待ち合わせは本屋さんで

ようこそお越し下さり、ありがとうございます(^_^)

荻原浩『千年樹』

2007-05-12 | 荻原浩
「木はすべてを見ていた」

やはり荻原氏は読ませる作家だな…。


会社の先輩も読んでいたので、感想を聞くと「まぁ…普通かな」とのこと。

賛否両論もあるこの作品。

読んでみたら、なかなか面白い作品でした。良かったです。


テーマは死。

物語は、とても暗く、気持ちのいい話ではない。

しかし、ぐいぐいひきつけられ一気読み。

悲しいお話や怖いお話が多いが、あまり怖さは感じなかった。


樹齢千年のくすの木。


時代のテイストをうまく取り入れ、千年という時空を行ったり来たり、

そして交錯し、物語は展開していく。

この物語の展開はどうなるのか…気になるのよね~(笑)


人それぞれに人生がある。

その時代を望まずとも、人は生まれ、ただ懸命に生きる。

時には鬼となっても。


『バアバの石段』が好きでした。『瓶詰の約束』も。

戦争モノに弱い私です。★★★★



参考になりましたらクリックをお願い致します。
    ↓
にほんブログ村 本ブログへ

【ほんぶろ】~本ブログのリンク集


荻原浩「メリーゴーランド」&黒澤明「生きる」

2006-12-27 | 荻原浩
啓一36才。過労死続出の職場を辞め、今は地方都市の市役所勤務。愛する妻や



可愛い子供たちに囲まれ、平穏無事な、お役所ライフをエンジョイしていた。



ある日「アテネ村再建対策室」へ異動になり、ペカザスリゾート開発へ出向する



ことになるのだが....。




どうしょうもない行政に対し、「みのもんた」は朝からハイテンションだ。



あんなに怒ったら、血管切れちゃうぞ。



無駄な施設を税金で、バンバン作り続ける行政側。しかも作った後は知らん顔。



この責任は誰がとる?まさに本だけのお話と笑ってはいられない。




第三セクターの駒谷アテネ村。閑古鳥がなく、超赤字テーマパーク。再建に選ばれ



た「アテネ村再建対策室」には、室長の丹波、ずんぐり体型の林田、不思議ちゃん



徳永、ロンゲの柳井らがいるのだが...。




お父さんは、頑張るんです。息子の作文のために(笑)



そんな彼に数々の障害が...。孤軍奮闘。さてどうなる??



さすが、荻原作品。会話がいいし、キャラもいい。



イベントのところは、めちゃめちゃ面白かった。笑ったわ。



だけど『神様からひと言』ほどパンチがなく、『なかよし小鳩組』ほどハジケて



いない。ちょっと物足りない。読んでると、公務員や天下りOBにムカムカくるし。



ラストはそうくるのか。ふーーーん。5点中3.5点



余談ですが....



「生きる」という黒澤明のモノクロ映画をご存知ですか? 50年以上も前のお話です



が、お役所がちっとも変わっていないことに驚くことと思います。



ちなみにこの映画は、役所に勤める男が主人公。のんべんだらりと書類に判子を



押すだけの毎日。「死んだような」生活を続ける彼が、胃がんで余命わずかだと



言われて、人生が変わっていく物語です。主演は志村喬。存在感のある俳優さん



です。雪の降る公園で、ブランコに乗るシーンは大好き。



何かを変えたいと思っているあなたに、オススメしたい作品ですね。



参考になりましたらクリックをお願い致します。
    ↓
にほんブログ村 本ブログへ



荻原浩「四度目の氷河期」

2006-10-17 | 荻原浩
僕はフツーの子供とは違う。だからトクベツな子供になることにした。


母さんと僕(ワタル)は、田舎町で差別されながら生きてきた。


人間は何も選べずに生まれてくる。その中でいかに生きていくかが

問題なのかもしれない。ワタルもあることを思い込み...決断する。


皆に見えているものと、自分に見えているものは同じなのか?

「普通」とは何か?


出だしからなんかツライんですけど...。


そこに現れる救いの女神(サチ)の登場。


まぁまぁ面白いです。ぐふふっと笑えるシーンも多いし。でも

3分の1ぐらいカットしてもいいかも...と思ってしまいました。

なんかもったいないです。クロマニヨンが長すぎる...。


「なかよし小鳩組」の時も思いましたが、荻原さん子供を描くのが

ウマイです。

ワタルは子供から少年へ...そして青年へ。ちょっと変わった青春小説です。

男の子の成長が結構詳しく描かれています。


思春期の男の子はいろいろ大変ですね!


ラストは「えーーーっそうきますか」って感じでした。5点中3.5点




萩原浩「なかよし小鳩組」

2006-06-30 | 荻原浩
この本「書店ポップ術」に載っていた。オススメということで読んでみました。
ダサい表紙 さらにぱっとしないタイトルと絵(失礼?)
もったいなーーーい。かなり面白いのに。

倒産寸前のユニバーサル広告社にヤクザ小鳩組のイメージ戦略の仕事が舞い込む。
担当になったアル中バツ一のコピーライター杉山。さらに別居中の娘まで転がり込むんできて...。

彼の作品って笑いの中にホロッとさせられる作品が多い。特に語りかける作風が胸をうつのだろう。

さっすが元コピーライターだけあってリアルです。「もっちロンドンパリ」の娘の早苗といい、ヤクザの河田といい、キャラがかなり魅力的。3章まではすごーくいいのですが、4章から「ありえーーん」と思ってしまうのですが、そこは小説。
差し引いても満足する作品です。電車の中で読んでたら笑いが出てきて大変でした。5点中4点

「明日の記憶」でおなじみの萩原浩作品。最近彼の作品がお気に入り。「神様からひと言」もなかなか良かった。