっと無理矢理な設定なんでないかい....と思いつつ、今回はファンタジー



ドラマテックに決められたみたいです。



著者が現役の医者なので、医学用語バンバン出てきますが、全く分からないので



気にもなりません(笑)



でも前作の方が笑ったな。途中ちょっと疲れたけど、やっぱり面白かったです。



で...姫宮は?弁護士って??桜宮病院はどうなるの!!!



次回作楽しみですね。たぶんコレに続くんだろうか...。5点中3.7点



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小川洋子「海」

2006-11-21 | あ行の作家
小川洋子 新刊の短編集。行間が広く、とっても読みやすい。



でも広すぎてさらさら読めて、なんかもったいない気がする。




さて感想です。




表現力豊か...そして味わう  フ ・ シ ・ ギ 感覚。



(自分で書いててもよく分からないので、つっこまないで下さい)



地味で淡々としたお話ですが、決して退屈しないお話です。




恋人の実家に挨拶に行く『海』



死の床につく昔の恋人に会うため、ウィーンに来た60代女性を描く『風薫る



ウィーンの旅六日間』



一文字の打ち間違いが、世紀の発見を台無しにしてしまう『バタフライ



和文タイプ事務所』....このあたりはとっても官能的。あとは...



6才の少女とドアマンの中年男の交流を描く『ひよこトラック』



初老の紳士と少年の交流を描く『ガイド』これは『博士の愛した数式』と雰囲気が



似ている。以下は数ページの作品。



マリンライナーでの出来事を描く『銀色のかぎ針』



幼稚園バスの運転手のお話『缶入りドロップ』



私は『缶入りドロップ』一番好き。ベタだけど。「憎いよ...このっ」



ツンツンしたくなる感じです。



装丁も地味ながら素敵です。5点中3.2点



■評価は5点満点です。ちなみに4点以上はあまり出ません。
  4点~      超オススメ
  3.5点~3.9点 読んで損なし
  3.0点~3.4点 まぁまぁ面白い
  2.5点~2.9点 人の好みによる
  2.0点~2.5点 私には合わない  となります。



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門井慶喜 「天才たちの値段 」

2006-11-18 | か行の作家
いつもは土・日・祝はブログお休みなのですが、月曜日が更新できそうにないので



本日更新しています。




子爵の屋敷の地下室に秘蔵されていた巨匠ボッティチェッリ作『秋』!?世紀の



大発見か、それとも罪深き贋作なのか。オール讀物推理小説新人賞受賞作家



堂々のデビュー作。 (Yahoo!ブックスより)




ある日、短大の美術講師の佐々木は、神永美有(みゆう)という青年と出会う。



彼は、本物を見ると甘みを感じ、贋物に接すると苦味を感じる鋭敏な味覚の



持ち主だった。



そう彼は舌で美術品を本物か見抜くのです。



ちきちきさんにオススメですよ...と言われながらも『ちょっと小難しい&美術品』



って聞いていたので『難しいの苦手なんですけど....それに絵画だとピカソぐらい



しか知らんし大丈夫か?』と、腰がひけながらもチャレンジしました。



図書館でほとんど待つことなく借りれました。ちきちきさんおおきに!!です(笑)




では感想です。




なかなか面白かった。中でも「天才たちの値段」は、ずば抜けて面白かった!!



これには4.0あげてもいいくらい。



美術好きにはたまらない作品ではないかと思われます。 



美術品のことを丁寧に説明しているし、テンポも良く読み進められます。



ぐいぐい引きつけられましたね。



とはいえ、美術品の話はやっぱり小難しかった(笑)でも...



「よー分からないけどまっいっか。分からんのに面白いってすごいかも。」



感心してしました。



ずいぶん賢くなった気さえします。(気のせいだと思うけど...) 



作者がツボをおさえているからでしょうね。



でも美術品に全く興味のない私が、一気に全部読んだらけっこう疲れました。



すがすがしい疲れなのですが...(笑)



俳優で言うと 神永は及川光博もしくは黄川田将也、佐々木は西島秀俊あたりで



お願いしたいです。



読んでいると美術品がぼんやり目に浮かぶのですが、絵あれば想像力のない



ワタクシ、なお楽しめたと思います。



『天才たちの値段』『紙の上の島』『早朝ねはん』『論点はフェルメール』



『遺言の色』の全5編。



えっ...デビュー作ですか...コレ。今後に期待大です。5点中3.6点



■評価は5点満点です。ちなみに4点以上はあまり出ません。
  4点~      超オススメ
  3.5点~3.9点 読んで損なし
  3.0点~3.4点 まぁまぁ面白い
  2.5点~2.9点 人の好みによる
  2.0点~2.5点 私には合わない  となります。



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浅田次郎「月下の恋人」

2006-11-17 | あ行の作家
浅田次郎のは昔一冊読んだことがあるのですが、あまり覚えていません。



人間くさく、人情ありき....そして読ませる作家というイメージがあります。




働かない男のもとを、女房が子供を連れて出て行く。男のもとにある日一通の



手紙が届く『情夜』。



「嘘のつけない男が、たった一度嘘をつく」



おぉー! なんだか演歌の世界どうしょうもない中年男を描かせると天下一品



ですね。ぐいぐい引き込まれ、文章はうまく読みやすい




しかし.....




