8年間、慣れ親しんだ店がまたひとつ消えた。
東町の静かな住宅街にぽつりと灯る明かりが消えた。
偶然にも、8年前の12月オープンと同時に友人に紹介されて気に入って通い続けた。
腰をかがめないと入れないほどの高さのにじり戸が印象的な店だった。
異空間を作り上げてきた、オーナーのシモンさん。
も、とうとう、卒業とのことだった。
4~5年のつもりではじめた店で、こんなに持ったのは不思議です。と、最終日の昨夜、挨拶をしていた。
淡々といつものように、ただ卒業します。というのだった。
客の方がむしろ、慌てふためき落ち着かなかった。
「これから私たち、ぼくたちはどこに行けばいいの?」というのだった。
ある女性はいった。
「ある時は3時まで話を聞いてくれました。ある時は放しも聞かずに無視されました」「優しいのか優しくないのかわかりませんが、この店が好きでした」と。
そしてまたある人は「結婚式をあげる前に妊娠して、親にも言えずに困っている私たちを、ここの仲間が祝ってくれました」と。
そして、ある男性は「普通は店の人が客に気をつかうのにこの店は客がマスターにきをつかうのです」と。
「酔ってきたら追い返されました」
「団体を断り続け貧乏しながらこの店が好きな客のために貧乏しているマスターありがとう」とも。
一本気の男ッ気のあるマスターは男性からも女性からも人気者でした。
しかし、なんせ、入り口がにじり戸ですからいちげんさんには入りづらいこともあり
いつも暇な店でした。
客の私たちは静けさが提供されてありがたい店でした。
また、ひとつ、わたしの好きな店がなくなってしまう。
なんとも寂しいこと。
とても好きな空間でした。居心地のいい店でした。
マスターの間の取り方、話すときの間の取り方がとても好きでした。
センスのよさは超一流でした。
雰囲気のよい方でした。
「つぶれたのではない、卒業させてくれ」とみんなに挨拶をしていました。
別の道を歩みたいのだと。決断したシモンさんにみんな感謝の言葉でした。
これまで儲かるということに縁がなかったので、次は儲かる仕事をしてみたいと・・。冗談のようにいいました。
「お元気で」といわれると戸惑いました。
「またねー」ではなく、「お元気で、」と。
12月、決断の月でもあるんだと改めて思ったものです。
雨模様の大晦日。ありがとうございました。
東町の静かな住宅街にぽつりと灯る明かりが消えた。
偶然にも、8年前の12月オープンと同時に友人に紹介されて気に入って通い続けた。
腰をかがめないと入れないほどの高さのにじり戸が印象的な店だった。
異空間を作り上げてきた、オーナーのシモンさん。
も、とうとう、卒業とのことだった。
4~5年のつもりではじめた店で、こんなに持ったのは不思議です。と、最終日の昨夜、挨拶をしていた。
淡々といつものように、ただ卒業します。というのだった。
客の方がむしろ、慌てふためき落ち着かなかった。
「これから私たち、ぼくたちはどこに行けばいいの?」というのだった。
ある女性はいった。
「ある時は3時まで話を聞いてくれました。ある時は放しも聞かずに無視されました」「優しいのか優しくないのかわかりませんが、この店が好きでした」と。
そしてまたある人は「結婚式をあげる前に妊娠して、親にも言えずに困っている私たちを、ここの仲間が祝ってくれました」と。
そして、ある男性は「普通は店の人が客に気をつかうのにこの店は客がマスターにきをつかうのです」と。
「酔ってきたら追い返されました」
「団体を断り続け貧乏しながらこの店が好きな客のために貧乏しているマスターありがとう」とも。
一本気の男ッ気のあるマスターは男性からも女性からも人気者でした。
しかし、なんせ、入り口がにじり戸ですからいちげんさんには入りづらいこともあり
いつも暇な店でした。
客の私たちは静けさが提供されてありがたい店でした。
また、ひとつ、わたしの好きな店がなくなってしまう。
なんとも寂しいこと。
とても好きな空間でした。居心地のいい店でした。
マスターの間の取り方、話すときの間の取り方がとても好きでした。
センスのよさは超一流でした。
雰囲気のよい方でした。
「つぶれたのではない、卒業させてくれ」とみんなに挨拶をしていました。
別の道を歩みたいのだと。決断したシモンさんにみんな感謝の言葉でした。
これまで儲かるということに縁がなかったので、次は儲かる仕事をしてみたいと・・。冗談のようにいいました。
「お元気で」といわれると戸惑いました。
「またねー」ではなく、「お元気で、」と。
12月、決断の月でもあるんだと改めて思ったものです。
雨模様の大晦日。ありがとうございました。