待ち合わせは本屋さんで

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薬丸岳『悪党』

2009-09-28 | や・ら・わ行の作家
ある日、一人の女子高生が、男たちに陵辱されたうえ殺される。

この世のものとは思えぬ、苦悶の表情を浮かべたまま。

それが、あなたの愛する娘なら、恋人なら、姉妹なら、妻なら

あなたは加害者を赦すことが出来ますか?


さて感想。


読み応えのある作品でした。

小説の世界に、一気に引きずりこまれます。

しかし、被害者遺族としての目線で物語が描かれているため

ものすごく感情が入ってしまい、読んでいて辛い。辛すぎる...。しんどい。

特に性被害なので、女性だから嫌悪感を感じてしまうからかもしれません。


反省せず、謝罪の言葉すらない犯人たち。被害者は、まさに殺され損。

そして彼らに下された判決は、償うにはあまりにも短い刑期。

彼らはその刑期が終わると、リセットされた人生を歩いていく。

そして、今幸せに暮らしているとしたら...。


一方、被害者とその家族には、ひどい現実が待っている。

決して消えることのない、加害者に対する激しい憎悪の焔。

癒えることのない心は、しだいに精神を蝕んでいく。


レイプは体を傷つけるだけではない。心をも殺す。

著者はどの作品もそうだが、一人でも多くの人に知ってもらいたいと

いう信念で書いていらっしゃるのかな。


それにしても、実力のある、注目の作家さんで、今後の作品も楽しみです。


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温泉

2009-09-28 | Weblog
皆さん、お元気ですか?

あっという間に、あと2日で10月ですね。読書の秋、食欲の秋。

今年も残り3ヵ月。充実した毎日でありますように(*^_^*)


さて、9月は温泉に行ってきました。

ココの離れに泊まりましたが、風情があって良かったです。

それにしても、ラブラブなカップルの多いこと^^;

まぁ、微笑ましくもありますが。

女子は作務衣より、浴衣の方がええですねぇ。

食事も美味しいし、大浴場も充実してました。

やっぱり温泉好きです!!


あ、庭に可愛いウサギがいました。

『96時間』

2009-09-08 | えいが
娘を誘拐された父親が、娘の救出に向かう。


さて感想。


意外に面白かったです!!(←期待してなかったからかしらん^^;)

さすがヒットメーカー、リュック・ベッソン。

93分あっという間でした(*^_^*)


この父親、リーアム・ニーソンが演じているんですが、元CIAだけ

あってめちゃくちゃ強い。強すぎる!!


それにしても、娘をちょっと甘やかしすぎな気もするのだが ^^;


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吉村昭『冬の鷹』

2009-09-04 | や・ら・わ行の作家
人生50年の時代に、50を前にして、オランダ語習得を目指した

『解体新書』の訳者、前野良沢(まえの・りょうたく)が主人公。


良沢は派手なことは好まず、人嫌いなため、親しい友もいない。

近づきがたい学者肌だ。

良沢はオランダの医書『ターヘル・アナトミア』(解体新書)を苦心の末

翻訳するのだが、訳者として本に名前が刻まれたのは、杉田玄白であった。

無名の医師であった玄白が『解体新書』により、富と名声を得ていく一方で

良沢には次々と不幸が襲う。


さて感想。


オランダ語研究者として生きようとした良沢。

医師として、人体の構造を世に示そうとした玄白。

二人の間の深い溝。

まるで、光と影。

あまりにも対照的な人生でした。

面白かったです。


が...真面目だが、偏屈で不器用すぎる良沢も、機転がきき人あたりは

良いが、したたかで抜け目のない玄白も、どちらも好きになれず^^;

(たぶん著者は玄白が大嫌い。まぁ「ええとこどり」やからなぁ)


良沢は決して自分に満足することはありません。

学問に対する情熱は、ものすごいです。

人生を賭けるものに出会えるって、本当に素晴らしいなぁと感じました。


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