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あさのあつこ『夜叉桜』

2007-10-15 | あ行の作家
生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも不自由なのかと

思うことがございます。


弥勒の月』の続編です。


あの事件から半年、江戸の町で女郎の喉をひっさばき殺す事件が

次々とおこる。同心・信次郎はその被害者が挿していた簪が、元暗殺者

清之介が商う小間物問屋で売られていたことを知るのだが…。


さて感想。


う~。まあまあ面白いかな。あさのあつこさんだけあって、ぐいぐい

読ませるところも多いのですが、やはり前作の方が良かったかも。


ひねくれものの同心・信次郎はもちろん、小間物問屋「遠野屋」の主人

清之介や初老の岡っ引きの伊佐治も登場します。


べっとりへばりつく血。

この作品を読んでいると、血の臭いがしてきます。


女郎という生き方しか、できなかった女たち。

過去を背負って生き抜く清之介。


弥勒と夜叉。


前作を読んでいなくても、前作のお話がところどころ出てきます。

腕一本で生きる職人たち。前作同様、今日をただ懸命に生きる市井の

人々がうまく描かれていました。


失って分かるものとは…。


ラストは暗闇から少し光が射し込んできました。あぁ良かった。

ただ全般的に、とても悲しいお話でした。

中盤がちょっとダルかったので、厳しめの★★★(前半とラスト★★★★)


これ..続編できるでしょうね。てか3人の今後を是非読みたい!!

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