待ち合わせは本屋さんで

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池井戸潤『オレたち花のバブル組』

2008-07-03 | 池井戸潤
ご存知『オレたちバブル入行組』の続編。


巨額損失会社の再建。絶えない派閥争い。金融庁との対決。

窮地に追いつめられた半沢…さてどうする!!


今回は、心の病におかされ、出世コースから脱落し、メーカーに出向

させられた半沢の同期、近藤を軸に物語は展開していきます。

出向というと聞こえはいいですが、銀行に居場所がない完全な片道切符です。


さて感想。


やっぱり池井戸さんの銀行モノは安心して読めますね~。

痛快で爽快だわ♪

ズバズバと悪を成敗し、なかなか面白いのですが

ん…んん。やっぱりこういうラストなのか(笑)


今回も極悪商人や賄賂まみれの悪代官みたいなのが登場します。

出向先でのいじめはリアルで、読んでいるこちらまで胸が痛いよ~。


間違った人間は決して許さず、正していく半沢。←やられたら倍返しだ!!

あぁ…めっちゃ敵多そう!!というか闇討ちに合いそう。

私は渡真利の方が好みだわ。

半沢の唯一の弱点は奥さんで、この設定もけっこう好きかも。


あと心に残るセリフも多かったです。例えば…


たとえどんな理由で組織に振り回されようと、人生は一度しかない。

ふて腐れているだけ、時間の無駄だ。

前を見よう。歩き出せ。どこかに解決策はあるはずだ。

それを信じて進め。それが、人生だ。


池井戸さん さらなる続編もお待ちしています(笑)★★★★


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池井戸潤『銀行仕置人』

2008-01-23 | 池井戸潤
関東シティ銀行、本店営業第三部次長・黒部一石は、巨額融資焦げ付きの

責任をとらされ総務部の座敷牢に追いやられる。

やがて黒部は、自分を罠に嵌めた存在と、その陰謀に気づくのだが…。


出世階段から滑り落ち、追いやられた男の復讐劇。


さて感想。


池井戸さんお得意の銀行が舞台の勧善懲悪モノ。

悪人成敗のところは、スカッとするな~。

それぞれの立場で描かれている作風もうまくて、安定した面白さです。


まぁ「そんな都合よくいくか~??!」と思いがちですが…(苦笑)

「水戸黄門」好きの方は是非♪


あっ…闇金のところは、怖かった~。

トイチの借金はいけません。

黒部のその後も、読んでみたいかも。  ★★★★


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池井戸潤『オレたちバブル入行組』

2008-01-17 | 池井戸潤
バブル・ピークの狂乱が始まる直前、五人の学生たちはそれぞれに夢を抱き

希望に胸を膨らませて銀行の門をぐぐったのだった。

これから何が起きるとも知らずに。(本文序章より)


カテゴリーがあるくらい、池井戸ファンなワタシ。

今回もお得意の銀行モノで、ガッツリ読ませていただきました。


舞台は大阪。

主人公の半沢直樹は、東京中央銀行大阪西支店の融資課長。

入社から十余年たち今や中間管理職だ。

支店長のごり押しで融資した会社が倒産する。

すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。

次第に彼は追いつめられていく。どうする半沢!!


さて感想。


やっぱり池井戸さんは面白いね。一気に読みました。

銀行の内情が、分かりやすく描かれています。

でも、こんな銀行生活やったら早死にしそう(笑)

後半はスカッと爽快。ん…んん、なのか??!!


★5つにならなかったのは、まっすぐで白黒ハッキリしている半沢が

私の好みでなかったからかと。


4月発売予定の『オレたち花のバブル組』って、この作品の続編ぽい

ですよね。敵が多そうな半沢をはじめ、この作品にも登場している同期たち

がどうなっているか楽しみです♪ ★★★★


そうそう巻末の解説を読むと池井戸さんの顔は「苦虫を噛み潰したような顔」

らしく、気になったので検索したら、ご本人のHPがあって載ってました。

おぉー。なんか賢そうや~(笑)


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池井戸潤 『株価暴落』

2007-05-03 | 池井戸潤
主人公は白水銀行審査部の板東洋史。

巨大スーパーの一風堂を襲った連続爆破事件。

一風堂の業績は悪化しつづけ、株価は大暴落。

それは白水銀行の業績をも直撃する事態であった。

犯人の動機は? 過去の出来事と、何か関係があるのか?