ん....んん...よー分からんがな。よく言えば幻想的?



悪くいえば、そのままほったらかし。あとは読者にゆだねられています。




でも....この気持ちをどこへ持っていけと??




想像力豊かでない私はほうり出されて右往左往(笑)




例えるなら「ボケまくった漫才でオチがない...オチは自分で考えなはれ」



という感じでしょうか(ちょっと違う??)




女子高生のはまだしも、大学生が主人公のは向いていないので学生はやめた方が



いいかも。(大きなお世話?)任侠とか高倉健のお話は生き生き描かれています。



これからも冴えない中年男でお願いしたいです。 




妻を亡くした男が宿「忘庵」を訪ねる『忘れじの宿』。やさしい京都弁で語られ



ます。あーなんかおっちゃんが好きそうなお話です。男性はロマンチストなのでしょう。



現実派の私は何を眠たいことを言うてんねん...とつっこみたくなるのですが(笑)




とは言え、泣きどころ、落としどころをよく分かっている作家さんだと思い



ました。さくさく読めちゃいます。5点中3.2点



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「フライド・グリーン・トマト」

2006-11-16 | えいが
アクションやコメディやサスペンスもいいが、この季節はやはり人間ドラマ



だな...と思う。



キャシー・ベイツ扮する主婦は、亭主関白な夫にうんざり。そんな時、ボランティアで



老人ホームを訪ねた彼女に、老女が昔話を語るのだが...。それは



閉鎖的な30年代の南部の田舎町で、大胆に因習に逆らい、恋に生き、虐げられた



黒人のためのレストランを開く勇気ある白人女性のお話だった。




そのレストランの名前は「ホイッスル・ストップ・カフェ」。



「フライド・グリーン・トマト」とは、このカフェに昔からある名物料理の名前



である。かなり良質なオススメ作品。現在と回想が巧みに交錯する。



これを見たらきっとフライド・グリーン・トマトが食べたくなる...きっと。



若き日のチャレンジャーなワタクシは映画を観た後、トマトを油で揚げてみた。



ま...まずすぎる(涙)ちなみにこの料理で使うのは青いトマト。赤いトマトは



食べられたものではありませんのでご注意を!!(笑)


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蒼井上鷹「九杯目には早すぎる」

2006-11-15 | あ行の作家
休日に上司と遭遇、無理やりに酒を付き合わされていたら、上司にも自分にも



まるで予期せぬ事態が―第26回小説推理新人賞受賞作『キリング・タイム』を



始め、第58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に選ばれた『大松鮨の奇妙



な客』など、ユーモラスな空気の中でミステリーの醍醐味を味わえる作品の数々。



(Yahoo!ブックスより)




では感想です。




ちょっと何・何?? この予想を大きく裏切られる展開の数々は!!




短篇とショートショートで出来たミステリーです。注目の新人作家のデビュー作



にしては大満足♪




しかもけっこうシュールでブラック。




伏線がよく練られており、裏の裏をかかれました(笑)




ミステリー好きの蓑田は、彼女の友人から夫の浮気調査を頼まれる。尾行した夫が



奇妙な行動をとる『大松鮨の奇妙な客』。



おぉー! 短篇でもここまで面白くできるのか。どきどきはらはらしちゃいました。



時にはじんわり怖かったりもします。



ショートショートは少しのヒントで読者をうまく導いていますね。



『私はこうしてデビューした』なんて怖いんですけど笑えます。面白い。



で...どうなるのって感じです。東野圭吾の作品に主人公たちの設定で似た



ものがあった気がするのですが、彼の作品でも騙されましたが、こちらはさらに



ひとひねりってやつです。きっと騙されちゃいますよー。



人の話を聞かない癪にさわる人を描いた『タン・バタン』など、ショートショート



でイマイチなのもあるけれど、なかなかの作品でした。面白かったです。



装丁も良いです。



もうすぐ新作『ハンプティ・ダンプティは塀の中』が発売になります。5点中3.7点



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吉田篤弘「それからはスープのことばかり考えて暮らした」

2006-11-14 | や・ら・わ行の作家
ワタクシ映画館では一番後ろに座ります。なんだかその方が落ちつくのです。



なんでこんなお話をするかと言うと、この本の主人公もそうなのです。




では感想です。




な...なんだ! スピード重視の時代に逆行する、このゆるゆるスローライフは!