疑問を抱いた板東は、独自に事件について調べ始めるのだが…。


BEEさんのトコロで紹介されていたこの作品、読んでみました。

さて感想です。


きゃ~。

一匹狼のハードボイルドな板東が、かなりかっこいい~っす(笑)

企画部の二戸や総務部の波田など、銀行内部にも敵がいっぱいで…。

しかもあっちこっちから押し寄せる問題。

どうする板東!! どうなる一風堂!!


理解したかは別にして、株や銀行のことも分かりやすく描かれています。

「ええっ」と思うところもあるのですが、ホント彼の作品はページを

めくる手が止まらないねぇ(笑)

銀行を舞台に、ここまで面白く描けるのは、さすがだなぁ…と。

理不尽な奴のモデルって絶対いるんだろうな。

池井戸氏は銀行時代さそがしムカツク上司や客がたくさんいたに違いない(笑)

空飛ぶタイヤ』には及ばずとも、とても楽しめた作品でした。★★★★


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池井戸潤『空飛ぶタイヤ』

2007-04-11 | 池井戸潤
小さな運送会社のトレーラーが起こしたタイヤ脱輪による死亡事故。

事故原因は整備不良か、それとも…。


実際にあった三菱自動車のリコール隠し。今やそれも風化しつつある。


さて感想です。


作者が緻密な取材を、かなりかさねられたからでしょう。

評判どおり、とっても面白かったです。一気に読んじゃいました。

おかげでかなり寝不足ぎみ(笑)←だって先が気になるんだもん


ここで登場するのは、自動車会社、銀行、警察、記者、そして被害者の家族など。

登場人物が、かなり多いにもかかわらず、それぞれの思惑と苦悩が見事なまでに

描かれています。

なかでも、銀行の内情をここまでリアルに描けるのは、元銀行員ならでは..だな。

流れるような展開に、ドキドキハラハラがとまらなかったよ(笑)


大企業を相手に、たった一人で戦いを挑むのは、小さな運送会社の社長の赤松。

坂道を転がり落ちるように、さまざまな出来事が彼を襲う。

そんな中、切れそうな細い糸を頼りに、彼は原因を探り始めるのだが…。


読んでいるうちに、のめりこんでしまい、赤松運送の事務員にでもなったかの

ごとく、感情入りまくり(笑)


ドラマにするなら、主人公には是非この方で!!ドラマ『カバチタレ』で確か同じような役を

されていた気もするのだが...BEEさんいかがです...この配役は!!

しかし、実際にあった事件をモチーフに、ここまで描ききった作者に、直木賞を

あげることができなかったのかね。★★★★★



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池井戸 潤「シャイロックの子供たち」

2007-01-29 | 池井戸潤
作者は慶応法学部卒業後、三菱銀行(当時)入行のエリートらしいので、難しい

のでは…と思いつつ読み始めたのだが…。10話短編の構成、主人公もその都度

変わるのだが、流れるような展開であり、難しくもなく、とっても読みやすい文章

だった。


舞台は大田区にある、東京第一銀行長原支店。いやーめちゃ面白かった!!

この作家残念ながら『空飛ぶタイヤ』では直木賞を逃したのだが、この本を

読む限り受賞してもおかしくないと思わせる筆力の持ち主。


会社は戦場。どんなことがあっても、自分のため、家族のため、生き残らな

ければならない。息づまる攻防。明らかになる人間関係。

ページをめくる手が止まりませんでした。中盤からは新たな展開に突入して

いきます。ラストはとっても気にいらないのですが(笑)許せます。

感動ではない、リアルさを味わって欲しい作品です。一気に読めちゃいますよー。


ちなみにシャイロックとは、シェークスピア「ヴェニスの商人」に出てくる

悪辣、非道、強欲なユダヤ人の金貸しなのだそう。なんてナイスなネーミング!! 

                            5点中3.7点


んでオビ裏文面にはこんなコトバが...

「貸す」と「借りる」の間には様々な関係が存在する。そこには超えてはならない一線があるのだが、ときとして銀行員はそれを越え、ただの金貸しとなる。金のために人生を賭し、組織の論理より人生の論理を優先させる。ときにそれが暴走し、銀行という組織を軋ませる事件へと発展するのだ。そんな金貸しと化したひとりの銀行員が、本書の舞台となる東京第一銀行長原支店にいる。果たして彼がどうなるのか。金貸しの末路をその目で確かめて欲しい。 池井戸 潤

と書いてあった。


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