路面電車がのんびり走る街にある、教会の隣に引っ越してきた僕(大里君)。



近くには名物のサンドイッチ屋があり、隣町にある映画館では古い日本映画が



上映されている。そこで僕が出会ったのは、サンドイッチ屋の主人と息子。



そしてマダムや老女。その時 僕は恋をしていた。




ただ淡々としているのに、ちょっぴりわくわくするのは何故だろう。



セリフが小憎らしいほど、コジャレているのです。



優しいお話、そしておいしいお話でした。



噛めば噛むほど味が出るスルメって感じ。(ちょっと違う??)




こういう生活というかお話ワタクシ結構好きです。ハキハキ生きている方には



退屈なお話かもしれませんが...。




これを読むと、スープとサンドイッチが食べたくなりますね。



優しくあったかい人とのつながり。装丁かなり素敵です。



『アンテナ』はぐふふ...ときました。『電報』では優しさが心に伝わります。



出版は暮らしの手帖社なんですね。初めて読んだかも。



それに夜鳴きそばが食べたくなります。遠回りも時にはいい。



不思議でキラキラする素敵なお話でした。5点中3.8点



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有川浩「図書館戦争」

2006-11-13 | あ行の作家
公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』



成立・施行された。検問や統制を強める行政に対抗し「図書館の自由に関する



宣言」を守るため、図書館も武装して戦うこととなるのだが...。




なんか難しそうに聞こえるでしょうが。違うんですよ...フッフッフッ。




はまる人ははまると言われるこの作品。BEEさんのオススメで読んでみました。



BEEさーんありがとう♪




さて感想です。




「すんげぇ...これ!!面白ーーい!!」



めちゃめちゃなお話なんですけど、発想がスバラシイ!!



作者がコンセプトは「月9連ドラ風一発GO」と言ってるだけあって、戦闘ありの



ラブコメディです。マンガチックでもあるか...(笑)



かなりワタクシのツボにはまりました。今年出版のもので、ファンタジー賞を



『ミーナの行進』スポーツ賞を『風が強く吹いている』とすれば、この作品は



間違いなく、エンターティメント賞をあげたいくらい。あぁ..面白かった。




図書館に採用され、関東図書基地で軍事訓練に励む笠原郁22歳。身長170cm。



無鉄砲で熱く、負けず嫌いで口が悪いが、本に対する熱い想いを秘めている。



彼女のまっすぐさがまたイイのだ。彼女の親友の柴崎麻子をはじめ、上司の堂上



と小牧や玄田。同僚の手塚など、愛すべきキャラクターたちのオンパレード!!




本や雑誌が狩られていく。それによって本が高価となり読みたい本が読めなく



なるなんて堪えられないな。




ラストも良いです。こりゃ『図書館内乱』買いですな。早くボーナスきてくれー。



この本を読んで、ウキウキドキドキを味わいぐはっはっはっと笑って下さいませ。



それに図書の大切さを痛感しました。主人公の本を守ってみせるという、本への



想いが強く伝わってきます。重いテーマで考えさせられるのと違い、読んでいて



楽しい。楽しいだけで何が悪いと開き直りたいくらいです。もちろん緊迫シーン



もありますよ。なんてったって『図書館戦争』ですから。ちなみに続編は『図書館



内乱』来年2月には『図書館危機』が発売される予定だそう。今から楽しみです。



有川浩さんはライトノベルの作家さんなのですね。興味のある方は



図書館戦争取材記もどうぞお楽しみ下さい。5点中4.2点



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映画「手紙」

2006-11-10 | えいが
クリスマスのイルミネーションが街に飾られていた。



あー今年ももう少しなんだね。



「7月24日通りのクリスマス」とどちらにしょうか



迷ったけれど、こちらを観てきました。



今読んでいる本がLOVE&POPなので、少々辛くても



堪えられるかなぁ...と(笑)



原作本は以前読み終わっています。



さて感想です。



やはり原作に比べ、浅いし軽かった。設定もところどころ変わっていた。



でも飽きさせることない展開で、よく出来た作品だと思う。



たぶん原作に忠実すぎると辛すぎて堪えられなさそう...。



監督は誰かと見てみたら「3年B組金八先生」「男女七人夏物語」



「ずっとあなたが好きだった」「愛していると言ってくれ」などの



ドラマ界の巨匠、生野慈朗。



なるほど...納得。



最初はどうなることかと思っていたけど、杉浦直樹が出てきた



ところで一気に空気が変わった。やはり名優は必要だな。



沢尻の変な関西弁も気にならなくなったし。



東野圭吾のセリフは泣かせます。



被害者、加害者、その他の人々それぞれがうまく描かれていた。



漫才は思ったほど違和感はなかったけれど、漫才より山田君の



イマジンが聞きたかったな。



ラストで小田和正は反則ちゃうの(笑)



泣くぞーと心構えしていせいが、つーと涙がつたう程度で済んだ。



とはいえ、映画館の中では号泣している人がいっぱいいた。



映画を観て感動した人には、是非原作を読んで欲しいと思う。



原作はものすごく重い。ただ伝わるものも、ものすごくあると思うから。